甘いフォンデュはいかが?・2



必死にこの状況から逃れるための策を考えていると、兄弟が俺の服を剥ぎ取りにかかる
その手をどうにかしてかわそうと体を捩るが、親父に上半身を抱え困れる形で押さえつけられていては、すずめの涙ほどの抵抗にもなりはしない

「やめろ!殺すぞ貴様ら!!」

「おぉ、そりゃ怖い」

「もう諦めろリキッド。安心しろ、俺と親父で美味しく食ってやるから」

「本当に死ね貴様らぁぁぁ!!!」

明らかにこの状況を楽しんでいる親父ととんでもないことをさらりと言う兄弟に、どうにか蹴りなり拳なりお見舞いしてやろうともがくが、やはり体はぴくりとも動きはしない
そうこうしているうちに、シャツが捲り上げられて胸元が露わになる

「お前、意外に黒いな」

「そりゃそうだろ、コイツ親父に似てすぐ脱ぐし」

「俺はここまで黒くないぞ。誰に似たんだろうな」

ジロジロと不躾な親父の視線が胸元を這い回り、兄弟の手が遠慮なく俺の肌を撫ぜる
もうこの状況になれば、食われるのは確定なのだと薄々感づいている
だからといって、抵抗をやめればすぐさま美味しくいただかれてしまうのも目に見えている
こんなアホの変態2匹に食われるとか、死んでも御免だ
だが離せと喚いたところで解放されはしない
ならどうしたらいいかと聞かれれば、何一つ思いつかない

「地黒でもチョコは映えるさ、ミルクチョコの上にビターチョコっていう感じで」

「俺はそこまで黒くない!!そして意味がわからないぞ兄弟!!」

「安心しろ、すぐ意味がわかる」

「わかりたいわけあるか!今すぐ離したら安心してやるがな!!」

自分でも、もう何を言っているのかだんだんとわからなくなってきた
あまりの状況に、軽くパニックに陥っているのが自分でもわかる
落ち着こうにもこの状況では落ち着けるはずもなく、盛大に舌打ちをして目の前の兄弟を精一杯睨む
できるなら親父も睨んでやりたいが、真後ろにいるため勘弁しておいてやる

「リキッド、そんな目で睨んでも可愛いだけだぞ」

「どんな目だ?」

「そうだな…子猫が怯えて必死に威嚇してるみたいな目だ。可愛いぞ」

「ほう。ソリッド、後でちょっと変われ」

が、完全に優位であると自覚しているアホ2匹には全く堪えていないらしい
人の体を撫で繰り回しながら、のん気にとてつもなく不愉快な会話をしている

「じゃ、そろそろリキッドを美味しくいただくとするか」

兄弟がにやりと笑い、チョコレートを溶かすのに使っていたであろう大き目のスプーンをテーブルから取り、可愛らしい鍋の中へと入れて中身を掻き回す
たっぷりとチョコレートを乗せられたスプーンを、まるで俺に見せつけるように持ち上げて胸元で傾ける
とろりと生暖かいチョコレートが体の上に垂らされ、肌を粘度の高い液体が伝う感覚に、ゾワリと肌が粟立った

「うっ」

「感じたか?」

「そんなわけあるか!」

ぬるりと垂れるチョコレートを舐めとるように、兄弟が俺の肌に舌を這わせる
生暖かな物を柔らかなものが舐め取っている感覚に、ゾワリと肌が粟立つ
反射的に漏れそうになる声に慌てて唇をかみ締めた

「なぁソリッド…この体勢、俺がつまらないんだが」

だが後ろで俺の腕を押さえている親父が、少し不機嫌そうな声でそんなことを言い出す
そのままつまらないままでいろ!と叫びたいが、口を開ければ変な声が出そうだ

「縛っとけばいいんじゃないか?後ろ手にしとけば逃げられないだろ」

黙っていると、ちらりと親父を見上げた兄弟が、さらっととんでもないことを言い出した
ふざけるな!と声を荒げる間もなく

「なるほど、それは名案だな」

楽しそうな親父の声と共に一瞬で腕が捻り上げられ、しっかりとした何か…おそらくはベルトで腕を拘束されてしまった
慌ててそれを解こうともがいてみたが、しっかりと拘束されたそれはびくともしない

