▽立海



※ブンちゃんが小さくなる話







「なあなあ、におー!おれのらけっととがむしらね?ねてたらどっかいっちまったんだけど」

「…………」

「なんだよい?ん、おまえでかっ!いつのまにそんなせいちょうしたんだよい!」

「ブブ、ブンちゃんが…小さくなっとる!しかも心なしか言うとる言葉が全部平仮名に聞こえる!」

「あ?なにいって…おわー!!おれちいさくなってる!?」

「何が起こったんじゃ…ていうかくそ可愛いナリ!俺がたかいたかい、しちゃる」

「うぎゃああ!にお、たかいってがちでたかいから!やめろおお!」

「おい仁王!遊んでいる場合じゃ…む?その幼子は…何だ丸井か」

「え、真田小さくなっとることはスルー?いつからお前さんにそんなスキルが備わったんじゃ」

「しゃ、う…さなだ!おれなんでこんなちっさくなってんだよい!」

「かんだー!かみました!小さいブンちゃんがかみました!やば、録音したいいい」

「うるさい、おちつけあほにおう」
「そげんペチペチ叩いてもダメージ一切ないぜよ…むふふ」

「きもいわらいかたすんな!」

「楽しそうだな。何をしているんだ?」

「参謀!ほれ、ブンちゃんが小さくなったんじゃ!」

「…ほう、これは興味深い」

「きょうみぶかいとか、そんなことじゃないってこれ。もっとじゅうだいだって」

「ああ〜癒される。癒されまくりじゃ〜」

「はは…確かにこれは可愛いな。ほら丸井、お父さんだぞ」

「ちげーよ!やなぎだよ!ふざけんなよてめぇら…まるいさまのいちだいじだってのに!」

ガタン…!

「ゆ、幸村!?どうしたのだそんな顔を青くして」

「ブブブブブン太……!!?」

「ちょお!幸村今落としたの、俺が大事に集めとった近所の駄菓子屋のおまけ箱!」

「におう、てめ!おれにだまってだがしかってたのかよい!」

「そんな物はどうでもいいんだ!何なの、どうしちゃったんだいブン太?」

「どうでもよくなかー!!」

「あ………うえっ、ゆきむらくんが、はじめてしんぱいしてくりぇたぁ…うわーん!」

「ほらほら、泣かないで。こっちおいで?」

「ぐじゅ…うえ、ゆきむりゃくん…っ」

「(可愛い可愛い可愛い可愛い!くっそ可愛いぞブン太!ちびブン太やばい可愛い!だめだ…堪えろ、堪えるんだ精市。今可愛いなんて言えばちびブン太が…俺から離れて行ってしまう!)

…さ、とにかくガムでも噛みなよ」

「せ、精市の奴…とてつもなく葛藤していたな」

「ブンちゃんはちっこいけん、顔まで見えとらんかったから良かったものの」

「今までにない、凄まじい葛藤ぶりだったな」


「うぅ…ゆぎむらぐ…おれ、もどらなかったらどうし、よう…」

「大丈夫、きっと戻るよ。でも何でいきなり小さく?」

「ぶしつでちょっとうたたねしてたら…」

「うたた寝だと?たるんどるっ!」

「ぎゃあああああああ!」

「ちょっと真田!今のブン太からしたら、お前のその無駄な迫力がいつもの倍なんだから抑えてよ」

「あ、あぁ…すまない」

「…つまり、寝て起きたらその大きさになっていたのだな?」

「おう」

「寝ている間に誰かしらが何かしらを丸井にした…と」

「どうせブンちゃんのことじゃけん、変なもん拾って食べたんやない?」

「な!んなこと…………あ、」


「思い当たる節があるんだな…」

「たるんどるぞ、丸井」

「あ、さっきより優しい」

「たしか…やぎゅうにおいしいからってじゅーすもらって、それのんだらなんかねむくなったんだった」

「じゃあもしかして、犯人は…」

「柳生か。……意外だな」

「あいつも、紳士とか言っといて結構腹黒いしのう」

「…………よし、柳生シメてくるからここで良い子にしてるんだよ、ブン太」

「うん!ゆきむらくん、しくよろ!」

「(お礼にほっぺにチューとかしてくれてもいいんだぞ、ブン太!さあ、さあするんだ)……」

「ゆ、ゆきむらくん?かおちかづいてる」

「あ、あぁ…ごめんごめん。じゃあ行ってくるね」




「精市が柳生から丸井を小さくしたジュースを奪う確率100%」

「抜かりないな…」

「ベタ惚れじゃったしな」

「?なんのはなしだよい?」

「「「何でもない」」」



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