▽日吉と鳳と跡部と忍足


※部室にて






「こおり鬼をしよう!」

「…やだよ」

「俺たち中学生なんだよ?もっとそれらしいことやろうよ!」

「何でそんな必死なんだ」

「この間立海に行ったら、真田さんと切原くんが鬼ごっこしてたんだ」

「多分それは、悪さをした切原が真田さんに追い掛け回されてただけだろ」

「でもでも、すっごく楽しそうだったよ?」

「それを見てた幸村さんが、だろ?」

「そ、そうだけど…」

「おい日吉、こおり鬼ぐらいいいじゃねえか」

「来たな、何でも王様野郎跡部さん」

「こおり鬼…氷帝にはぴったしの遊びじゃねえの!」

「ですよねぇ!さすが跡部さん!」

「だからこおり鬼にこだわってたのか、鳳」

「さて、そうと決まれば全員集めるぞ」

「は?あんた部員全員でやる気か!?」

「なんだって多い方が楽しいだろが」

「あ、跡部さん!こおった宍戸さんをそのままお持ち帰りってルールは有効ですか?」

「はっ…仕方ねぇ!今回だけだぞ鳳!」

「何が仕方ないんですか。しかもちゃっかり次回もあるぞってことを匂わせましたね」

「ふ…俺もこおり鬼の意見、賛成やで」

「…チッ」

「忍足じゃねえか。テメェもアレか、鳳的なルールで向日をお持ち帰りしたいのか」

「そうなんですか?忍足さん…」

「ちょお、何で鳳は若干引き気味なん!?自分かてそうやろ?……あと、俺がお持ち帰りしたいんは…お前や、跡部」

「そういうのいらねーから」

「あれ!?反応薄いやん。もっとドキッとかなる思うとったのに」

「そんなんでドキッとする男子いませんよ。アホですね」

「今日も日吉の言葉のナイフぐっさぐっさ刺さってきよるわ〜」

「そのまま死ねばいいのにな」

「俺も、忍足さんがいたらいつまで経っても、氷帝に平和が訪れない気がしてきました」

「何やみんなして、よってたかって弱い者いじめかいな。アカンでぇ、弱い者いじめ」

「もううるさいですね。ごちゃごちゃ言ってないでさっさとこおっちゃってください」

「…ほうら、こおれ!」

「あ!跡部にボディタッチされてもうた!」

「いいか忍足、そっから動くんじゃねえぞ?」

「さ、俺たちは外でやるか。行くぞ鳳」

「それじゃあ忍足さん。誰かにもう一度タッチされるまでそこを動いたらダメですからね!」

「いや、ここ部室やから誰も来いひん…」

「いいか…一歩でも動いたら今後一切、俺様に話しかけるな」

「ちょ…!…あーあ、行ってしもうたわ」




その後、部活(ほとんどこおり鬼だったけど)が終わるまで、忍足さんは誰にもタッチされぬまま、こおっていたそうです☆ by鳳





120811


ほうら、こおれ!がやりたかっただけ




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