さすがは、伝説の傭兵とまで呼ばれた男だ
こんな形でその実力を見せ付けられるとは、思っていなかった

「くそっ、解けクソ親父!!」

「凄いな…後でやり方教えてくれ」

「いいぞ、ちょっとコツがいるが慣れればそう難しくない」

「ふざけるなぁぁ!!」

腕を抑えておく必要がなくなった親父が、ニヤニヤと俺の顔を覗き込んでくる
そのにやけ面に唾でも吐きかけてやろうかと思ったが、その前に親父が顔を寄せてきて、耳朶をカプリと噛まれた

「うぁっ」

ぬるりと熱い舌が音を立てて耳を舐り、ぴちゃりと水音が鼓膜を揺らす
どうにか逃れようと体を捩るが、親父の腕にまるで抱きしめられるように抱えられてしまえばどうにもできない

「き、さまらっ…後で、覚えとけよっ」

「そうだな、リキッドが可愛かったのは覚えておこう」

「ふざけっ…ふ、ぅっ」

再び兄弟がチョコレートを垂らしたせいで声が出そうになり、慌てて唇をかみ締めた
それに気を良くしたのか、2人は思い思いに俺の体を弄り回す
チョコレートを舐め取るように這う舌と、耳元を音を立てて舐る舌
わき腹をゆるりと撫でる手と、まるで擽るように太ももから尻を這いまわる指
異なる刺激が混ざり合い、自然と息が上がっていく

「ふっ…ぅ…」

「気持ち良さそうだな、リキッド」

それに唇をかみ締めることでどうにか耐えていると、不意に親父が楽しそうにそう耳元で囁いた

「だ、れがっ」

声を押し殺し、どうにか親父にそう返す

「そうか?ココはこんなになってるが?」

だが親父は喉の奥で小さく笑うと、腕を伸ばして俺の股間を握った

「うぁっ」

男なら誰でも感じる場所を握り込まれ強い快感が走ると同時に、ソコが半勃ちな事を思い知らされて、恥ずかしさと屈辱でかっと顔が赤くなる
それを見ていたらしい兄弟の顔が、見る見るうちに楽しそうなものに変わっていく

「お、いい顔するじゃないか」

「ふざっ…くぅっ」

抗議してやろうと口を開くと、すかさず親父に絶妙な力加減でソコを揉まれる
やめろ、という意思を込めて睨みつけてやると、兄弟の口元が嫌な感じで歪み、視線が親父へと向けられる
2人がなにやら、アイコンタクトを取っている
やがて互いにニヤリと笑いあうと、親父の手が俺の股間から離れ、入れ替わるように兄弟の手がベルトへとかかる

「な、にを…する、つもりだっ」

「いや、リキッドをもっと気持ちよくしてやろうと思ってな」

睨みつける俺に、兄弟は嫌な笑みを返し、ベルトを抜き取ると一気にズボンと下着が太ももの中ほどまで下ろされる

「きさまっ…や、めっ」

蹴り飛ばしてやろうと足を持ち上げる直前に、兄弟が足首を体で押さえこんできた
足首を封じされてしまえば、身動きが取れない
ずりずりと、まるで追い詰められるように少しずつ下着ごとズボンが下げられていく
どうにか阻止しようとするが、背後の親父の腕がそれをさせてくれない
やがて足首近くまでそれらをおろした兄弟は、ニヤニヤ笑いながら俺の足の間に体をねじ込んだ

