2人、変わる日・2



「今度はマスターが気持ちよくなる番だ」

軽く肩を押せば、マスターの体は何の抵抗もなくシーツに沈む
そろり、とタンクトップを持ち上げれば、その下の白い体が露わになる
すでに50手前の男のものとは思えないほど、しっかりと鍛えられた体は引き締まっていて無駄がない
さすがに瑞々しさは俺達の年代に比べ失われているが
そのかわり、しっとりと匂い立つような色香がある
そっと白い肌に手を這わせれば、キメの細かい肌がまるで手のひらに吸い付いてくるようで気持ちがいい

「ん…ソリッド…」

ゆっくりと体を撫で回していると、マスターがどこか擽ったそうに体を捩る
正直、女性との経験しかない俺は、同性とのセックスの仕方はよくわからない
とりあえず、つんっと立ったピンク色の乳首を、ちゅっと吸ってみる

「ぁっ」

するとマスターの体がピクリと震え、小さいけれど甘い声が降ってくる

「ココ、気持ちいいのか?」

「ん…」

くにくにと指先で弄ると、マスターはどこか恥ずかしそうに瞳を伏せる
今日初めて見たマスターの恥ずかしそうな表情に、自然と熱が高まっていく
ちゅうちゅうと片方を吸いながら、もう片方を指先で転がす
ぴくりぴくりとマスターの体が震え、気持ち良さそうな吐息が耳を擽る

「はぁ…ぁ…」

軽く歯を立てながら、マスターの方をチラリと伺う
マスターは目元をほんのりと赤く染めて、息を荒くしてはいるが
俺と目が合うと、まるで母親か何かのように穏やかに微笑んだ
まだ、余裕はたっぷりとあるらしい

「はぅっ」

その余裕を崩したくて、下肢へと手をやればマスターのもすでに隆起してズボンを押し上げている
それに触れるとびくっと腰を跳ねさせ、マスターの余裕の表情が崩れる
もっとその余裕を崩したくて、マスターがしたようにベルトを外して下着を下ろすと
ふるり、と勃起したマスターの性器が顔を出す
快感を求めて震えるそれに、自然と沸きあがった生唾を飲み込んだ
焦らすように周囲を指先でなでれば、マスターの腰がたまらないとばかりに揺れる

「ソリッド…」

マスターがねだるように、甘えた声で俺の名前を呼ぶ
普段なら絶対に聞けない声に煽られるままに触れれば、甘い声が形のいい唇から漏れる

「あ、ぁ…ん、ぁ…」

気持ち良さそうに喘ぐマスターは、先ほどよりは余裕がなさそうだ
もっともっと、マスターの余裕を崩したい
けど、俺ももう余裕がない
一度マスターに抜いてもらったはずなのに、もうすでに限界を訴えている

だがここまでは、俺でも何とかわかる
けれど、ココから先はどうしたらいいのか本当にわかならない
どうしたらいいか、何をしたらいいのか
情けないが、さっぱりわからない

「マスター…」

本気で困って、マスターの名前を呼べば
マスターはとろんとした目で俺を見た後、小さく笑い

「…君は、私に抱かれたい?それとも、抱きたい?」

そう優しい声で、小さな子どもにするように頬に触れながら、訊ねた

「…抱きたい」

その声が、まるで子ども扱いされているようで、少しだけ気分が悪くなる
いつもなら、そんなことは気にしないはずなのに
今は、不思議と気になった

「ん、わかった」

マスターは俺のそんな気持ちに気づいているのかいないのか、ふわりと笑うと体を起こし

「少し、待っていろ」

そういうと、自分の指を口に含んで舐め始めた
その舐め方に先ほどの奉仕の気持ちよさを思い出し、ずくりと腹の奥が疼く
思わず見とれていると

「…あまり、見ないでくれ。さすがに恥ずかしい」

指を離したマスターが、そういって困ったように笑い
その手を、後ろへと持っていった

「んっ…」

恥ずかしそうなその様に、小さく漏れた声に
マスターが今何をしているのかわかって、ぞわりとした興奮が体全体を包んだ
自分で、後ろを慣らしている
男同士のセックスでは後ろを使うのだと知識では知っていたが、こうしてマスターが実践するまで思い出すことすら出来なかった
俺がやり方を知らないから、マスターが自分でやっているのだろう

