初調教はポーカーで・2



射精して、我に返ったのか
さっきからカズは、ずーんと暗いオーラを背負って項垂れている
そんなカズとは裏腹に、俺の心は非常に晴れ晴れとしている

「…ちゃんとイかせてやったんだ、約束は守れよ」

先ほど、イかせてやれば大人しくすると、カズは確かにそういった
確認するように、カズの顔を覗き込みながら言ってやると

「…わかった、大人しくする…」

大きくため息をつき、がっくりと項垂れながら弱弱しく呟いた

そんな仕草が無性に可愛く見えて、俺は柔らかな金糸の髪に手を差し入れて撫で回してやった

「いい子だ…最初から大人しくしてたら、意地悪せずに気持ちよくしてやったのに」

けど、そんな俺をカズはどこか鬱陶しそうに見上げ…でも、抵抗はしないままため息を吐いた

「あんなモン見せ付けられて大人しくできるかコノヤロウ…もういいや、覚悟は決めた、さっさと突っ込むなりなんなりしてくれ」

男らしく、そう言いながらカズは俺を見据えてきた
その目は、据わっている
いわゆる、ヤケクソというやつだ

そんな顔をされても、可愛いが色っぽくないな

そう思い、苦笑が漏れる

「度胸はいいが…準備もせずに突っ込めば痛いぞ?」

「どうせ痛いだろ、どっちみち痛いなら早いほうがいい」

恥ずかしいのか、もうどうでもいいのか
とにかくさっさと終わらせたいんだろう
ほらさっさとしろオーラがダダ漏れなカズに、さらに笑いが苦いものになる

まぁ、大人しくしていると言わせたんだ
ゆっくりと、楽しませてもらうことにするか

「まぁ、大人しくするといったんだ。好きに抱かせてもらうさ」

「…さっさとしてもらえたほうが、俺は嬉しいんだが」

「わかったわかった、ほら、四つんばいになって腰上げろ」

ほら、と促せば
しぶしぶといった風に、カズは俺に尻を向けて四つんばいになり
指示通り、腰を上げるために上半身を低く落とす
羞恥心からかふるりと震える白い尻の色気に、こくりと喉が鳴る

「おぉ、いい眺めだな」

「うるさい!ヤるならとっととヤれ!!」

少しだけからかってやれば、今にも噛み付いてきそうな声が返ってきて
そのいっぱいいっぱいっぷりに、小さく笑いながら行為前に仕込んでおいたローションを取り出して、谷間にトロリと垂らす

「つめたっ」

その瞬間、カズが声を上げてビクリと身体を震わせる
しまった…確かにそのまま垂らせば冷たいだろう
冷たさの正体がわからないせいか、身体が一気に緊張したのが伝わってきた

「安心しろ、ローションだ…男の経験がない奴は自然には濡れないからな」

慌ててそういってやれば、カズの身体からゆっくりと緊張がとれ
代わりに、何ともいえないオーラが漂ってきた

「指入れるぞ、力抜いてろ」

何を考えているかは知らないが、一応声を掛けてから指をゆっくりと中に収める

「うっ…」

カズの口からくぐもったような声が漏れ、身体に力が入っているのが指から伝わってくる
ローションのおかげか、あまり痛みはなさそうだが気持ちよくもなさそうだ
ためしに軽く動かしてみれば、気持ち悪そうな声が聞こえてくる

「…気持ち悪そうだな、カズ」

ためしに聞いてみれば、カズは俺のほうに不快感たっぷりの視線を向けてくる

「わかってるんなら、抜いてくれ」

「大丈夫だ、すぐ気持ちよくしてやる」

嫌そうな顔をするカズの内壁を、ある場所を探すようにゆっくりとたどっていく

そして、その指先がある場所を掠めた瞬間

「あっ!」

カズの口から、甘い…不意の感覚に驚いたような声が漏れる

「ここ、か」

どうやら、目的の場所に当たったらしい
さっきまで不快感たっぷりだった目が、驚きと戸惑いに染まっている
けど、その場所をグリグリと指で刺激してやれば

「あ、あぁっ!」

あっという間に、快感へと染まっていく

「やだ、やだ、スネーク!」

「どうしてだ?気持ちよさそうじゃないか」

未知の感覚に泣きそうになりながら首を振るカズの性器に手を伸ばす
そこは、触れてもいないのにすでに反応を見せ始めている
ゆるく触れてやれば、甘い声を上げで腰がすとんと落ちる
それを支えてやりながら、後ろに挿れた指で中を掻き回す