「くそっ」

こうなってしまっては、どうしようもない
攻撃しようにも、足首に絡むズボンが邪魔だ
どうにか動かせる範囲で抵抗はしているが、それは2人もわかっているんだろう
やたら余裕そうな顔が、物凄くムカつく

「まぁそう暴れるななリキッド」

「ちゃんと気持ちよくしてやるから」

2人はまるで打ち合わせでもしていたのかといいたくなるような言葉を吐いた後
親父は俺の性器へ、兄弟は後ろへと手を伸ばした

「うぁっ…は、ぁっ」

兄弟の指が俺の中へと潜り込み、ぐにぐにと動き回る
その違和感を、親父の巧みな愛撫から生まれる快感が消してしまう
やがてそれが、後ろへの快感へと緩やかに変わっていく

「ふ、くぅっ…は…」

「気持ち良さそうだな」

さらに指が増やされ違和感が大きくなるタイミングで、親父が敏感な場所を擦りあげすぐにそれが消えてしまう
中で蠢く指も、前を擦る手も、絶妙な快感を送り込んできて、思考が徐々に白く染まっていく
その思考の隅で、こいつらの連携っぷりに、もしかしてテレパシーでも使えるのかと物凄くどうでもいい事を考えた

「もういいか」

兄弟がそういうと同時に、後ろで蠢いていた指がずるりと抜かれる
その感覚に腰が震えると同時に、兄弟が俺の腰を抱えた
ぴとりと当てられる熱い感覚に、どうする気かはっきりと思い知らされる
慌てて抵抗しようとしたが、快感に痺れた体はあまり力が入らず、舌打ちをして2人を睨む

「や、めろっ」

「ここでやめられると思うか?」

「諦めろリキッド、お前は俺達が美味しく食ってやるから」

だが、2人は楽しそうな声で最悪なことを言い
ぐっと腰が押し付けられる

「ひっ…く、ぅ…」

ずりずりと、熱い塊が体の中に入り込む感覚に、自然と背が仰け反って息が詰まる
まるでそれをなだめるように、親父の手が俺の体を撫でる
その手にあわせて呼吸すると、少しだけ呼吸が楽になった気がした

「お前の中、熱くて気持ちいいぞ」

全てを収めきった兄弟が、俺の顔を覗き込む
その顔が飢えた雄の表情をしていて、一瞬だけ背筋がゾワリと粟立つ
ソレを誤魔化すように睨み付ければ、兄弟の顔が楽しげに歪み、緩やかに腰を打ち付けだした

「っ…く、ぅ…」

内側から与えられる快感に、漏れそうになる声をどうにか押さえ込む
何もかも、こいつらの思い通りになるのは腹が立つ
せめてもの抵抗に、声だけは出してやるものかと心に決めて唇をかみ締める

「なぁリキッド、声出せよ」

兄弟も俺が声を出すまいとしているのに気が付いたのか、執拗に一番敏感な場所だけを突き上げ、それに合わせて性器をしごく
親父も俺を煽るように、俺の胸やらを弄り始める
上がりそうになる声を、根性で押さえ込んで目の前の兄弟を睨む
絶対に思い通りになど、なってやるものか

「ふっ…はっ」

「っ…くぅっ」

兄弟との根競べは、俺が勝った
絶頂を迎えるとほぼ同時に兄弟がブルリと体を震わせ、腹の中がジワリと熱くなる
中で出されたことは不快以外の何ものでもないが、それでも思い通りになってやらなかったことに少しだけ気分がよくなる

「お前…ほんと強情だな…」

兄弟が腰を引きながら、どこか呆れたようにそう口にする
その顔にふんっと口の端を歪めてやると、困ったように笑った

「それじゃ、次は俺だな」

だが、次の瞬間ぺろりと体をひっくり返された
前に倒れそうになり反射的に体が強張ったが、前にいた兄弟がしっかりと受け止めた
こいつら、本当にテレパシー使ってるんじゃないだろうな?
そんな疑問を口に出す前に、再び後ろに熱いものが押し当てられ、ずぶずぶと再び体内に挿入される
ぐっと歯を食いしばって、声を出さないように耐える