その姿に申し訳ないと思うと同時に、こうしてその場所を慣らすマスターの姿がとてもいやらしいものに見えて酷く興奮する

「んっ…ん、ぁ…」

恥ずかしそうに目を伏せる姿も、甘く濡れた息を零す唇も、かすかに聞こえる濡れた音も、うっすらと汗をかいている体も
何もかもが、壮絶な色香を放って俺を誘う
たまらなくなってマスターを抱き寄せ、後ろを慣らす手に自分の手を重ね、指をゆっくりと入れていく

「あぅっ…ぁ、そりっ…」

マスターのソコは軽く引きつりはしたものの、ゆっくりと指を受け入れる
ゆっくりと動かすと、マスターの体がピクピクと震えて気持ち良さそうな声が漏れる
それがもっと聞きたくて、くちくちとマスターの手と一緒に掻き混ぜるように動かす

「んぁ、ぁ…あぁ…」

きゅうきゅうと、柔らかいけどキツく締め付けられ、指先から快感が全身に駆け巡り
この場所に、俺自身を突き立てたいという欲求が抑えられなくなる

「マスター…」

多分まだなんだろうとは思うけれど、我慢が出来なくてマスターに腰を擦り付けてねだる
俺の意図を読んだらしいマスターは、ふふ、と小さく笑うと

「…おいで」

ふわりと微笑んだまま指を抜いて俺の背に腕を回し、耳元で甘くそう囁いた
たっぷりと甘さを含んだその声に、理性がはちきれ
マスターの体を押し倒して腰を抱えて、限界まで成長した性器を後ろに押し付ける
マスターも俺がやりやすいように、腰を上げて足を開いてくれる
その姿に、頭の芯がくらくらするような感覚を覚え
欲望のまま、腰を押し付けた

「ふぁ…あ、ぅ…」

ず、と先端が飲み込まれると同時に、マスターの顔が苦しげに歪む
けれどソコは引きつりながらも、ずぶずぶと包み込むように俺を包み込む
その強烈な快感に、油断したらあっという間に持っていかれそうになり、慌てて奥歯をかみ締めてどうにか耐える
さすがに入れただけでイってしまうようなことは避けたい
けど、ぴくぴくと小刻みに震えるマスターの中は、たまらなく気持ちがいい
どうにか根元まで埋めきる頃には、もう我慢なんかきくような状態じゃなかった

「ます、たー…」

けど、苦しそうに息を吐くマスター相手に動いていいものかどうか悩む
どうにか息を吐いて、快感をやり過ごそうと試みる

「…いいから、動け」

けれどマスターは、まだ震える手で俺の髪を撫で
苦しそうな顔で、笑った

その笑みに、一瞬で俺の無駄な努力なんて決壊してしまった

「マスター!」

「ひぅっ…ひ、ぃぅっ」

震えるマスターの腰を掴み、欲望のままに打ち付ける
ぎゅうっと締め付けられ、脳天を突き抜けるような快感が背筋を駆け抜ける
マスターの苦しそうな声も、今は快感を煽る材料にしかならない
必死に酸素を取り込もうと荒く息を吐く唇に噛み付いて、思うままに貪る

「んふ、んっんぅぅっ」

「はっ…マスター、マスター…」

元々限界が近かったのもあり、あっという間に腹の奥から覚えのある感覚が競りあがってくる

「うぁっ…あ、あ…そり、どっ」

「くぅ、ぁ…マスターっ」

その波に逆らうことなく、マスターの中へと欲を放つ
今までに感じたことのない絶頂の快楽に、自然と腰が揺れた

「はぁ…はぁ…」

「…すまない、マスター…」

苦しげに呼吸するマスターに、イった後の倦怠感も相まってとてつもない罪悪感を感じる
女性にするみたいにマスターの髪に触れると、意外にも柔らかくてしなやかな髪はとても触り心地がいい
その触り心地を堪能するように撫でると、マスターの目が気持ち良さそうに細まった
多少リラックスしてくれたのか、マスターの体からゆっくりと力が抜けていく
マスターの負担を考えたら、もうこれ以上はシない方がいいのかもしれないけれど
ねっとりと絡みつくように締め付けるマスターの中は、心地よくて
あっという間に、復活してしまった