拒絶するように締め付けていたソコが、甘く緩んで
指を増やしても、抵抗することなく喜んで飲み込んでいく

「いや、やぁぁ、あっ…」

くちゅくちゅと、濡れた音を立て指を飲み込むソコに
気持ち良さそうに悲鳴を上げるカズに
下肢が再び、痛み出す
指を飲み込むソコに突き入れて思う存分掻き回したいという欲求が、身体を支配する

「…もう、いいか」

もう少し慣らした方がいいと、脳みそが僅かに警鐘を鳴らすが
暴走を始めた本能には逆らえず、ずるりと指を抜き取る

「あっ…」

その瞬間、カズが上げた名残惜しげな甘い声に、下肢の痛みが増す

「カズ、入れるぞ…力抜いてろ」

うつ伏せの身体を強引にひっくり返して覆いかぶさり
カズの了承も得ずに、さっきまで甘く指を飲み込んでいたソコに一気に突き立てた

「あ、あぁぁっ!」

その瞬間、カズの身体がびくんっとしなり
悲鳴のような声が、口から零れる

急な挿入に驚いたように震える中が落ち着くのを待たずに、本能のまま突き上げる
たっぷり垂らしたローションのおかげで、ぬるぬると滑りのいいソコは想像以上に気持ちいい
その快感に、頭がくらくらして溺れてしまいそうになる

「あ、や、やだ、やだっ」

けれど、ボロボロと涙を零しながら首を振るカズに、一瞬で我に返る
おそらく、カズは男とのセックスは初めてだ
慣らし足りなかったかもしれないし、乱暴に動かれて痛いのかもしれない
震える身体を抱きしめて、改めてカズの顔を見ればどこか怯えたような瞳をしていた

「あ、あ、あっ」

「痛いか?カズ」

突き上げを緩やかなものにかえ、酷い罪悪感にさいなまれながら、頬を緩やかに撫でて落ち着かせてやろうとする

相手に痛みだけを与えるセックスは、したくない
不安と恐怖だけの、独りよがりな行為はごめんだ

けれど、カズは俺の言葉にフルフルと首を振った

「いやだ、スネーク…こわいっ」

そう言って、すがるように俺を見上げてくる

よく見れば、怯える瞳の奥にあるのは確かな快感への欲求と、強い戸惑い
吐息も甘く濡れているし、しっかりと勃ちあがった性器からはとろりと先走りの液が漏れている

突き上げるたびに、こわい…と繰り返すカズに、ずくりと繋がった部分が疼く
初めてのカズに、かなり乱暴にしてしまった
痛みも当然あるだろうし、違和感だって覚えているだろう

けど、その中に確かに快感を感じている

初めて知った、中からの性的快楽
それに振り回され、混乱し怯えているのだろう

それを与えているのが俺だという事実に、満たされていく

「落ち着け、大丈夫だカズ…ほら、気持ちいいだろ?」

できるだけ優しく囁きながら、髪を撫で
安心させるように、顔中に優しくキスを落とす

ゆっくりと、カズの身体から力が抜けていく
それを見計らって、気持ちいい場所を突き上げればカズの声から甘い声が零れ落ちる

「気持ちいいか?カズ」

「すね、スネークっ…きもち、いっ、気持ちいいっ」

快感にとろりと瞳を潤ませ、半開きになった赤い唇から快楽の吐息を零して
俺に必死にすがり付いてくるカズにたまらなくなって口付ける

「んん、んっ」

「ふ…ん…」

ぬるりと舌を差し入れれば、カズも夢中で舌を差し出してくる
夢中で舌を絡ませながら、突き上げを早くすればカズはたまらないといった風に唇を離して甘く鳴く

突き上げるたびにカズの口から甘い悲鳴が漏れ、動きに合わせるように中がきゅうきゅう締め付けてくる

まさにそれは、極上ともいえるほどの快感を俺に与える

俺の腕の中で、快楽に溺れるカズという視覚的効果も相まって
一気に腰が重くなり、射精感が強くなる

「やぁっ…スネーク、も、イきたいっ!」

「いいぞ…俺も、も…イきそうだ」

絶頂を訴えるカズの震える性器を掴み、イかせてやるためにしごいてやる
その瞬間、きゅうっと中が締まり
持っていかれそうになるのを奥歯をかみ締めてどうにか堪えた

「やぁ、はげしっ…あ、あぁっ」

射精を訴える本能に逆らわず激しく突き上げてやれば、カズの身体がビクビクと可哀想なほど跳ねあがり

「や、だ…あぁぁっ!!」

絶叫に誓い、けれどたっぷりと甘さを含んだ声を上げながら俺の手を濡らす

その瞬間、まるで搾り取るようにキツく締め付けられ

「くっ…搾るなっ」

堪えきれず、俺もカズの中で絶頂を迎えた



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