▽謙也とユウジ





「さっき、この白石の食べかけのチーズリゾットを平らげたのは
@金ちゃん、A千歳、B小石川、C財前…さあ、誰や」




…………………知るかあああ!!


練習の合間に忘れ物を取りに部室へ戻ったら、皿と一氏が待ち構えていた。

しかも何かいつもよりどことなく真剣に問いかけてくるもんだから、俺もついつい黙ってしまった。

すぐに突っ込めばよかったものの、心の中で突っ込んでしまったので今更するのも…とにかく目の前をずっと空の皿を持った一氏に邪魔されるのも馬鹿馬鹿しいので質問にさっさと答えよう。


「…白石の食いかけなんて食べたいとか、思う奴おらへんから答えはDの白石や」

「ブッブー」

「…………答えたんやからどけや」

「正解するまでどけへん仕組みやねん」


お前は機械か。
動けるんだからとっとと動け!


「じゃあ適当に@」

「ぷっ」

「何笑っとんねん!」

「いや、ありきたりすぎて…くっあっはっは!」

「あ〜もう!ワケわからへん」

「答え教えてほしい?」

「どうでもええんやけど、そこどいてくれたら」

「正解はFの銀でした〜!残念やったなあ、謙也」


ニヤニヤするユウジに対して、俺は衝撃的すぎて何も言えなかった。


「……嘘や」

「ホンマやで。ほれ、写メ」


差し出された携帯の画面にはしっかりとチーズリゾットを嬉々として食べている銀の姿。


俺はその後の練習に全く集中できず、挙げ句ちょっとだけ人間って面白いな…とか思った。



120711




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