ダンボールと秘め事・1



「…カズ、こいつは何だ?」

スネークとの、久しぶりの浜辺でのデートの後
恒例行事と化したダンボールに入って2人だけの会話を楽しむという、おそらくスネーク得でしかないことのためにコッソリと用意しておいたダンボールを取り出したところ
スネークの目が先ほどの柔和なものから厳しいものへと変わった

「あぁこれ?ラブダンボールに決まってるだろ?」

「そりゃわかる。俺が言いたいのは大きさだ」

その目の鋭さに一瞬気圧されたが、まぁこれくらいは予想の範疇だ
というか、一目でわかったスネークが凄い
さすがはダンボールに過剰な情熱を注ぐ我らが司令官だ

「何だこれは?でかすぎる」

スネークはどこか不機嫌そうな表情のまま、一回りほど大きくなったラブダンボールを指差した

スネークと以前ミッションに出たとき、慣れてなかったせいかスネークの足は蹴っ飛ばすわ顔が近いと引っ叩かれるわ、散々な目にあった
いや、あれはダンボールが狭かったからいけなかったんだ
あんなに狭いダンボールに2人で入って、なおかつミッションをこなすなんて中々出来ない芸当だと俺は思う
スネークはこれ以上でかいダンボールは不自然だといっていたが、もう少しくらいなら大きくてもいいんじゃないか?
何せ戦場は武器弾薬食料、ありとあらゆるものが運び込まれる
それなら、多少大きなダンボールがあっても不自然じゃないはずだ
そう考え、ダンボール開発班へスネークに内緒で依頼しておいたのだ
このデートの直前に受け取って、せっかくだから持ってきてみたのだが、やはりダンボールに過剰なこだわりを持つスネークにはご不満のようだ

「俺は言ったはずだが?コレ以上でかいダンボールは不自然だと」

「スネーク、ここは戦場だ、ありとあらゆる物資が運び込まれる。多少大きいダンボールだって、そんなに不自然じゃないはずだ」

「いいや俺にはわかる、この大きさは不自然だ」

「だが、1人のときはともかくアレで2人は狭すぎやしないか?もう少し大きい方が、指揮や作戦行動にも支障が出なくていいと思うんだが」

「いいや、アレで十分だ。現に今はアレで十分やれている」

互いに一歩も譲らず、しばらく睨み合い

「…まぁ、この大きさが不自然かどうかはまた明日にでも論議するとして…で、どうする?入る?それともこのまま帰る?」

落ち着くために大きく息を吐き出し、気分を変えるために軽く後頭部を掻きながら沿う提案した
元々、スネークとここに来たのはデート…つまりはプライベートだ
プライベートなのに仕事の事で喧嘩するなんて事は、あまりしたくない
このダンボールの大きさについては、明日にでも存分に議論すればいい

「…まぁせっかくだ、入ってみようじゃないか」

スネークにもそれが伝わったのか、ふっと肩から力を抜いて小さく笑い、ダンボールへと手をかける
スネークが中に入ったのを見届けてから、俺も後ろから中へと入る

「…ふむ、確かに広いな」

前にいるスネークは中をきょろきょろと見回しながら、少し感心したように呟いた
スネークの言うとおり、大体1.2倍ほどの広さになったダンボールの中は2人入っても多少の余裕がある
この大きさなら足を蹴ることもないし、顔が近いと引っ叩かれることもないはずだ

「だろ?大体1.2倍くらいの広さになってるはずだ」

「任務に向くかはまた話し合うとして…2人ではいるのには悪くない大きさだな」

さっきまでボロクソに言っていたくせに、そういうスネークの声はどこか満足げだ
これで多少は心証がよくなるといいんだが…

久しぶりのスネークの体温に心地よさを感じていると、力が抜けたせいか手が自然と下へとさがっていき
指先に、あるものが触れた

「…おい」

「どうした、カズ」

「何でおっ勃ててんだよ?」

偶然指先に触れたスネークのソコは、水着越しにもわかるくらい勃ち上がっていた

「仕方がないだろう。久しぶりに水着一枚の恋人と密着したんだ、勃つもんは勃つ」

無茶苦茶な、と一瞬思ったがその気持ちはわからないでもない
ここ最近、互いにすれ違ってばっかりでゆっくりと2人きりの時間が持てなかった
デートも久しぶりだし、こうして触れ合ったのも随分と前だ
だけどここで勃てるか?と口に出そうとした瞬間、スネークの手が、俺の手を掴んでゆるりとソコへ押し付けた

「…なぁ、帰ってからじゃだめ?」

「この状態で帰れと?」

「こ、コールドマンの剥げ頭を数えるとか…?」

「ははは、面白いなそれは」

俺の苦し紛れの提案に、スネークは笑いながらも俺の手を離そうとはしない
…どうやら、ヌくまでは手を離さないつもりらしい
諦めて、水着のゴムから手を突っ込んでスネークの性器を軽く握る
そのまま緩く上下させれば、どんどんとソレは硬さを増していく
反応が、いつもよりも早い気がする

「何だよ、溜まってたのか?」

「あぁ、長いことお前とヤれなかったからな」

「変態」

「なんとでも言え」

互いに軽口を叩きながらも刺激をすれば、徐々にスネークの息が上がっていく
先走りが出てきたのか、ぬちぬちと水音が響いて俺の手を濡らしてく
何となく気恥ずかしさを覚えてスネークの肩に顔を埋めれば、
仕返しに首筋に軽く噛み付いてやると、スネークの体が小さく跳ねた

「っ…こら、カズ」

「いいじゃん、仕返しだよ」

余裕ぶって笑って見せているが、俺の息が上がってきているのも、スネークにはきっとばれている
空気が篭るせいか、まるで奉仕しているときのように強い雄の匂いが鼻を突く
その匂いに、頭の芯がくらくらと痺れて、自然と熱が高まっていく

「…っ」

やがて、スネークが小さく息を詰めて体を強張らせ
一拍遅れて、とろりと手のひらに濡れた感触が伝わってきた


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