「ほう、参謀の好みのタイプは計算高い女か。俺とちいとばかし似とるな」 「確かお前の好みのタイプはかけひき上手な人だったか…」 「さすがじゃな。部員の好みのタイプ全部把握しとるんか」 「あぁ、大体は」 「大体…っつーと、幸村や真田辺りは分からんっちことか」 「精市はいいんだ。あいつはとうせ自分の思い通りにいかない奴だろうからな。弦一郎は…まあアレだし」 「ほんなら誰のが分からんのじゃ」 「自分だ」 「…自分」 「あぁ…そうだ。俺は自分の好みのタイプというのがイマイチ分からない」 「でも20.5巻に…」 「それは精市が勝手に書いただけだ。だから実際は"分からない"が正しい」 「新事実ぜよ…!」 「今まで話題に挙がったことがなかったしな…仁王がその反応をする確率は87%だった」 「そそそそれじゃあ、参謀って好きな子とかいたことないん?」 「あぁ、テニスとデータ以外はあまり興味がなかったからな…一度もそういった相手はいなかった」 「だったら、分かるもんも分からんな。もしかして、男の方が参謀の好みの奴おるんじゃなか?」 「………」 「なして黙るん」 「確かに、言われてみたらそうかもしれないな…」 「え…」 「どうだ仁王、試しに俺と…」 「え、え?何で肩に手ぇ置いとるん!?なぁ、さんぼ、顔ちか……!」 「ふ…冗談だ。さっさと練習行くぞ」 「……お、おん」 「そうあまり落ち込むな。 それにしても、詐欺師に詐欺を仕掛けるというのはなかなか楽しいものだな」 「ひどい…!参謀ひどいナリ!」 「悔しがる仁王…珍しいから写真に撮って売るとでもするか」 「俺を商売に使うんはやめんしゃい!!」 「…アイツら、いつの間にあんな仲良くなったんだよい。きめぇ」 「うぅ……や、柳センパイ…!!」 「赤也お前……」 120412 |