甘い媚薬はいかが?・2



「んっ」

その刺激に、思わず声が上がる
その声に、ソリダスは楽しそうに目尻を細めた

「苦しそうだな」

「ソリダス、頼む」

ダメ元で早く、とねだれば、意外にもソリダスはあっさりと俺のズボンのベルトへと手をかけた

「どうした?」

思わずその手元を凝視していると、俺の視線に気づいたのか訝しげな視線を向けてきた
その目に慌てて首を振るけど、俺の頭の中は疑問符で埋めつくされていた
いつもなら、もっと何かしらからかわれたり、お預けをくらったりするのに
いや、意地悪されたいわけじゃないけど…でも、ここまであっさりと欲求が通ると逆に怖い
そんな俺の気も知らず、ソリダスは手際よくベルトを下ろしてズボンと下着をずらす

俺は、うっかり忘れていた
機嫌が良すぎるソリダスは、機嫌が悪いときのソリダスと同じくらいタチが悪いということを

窮屈な場所から開放される感覚に、ホッと息を吐いた瞬間
いつの間に手に取ったのか、チョコレートのビンが視界を掠め
反射的にそれを視線で追うと、いい笑顔のソリダスと視線がかち合った
その笑みに反射的に体が強張るのとほぼ同時に、ビンが再び傾けられる
チョコレートが落とされた先は、先ほどソリダスが露出させた、俺の性器

「ちょ、ソリダス!?」

敏感な場所をドロリとした液体が伝う感覚に、自然と腰が跳ねる

「知っているだろう?私は甘いものが好きだ」

慌ててソリダスからビンを奪おうとしたけれど、ソリダスはそれをかわしてしれっとそう言いながら、チョコレートの伝う場所に顔を寄せる
いや、だからこういうのはどっちかって言ったら俺がソリダスにやりたいんだけどっ

「うぁっ」

ソコが温かな咥内に包まれる感覚に、ビクリと腰が跳ねる

垂らされたチョコレートを舐め取るように、舌が先端から根元へと忙しく動き回る
甘いからか、心なしか動きも積極的だ
動きも力加減もいつもとは違ってかなり気持ちがいい

「はっ…ソリダス…」

ちゅぷちゅぷと音を立てながら嘗め回すソリダスの頬に触れれば、チラリとこちらに視線を寄越す
その目が甘く潤んでいるように見えて、自然と湧き上がった唾を飲み込んだ
その瞬間、ソリダスが小さく笑ったような気がした

「んぅ…ふぅ…」

「く、そり…」

大胆な舌使いや聴覚からの刺激に、すぐに限界が近づく
けど、絶頂直前でソリダスが離れた

「ソリダス?」

どうして?という抗議を含めてソリダスを見れば、ソリダスは不適な笑みを浮かべたまま見せ付けるように自分のズボンのベルトを外しだす
そのまま見ていると、ベルトを外し終えたソリダスはズボンに手をかける
するり、と程よく鍛え上げられた足が露わになるさまに、自然と胸が高鳴る
ソリダスは、本当に俺を煽る方法をよく知っている
ただ脱いでいるだけなのに、その仕草全てが妖艶で美しい
たまらずに手を伸ばせば、どこか満足げな表情を浮かべたソリダスが俺の膝の上に乗ってきた
そのまま、甘えるように首元に腕を回される
緩く弧を描く口元に、触れるだけのキスをすると、珍しくソリダスもキスを返してくれる
幾度か触れるだけのキスを繰り返し、そのまま後ろへやろうとした手を、ソリダスが制した

「もう辛いだろう?」

「…そりゃ、辛いけど」

絶頂寸前まで煽られた上、あんな風に目の前で脱がれたら誰でも限界が来ると思う
けれど、ソリダスの準備がまだすんでいない
受け入れてくれる側であるソリダスの負担は出来る限り小さい方がいいし、ソリダスもいつも慣らしきらずに入れようとすれば怒る
困惑しきってソリダスを見上げれば、にまりと口の端をあげて

「今日は特別だ」

そういって、ゆっくりと腰を下ろしてきた

「ん、くっ…」

さすがに慣らしてないと辛いのか、ソリダスの眉間に皺がより苦しげな声が漏れる
けど、そんなソリダスを気遣う余裕なんてない
まだキツイその場所はぎゅうぎゅうと締め付けてきて、痛み混じりの快感に腹の奥が一気に重くなる
すでに限界だったこともあって、もうすぐにでもイきそうになる
けど、さすがに入れただけでイくのは情けなさ過ぎる
必死に腹に力を込めて堪えていると、よほど俺が情けない顔をしていたのか、それとも俺のことなんて全てお見通しなのか
ソリダスはうっすらと額に汗を浮かべながら、小さく噴出し