「…若いなぁ」

マスターもソレに気づいたのか、くすくすと笑いながら俺の頬を撫でる
その余裕も、大人のものだと思うと年齢差が妙に悔しくなった

「もう一度、いいか?」

緩く腰を動かしながら、マスターに問えば

「君の好きにして構わない」

マスターはそういって笑い、俺の背に腕を回した
その言葉に甘え、俺はゆっくりと腰を動かしだす
今度は、出来るだけマスターも気持ちよくしてあげたい
そう思い、できるだけ丁寧に優しくマスターの中を突き上げる
さっき出した精液のせいか、多少すべりもよくなっている
マスターも先ほどまでとは違い、気持ち良さそうに息を漏らしている

「ぁ…ソコっ」

やがて、ある一点を突き上げると
マスターの体がビクリと震え、今までとは違う余裕のない声が漏れた

「ココか?」

「あぁっ…そ、そこっ、イイッ」

その場所を狙って突き上げると、マスターの顔から余裕が消えブルブルと体を震わせて快感に瞳を潤ませる
少し強めに突き上げると、たまらないといわんばかりの声が上がる

「あぅっ、あぁ、ひっぅ…」

余裕なんて欠片もなく、俺の背に爪を立て快感に溺れるマスターの姿に、ざわりと強烈な興奮が沸きあがる

普段は誰よりも厳しくて、鬼教官なんて影で愚痴られてるあのマスターが
いつも優しくて、まるで父親のようにすら思っていたマスターが
誰よりも敬愛していた、絶対的とも言える存在が
今こうして俺の下で、まるで女のようにみっともなく喘いでいる

俺が、そうしている
俺が、マスターを抱いている

「マスターっ」

たまならなくなって、ソコを狙ったまま欲望に任せ突き上げる

「ひぅっ…うぁ、そり、はげしっ」

気持ちよすぎるのか、マスターの腰が俺から逃げようとする
ソレを掴んで引き寄せれば、マスターがいやいやと首を振ってぽろりと涙を零す
その涙を舌で掬い取り、甘い声を漏らす唇に噛み付く
最初とは違い逃げるように引っ込もうとする舌を強引に絡めて、吸い上げる
びくっとマスターの体が震えると同時に、後ろもきゅうっと締まって気持ちがいい

「そ、そりっど…前、前も…」

不意にマスターが首を振って口付けを解き、縋るように俺にしがみ付いてくる
震える声でねだれるままに、とろとろと液を零すマスターの性器をぎゅっと握ってしごく

「ひっ…あ、あ、あぁっ」

その瞬間マスターの背がビクリとしなり、ぎゅうっと痛いほどに締め付けられる

「くぅっ」

その刺激に耐えられず、再びマスターの中へと欲を放つ

「あ、あぁぁぁっ」

それから一拍遅れて、マスターもとぷりと精液を放つ

「あ…はぁ…」

ぼんやりと気持ち良さそうに息を吐くマスターに、軽く口付ける
とろんとした蒼い瞳で、俺を見たマスターは
蕩けそうなほど妖艶な笑みを浮かべ、俺を見た

「マスター…」

その笑みに、また腹の奥が疼くのを感じ
もう一度、マスターの薄く開いた唇に噛み付いた




















ごめんなさい、MG2をやってからの誘い受マスター妄想が止まらなくなった産物です
純情?なソリッド青年を誑かす悪い大人マスターっぽい話を目指しましたけど、何か違いますね…
マスターが誘い受とか最強に色っぽいんだと思うんだ!!

この後ソリッドをS調教するマスターの話とか書きたいけど、きっと無理だな、うん

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