▽鳳日





「好きなんじゃないかと、思う。お前のこと」

「曖昧に告白されたって嬉しくない」

「日吉は俺のこと嫌いなの?」

「………………」

「それだけじゃ、ダメかな。日吉は、言葉がほしいの?」

「俺はただ………不安、だから」

「不安?」

「俺が本当にお前の一番なのか、わからないんだ。鳳に好きだって言われても、その先にずっと宍戸さんがいる気がして…」

「確かに、宍戸さんは好きだよ」

「ほらな」

「でもさ、こんな真っ正面から好きだって言えるのは日吉しかいないよ。宍戸さんには怖くて言えないし」

「怖くてってなんだよそれ…」

「何か、殴られそう」

「デカイ図体のお前がそんなこと言ってたらなんか面白いな」

「うん、だから付き合って?」

「意味わかんねえよ。ばか」

「…っ、そうだね、俺一生ばかで良いよ」






顔を耳まで赤くして抱きついてきた日吉を、俺もそっと抱き締めた。



120524





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