「ジャック…イきたければ、イけばいい」

耳元でそう囁いて、かぷりと耳を甘噛みしてきた

「うぁっ」

その刺激に、必死に我慢していたものが一気に決壊した
反射的にソリダスの腰を掴んで、一気に引きおろす

「はぁ、あっ」

どこか苦しげなソリダスの声を聞きながら、快感に堪えきれずに絶頂を迎えた

「あ〜…」

はぁ、と軽く息を吐いてからソリダスの体をぎゅうっと抱きしめ、肩に顔を埋めながら息を整える
いくら促されたとはいえ、やっぱり入れただけでイクとか物凄く恥ずかしい

「私がいいといったんだ、何故そんなに恥ずかしがる?」

「…別に」

「そろそろ動くぞ…準備も万端みたいだしな」

さらにとどめを刺すように言われたその言葉に、今度こそ頭が恥ずかしさで沸騰しそうな感覚がする
ソリダスの中にある性器は、完全に臨戦態勢だ
入れたままだから仕方ないけど、それをソリダスに指摘されるといたたまれない
いまだに顔を上げられない俺の耳に、喉の奥で押し殺したような笑い声が聞こえた
ソリダスが、本当に楽しいときの笑い方
この状況でその笑いを聞いても、正直微妙な気分にしかならない
ソリダスはそんな俺の気分をわかっているのか、それともいないのか
ぷっと小さく吹き出してから、ゆっくりと腰を使い出した

「ん…ぁ…」

先ほどの精液のおかげか、動きは案外スムーズだ
ソリダスの声にも、さっきとは違って甘さが滲んでいる
動きに合わせて緩く突き上げてみると

「あっ…」

たっぷりの甘さを含んだ声が、耳を擽る
その声に酷く欲情が煽られ、我慢できずにソリダスの尻を掴んで思いっきり突き上げる

「ひぁ、ん…じゃ、くぅ…」

「そり、だすっ」

体を支えるためかソリダスの足が俺の腰に絡みつき、背中に回された腕に力が篭る
ぴたりと体が密着し、ソリダスの性器が腹に擦れる
先走りのせいかぬるぬると滑るその感触すら、気持ちいい

「あぁっ…じゃ、く…もっ…」

ソリダスも気持ちいいのか、じわりと潤んだ瞳がねだるように俺を見つめてくる
俺も、正直限界が近い
欲情のままに揺さぶればビクリとソリダスの体が跳ね、きゅうきゅうと柔らかく締め付けられる
持っていかれそうになるのをどうにか堪えて、ひたすらに互いの絶頂を求める

「はぁ、やっ…じゃ、あぁぁっ」

「くぅっ…!」

そしてソリダスの体が震えるのと同時に、俺も再びソリダスの中に欲情を放った

「…満足したか?」

暫く抱きしめあい、ようやく息を整えたソリダスが一際大きく息を吐いて、俺の顔を覗き込んできた
今日はバレンタイン、ぶっかけられたチョコレート、満点のサービス、そしてこの言葉
何となく、何となく途中から意図が見えていたけど

「…ソリダス」

「私からのバレンタインプレゼントだ」

やっぱり…と項垂れそうになるのを寸前で堪え、曖昧に笑って見せる
だが微妙そうな顔は誤魔化せなかったのだろう、ソリダスは笑いながら

「不服か?」

と少しオーバーなリアクションでそう返してきた
そう言われてしまえば、いいやと首を振るしかできない
実際気持ちよかったし、物凄いサービスだったし
ただ、どうして俺がチョコレートをかけられる側だったのかという疑問は晴れない
普通、俺がかける側だろう、立場的に
ソリダスに普通を求めても、仕方ないのかもしれないけど

「それで、ジャックは私にどんなバレンタインプレゼントを?」

悶々と考え込んでいると、ソリダスの楽しげな目が俺を目を覗きこむ

「何でも、お望みのままに」

何となく、これが目当てだったんだろうと思ったけど、深く考えても仕方ない
諦めてソリダスが言わせたいであろう言葉をいえば、満足げにソリダスが微笑んだ
今度のデートはチョコレート屋巡りでもするんだろうか…と少しだけげんなりしたけれど
まぁ、ソリダスが嬉しそうだからよしとしよう
おれはそう思いながら、どこか嬉しそうな恋人にキスをした




















アンケートより、チョコプレイを使わせていただきました!

大変、大変お待たせしてすみませんでした!!!!!(ジャンピング土下座)
エロ神様の盛大な行方不明により、時間かかりりまくってすみませんでした
そして…きっとソリダスがチョコレートをかけられる話を期待されていたと思うのですが…雷電がかけられててすみません
あんまりチョコレートプレイっぽくなくてすみません
もう全てに謝りますゴメンナサイ

最初は、チョコレートは昔媚薬だったんだというソリダスをオチに使おうと思っていたのに、いつの間にか行方不明になりました
なのでタイトルが意味わからんことに…
でも、ソリダスのだいしゅきホールドが書けたので、書いてる本人は満足しています

アンケートに答えてくださり、本当にありがとうございました!

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