▽仁王と柳





「ほう、参謀の好みのタイプは計算高い女か。俺とちいとばかし似とるな」

「確かお前の好みのタイプはかけひき上手な人だったか…」

「さすがじゃな。部員の好みのタイプ全部把握しとるんか」

「あぁ、大体は」

「大体…っつーと、幸村や真田辺りは分からんっちことか」

「精市はいいんだ。あいつはとうせ自分の思い通りにいかない奴だろうからな。弦一郎は…まあアレだし」

「ほんなら誰のが分からんのじゃ」

「自分だ」

「…自分」

「あぁ…そうだ。俺は自分の好みのタイプというのがイマイチ分からない」

「でも20.5巻に…」

「それは精市が勝手に書いただけだ。だから実際は"分からない"が正しい」

「新事実ぜよ…!」

「今まで話題に挙がったことがなかったしな…仁王がその反応をする確率は87%だった」

「そそそそれじゃあ、参謀って好きな子とかいたことないん?」

「あぁ、テニスとデータ以外はあまり興味がなかったからな…一度もそういった相手はいなかった」

「だったら、分かるもんも分からんな。もしかして、男の方が参謀の好みの奴おるんじゃなか?」

「………」

「なして黙るん」

「確かに、言われてみたらそうかもしれないな…」

「え…」

「どうだ仁王、試しに俺と…」

「え、え?何で肩に手ぇ置いとるん!?なぁ、さんぼ、顔ちか……!」



「ふ…冗談だ。さっさと練習行くぞ」

「……お、おん」

「そうあまり落ち込むな。
それにしても、詐欺師に詐欺を仕掛けるというのはなかなか楽しいものだな」

「ひどい…!参謀ひどいナリ!」

「悔しがる仁王…珍しいから写真に撮って売るとでもするか」

「俺を商売に使うんはやめんしゃい!!」







「…アイツら、いつの間にあんな仲良くなったんだよい。きめぇ」

「うぅ……や、柳センパイ…!!」

「赤也お前……」





120412





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