「ほう、案外強情だな…だが…」

背後から親父の笑う声が聞こえ、ぐちりと腰を動かしだす

「ひ、ぁっ」

それと同時に電流のような快感が背筋を走り、口が自然と開き不愉快な声が漏れる
一度開いてしまったそれを閉じることなど出来るはずもなく
親父が動くたび、奴らが喜びそうな声が次から次へと吐息と共に吐き出される

「うぁ…あ、ひっ」

「…酷いなリキッド、俺の時は声出さなかったくせに、親父の時にはそんな可愛い声出すなんて」

「これが経験値の差というものだ息子よ」

2人ともふざけるな!!と叫びたかったが、何を言っても口から漏れるのは意味をなさない喘ぎばかり
そのことが悔しくて、惨めで
快楽も相まって、目元に涙がジワリと溜まる

「泣くなリキッド」

ぎゅうっと目を閉じると、兄弟がどこか優しい声でそう言いながら目元を舐め、口付けてきた
唇を軽く舐めた後咥内に舌が入り込む
兄弟の舌を噛み切ってやろうと思えば、できた
だが、何となくそんな気がしなくて、兄弟のさせたいようにさせておく

「可愛いな、お前らは」

兄弟からのキスを受けていると、親父がどこか楽しそうにそう言い、くしゃりと髪が撫でられる
その手が優しい気がして、気持ちがいいと同時に
そんな優しさがあるんなら、最初からするなという気がわき上がってくる
そんな複雑な感情のまま

「くっ…」

「あ、あぁぁっ」

俺が再び絶頂を迎えると同時に、親父の体が震えた

「大丈夫か、リキッド」

立て続けにイかされて、さすがに疲れきって大きく息をしていると、兄弟がまるで労わるように俺の頬にキスをしてきた
そうしたのは貴様らだろ、といいたかったが何も言う気が起きない

「まぁ、少し無理をさせたな」

親父も、ほんの少しだけ反省しているのかしおらしい声をあげ、うなじにキスをされる
だから、そんな優しさがあるなら最初からこんなことするな

だが、その優しさに少しばかり不快感が薄れたような気がした瞬間

「なぁリキッド…親父…」

兄弟が、どこか真剣な声で口にした
その声に、何だろうと視線を向けると

「リキッドが可愛すぎるから、勃った」

兄弟はにっこりと笑みを浮かべ、そんなことを言いやがった

「なら満足するまで相手してもらったらいいだろ」

オマケに、親父もそんなことを言いやがる

前言撤回だ
一瞬でも優しいと思った俺が、馬鹿だった

「ふざけるな貴様らぁぁぁ!!!」

その後、2人に散々好き放題され、当然あの変態2匹がリビングを片付けるはずもなく

「昨夜は、お楽しみだったようだな」

次の日の朝帰ってきたソリダスに、どこか哀れむような視線を向けられ

「…あいつら、絶対ぶっ殺してやる…!」

俺は、あいつらへの復習を心に誓ったのだった























その他で蛇一家チョコプレイでした!
大変お待たせして申し訳ありませんでしたぁぁぁ(土下座)
もう時間かかりすぎだろ…コメントくださった方、本当に申し訳ありませんでした

本当はもうちょっとチョコプレイ要素がっつりだしたギャグのつもりでしたが…無理でした、管理人のスキル的な意味でorz
(*・Д・)b美味かったぞ、リキッドのミルクチョコ
ξ#・Д・ξ死ね!死んでしまえソリッドアイボリーがぁぁぁ!!!!!
とか入れたかったんですが…

リキッドが二人にどんな復讐をしたのかは、皆様のご想像にお任せします

投票してくださり、本当にありがとうございました!

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