「"色褪せないあの空へ"…ええ曲やな。STONES…?あ、白石と銀いてる! へぇ〜メンバーみんな、名前に"いし"があることからユニット名はSTONESか。 せやからって木手のえいしろう、って結構無理矢理やろ。 …なのに何で、名字に思いっきり石がある俺はSTONESに入れんかったんやろうな。なあ、白石に銀」 今までに見たこともない様な笑顔で同意を求めてくる小石川に、俺と銀は震えた。 今日まで、みんな和えて触れてこなかったその事実を遂に本人の口から出してしまったのだ。 「何で、俺を誘ってくれんかったん?」 「いや…その、な…」 「お偉い方からオファーっちゅーのがあってな…」 「へえ〜その中に俺の名前はなかったと。」 怖い。今の小石川ごっつ怖い。 大人しくて、親切で、誰にでも優しい子が思いもよらぬ犯罪に手を出して新聞に載るこの時代だ…こいつのこんな一面だってあっても不思議じゃないんだ。 躊躇うな、前を向け……ません。やっぱ怖い。 「……ごめん」 「今さら謝られても、俺の心の傷はもう誰の手も届かんくらい、深くなってしもうた」 「小石川はんも、いつかきっと機会がくる。その時までじっくり待とうや」 「………」 銀の言葉を聞くや否や、ワナワナと震えだす。 え…何なに? 「新テニにすら出とらん俺が、どないしてCD出すっちゅーねん!!!」 「……も、ホンマごめんて、小石川あ!」 それからも時折、俺と銀のパートを口ずさむ小石川にもう俺は泣きそうになりながら謝るしかなかった。 120516 |