▽詐欺紳士と魔王





「そろそろ真面目に課題をやりたまえ仁王くん」

「課題なんかとっくの昔に捨ててしもうたわ!」

「なっ…!」

「詐欺師はこんくらいの度胸がないとやっていけん」

「…詐欺師としてやっていくために、そこまで!
仁王くん、私は感動しました」

「いや…大したことじゃなか」

「ほんと、大したことじゃないよね。ゴミ箱にまとめて捨てるだけだし」

「げっ…幸村」

「幸村くん、その袋は?」

「あぁこれ?仁王が捨てた課題だよ。
次からはもっと捨てる場所考えなよ」

「くっそおお!これで3回目や…!」

「仁王くん…貴方って人は3回も…私の感動返してください」

「何で毎回毎回、新学期の前日に俺が捨てた課題持ってくるん…」
「そんなの、課題を捨てたことを後悔するお前の顔がみたいからだよ。本当、懲りないなぁ」

「やはり、課題は真面目にやりたまえ仁王くん」

「いーやーじゃー!!」



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