「痛いんだ」 「どこが」 「わかんない」 「…からかっとるん?」 「本当にわかんないの。身体はどこも怪我してないのに、痛い」 「あれじゃ、心が痛いんじゃ。何かショックなことでもあったんか?」 「うーん…真田の唾が俺にかかったことくらいしか」 「それがそんなに嫌だったか、自分でも気づいとらん内に、傷つくことがあったんじゃなかと」 「……何だろ、何かあったっけなあ」 「まあゆっくり考えて、それから心の傷、癒していけばええ」 「うん、そうだね。ありがとう仁王…」 「おう」 「仁王の分際で俺の頭をなでるなんで良い度胸だね」 「元気付けようとしたんになして!?」 「あ、今思い出した。 俺、柳生に抱き締められてるお前を見てから、なんか痛くなったんだ」 「な、んで…」 「何でって言われても…嫉妬?」 「嫉妬って、俺に?」 「バカ仁王。何で俺が柳生を好きな設定なの」 「普通はそう思うナリ」 「俺多分、仁王が好き」 「は…あ!?」 「好き。あいらぶゆー」 「いやいや、繰り返さんでええから!…は、あり得んやろ」 「何であり得ないの?」 「だって俺、幸村んことすき……あ」 「ふーん。俺が好きなの?その話詳しく聞かせてほしいなあ」 「や、やめんしゃい!近づくんはやめてくんしゃい!!」 120603 |