勘違いしていた。ずっと。 名前を呼んで笑いかけてくれるあなたは、きっと俺のこの想いを受け入れてくれるものだとばかりだと思っていた。 『ん、あっ……』 『んな顔すんな、誘ってんのか?』 『ちがっ!』 『真っ赤…可愛いな』 『う…ぃや』 『好きだぜ、宍戸』 『あっ!俺、も……あと…べ』 「………っ!」 部室の窓から聞こえてきた二人の会話…いや、情事。 耳を塞ぎたくなる様な宍戸さんの甘い声と、呼ばれた跡部部長の名前に俺は心臓が止まった気がした。 何で、何で俺じゃないんですか? 何度も繰り返して、心の中で宍戸さんに問いかける。 声にならない俺の叫びは、届くはずもなかった。 120527 また鳳です(笑) 最近、彼が書きやすい。 |