chocolate is envied?



「あぅっ…は、ぁ…スネークっ」

もう何度目になるかわからない絶頂に、ガクガクと体を震わせながら欲を吐き出す
けど幾度も吐き出したせいか、もうイっても薄い液体がほんの少し先端を濡らすだけ

「可愛いぞ、カズ」

「あぅっ…ひ、も、やめっ…お、おねがい…」

けれど、俺の上に乗る男…スネークは、至極楽しそうに笑いながら俺を攻め立てる
もう許して欲しくて、必死にスネークに腕を伸ばすけど、スネークは攻めの手を一切休めず俺を突き上げる

「あひっ…ぃ、うっ…あ、あぁぁ…」

無間地獄に近い快感の中
俺は、どうしてこうなったのかとぼんやり考えた

きっかけは、今日という日そのもの…そう、バレンタイン
野郎ばかりのマザーベースで、愛の日であるバレンタインを祝うのは多少滑稽かもしれないが、それでも酒を飲む口実にはなる
どうせなら俺の祖国、日本のバレンタインにちなんで、普段頑張っている兵士達への感謝の気持ちも込めて簡単なチョコレート菓子を作ろうと思った
だからマングースにチョコレートと、チョコレートと相性のいいウイスキーを大量に仕入れさせた

『おいカズ、こんなにチョコレートにウイスキーを仕入れてどうする気だ?』

それが届いたのがつい昨日のこと
そして、珍しく荷物の検品の場にいたスネークがそれに気が付いた

それが、そもそものきっかけだったのかもしれない

『あぁ、今月はバレンタインだろう?で、宴会もバレンタインだからだ』

『…バレンタインで、何でチョコレートとウイスキーなんだ?』

不思議そうに首を傾げるスネークに、そう言えばスネークにバレンタインに宴会をするとは言っていたが、日本のバレンタインの話をしていなかった
そう思い、簡単に説明することにした

『日本では、バレンタインには愛する人間にチョコレートを贈るんだ。だから宴会に普段の感謝も込めてチョコレート菓子を作ろうと思ってな』

だが、その説明がいけなかったらしい

『ほう…愛する人間に…チョコレート…』

『ほら、ウイスキーはチョコレートと相性がいいだろう?だからもってこいだと…』

『カズ、チョコレート菓子はお前が作るのか?』

その時、俺は気づくべきだったんだ
スネークの声が、いつもよりも低く冷えていることに
その目が、小さな炎を宿していることに

『え…あぁ、チョコレートそのままっていうのも味気ないだろ?』

『愛するものに、チョコレートをやるのに?』

『俺はこのマザーベースのみんなを愛してるからな!あ、もちろんスネークにも…』

『カズ、来い』

スネークにも作る、と言い掛けた時
スネークが俺の手をとり、強引に引っ張って歩き出した
抗議をしてみたが、スネークは俺の言葉なんか聞きもせずに、抗えないほどの力で俺の手を引き
部屋に連れ込むと、俺をベットへと放り投げて鍵をかけた

『ちょ、何だよ!?アンタ…』

情けないことに、そこで俺はようやくスネークの異変に気づいた

『カズ…』

スネークが、笑っている
笑っているのに、瞳が氷みたいに冷え切っている

この表情をするときは、正直ろくなことが起こらないことを俺はよく知っている

『なん…だよ…』

虚勢を張り、必死にスネークを睨みつけるも、スネークの表情は変わらない
笑いながら歩み寄るスネークに、自然と体が後ずさる
けれどスネークはそんな俺に構わず、俺の体をベットに縫いとめると覆いかぶさってきた

『ちょ、やめろってば!』

『大人しくしろ』

どうにか這い出ようと暴れる俺に、スネークは低い声でそう言い放ち
強引に口を開かせると、口付けてきた

『んぅっ』

呼吸が出来ないほど激しく咥内を荒らされて、頭の芯が酸欠でくらくらする
必死に背中や腕を叩いても、スネークの体はびくともしない
乱暴で長くてねっちこいキス
ようやく開放される頃には、体から力がすっかり抜けきっていた
ぐったりとベットに沈む俺を見て、スネークは笑みを深めて俺の体に手を伸ばす

『あ、んっ』

やや乱暴で、急性な愛撫
だが、スネークとの行為に慣れた体はそれを悦んで受け入れる

『あ、あぁ…スネーク、もうっ』

『カズ…』

愛撫こそ急性だったが、行為自体はいつもの慣れたものだった
だから、その時はやきもちを焼いたスネークが
後で、少し説教してやろうなんて、のん気なことを考えていた

『はぁ…はぁ…』

『おいカズ』

心地よい絶頂の余韻に浸っていると、スネークが額に張り付いた髪を払って俺の頬をなでる
その手に、まだ快感の残る頭でスネークの方に顔を向ければ

『へばるなよ…まだまだこれからだ』

そう言って、まるで飢えた獣のような顔で笑った

その言葉通り、スネークからの攻めはずっと続いている
意識が遠のきかけてもすぐさまスネークに起こされ、また攻められる
快感も、過ぎれば拷問に等しくなる
気持ちいいことが、イかされることが苦しくてたまらない

「お、ねがっ…やめ、おねがぁっ」

「本当に可愛いな、お前は」

だが、スネークは俺を解放してくれる気はないらしい
スネークも何度もイってるはずなのに、俺の中に収まっているものはいまだ萎える気配を見せない
スネークが動くたび、派手な水音が部屋中に響き、太ももをドロリとしたもの…おそらく中から溢れてきたスネークの精液だろう…が伝い落ちる

「く、ひっ…いぁ…も、ゆるし…」

今、一体何時だ?
あれから、どれくらい時間がたった?
それすらも、よくわからない
時間の感覚なんて、とうに消え去っている
普段ならマングースが書類を持ってきたりしたときに俺がいないのがわかるはずだが、誰かが捜しに来る気配もない
スネークが、俺が意識を飛ばしている間に何か言ったのかもしれない

つまり、スネークが満足するまで
スネークが解放してくれるまで、この拷問にも近い行為は終わらない
一体いつ終わる?いつになったらスネークは俺を解放してくれる?

「も、ゆるし、てっ…ひ、ぅんっ」

「何を許すんだ?」

泣き声交じりにそう繰り返す俺に、スネークはどこかおかしそうに笑う
俺も、何を許されたいのかはよくわからない
ただ、もう解放して欲しい
それだけしか、考えられない

「む、り…ゆる、し…あ、ひぃっ」

スネークに訴えても、効果がないこともわかってる
でも、それ以外に思いつかない
必死にスネークに、縋りつく
けれど、スネークはそんな俺に満足げな笑みを浮かべ

「可愛いぞ、カズ」

さらに、俺を攻め立ててくる
まるで、蟻地獄だと、もう上手く働かない頭の隅でそんなことを考えた

「カズ、カズ、カズ…」

「ひ、ぁっ…あぁぁぁっ!!」

そして強烈な絶頂の後
俺は、もう耐え切れずに意識を飛ばした




どれくらい、意識を飛ばしていたのだろう
ふと目を開ければ、うっすらと明るい視界の向こう側に、スネークの背中が見えた

「…スネーク…?」

喘ぎすぎて擦れた喉では、言葉はほとんど音にならない
けれど、スネークの耳は俺の声をどうにか拾ったらしい

「カズ、起きたか」

俺の方を振り向いたスネークは、こちらに歩いてくると俺の頬を撫でた
その手に何となく触れたくて、腕を伸ばそうとしてみる
けれど、疲れきっているらしい体は、指一本すら動かせない
首を動かして、スネークに視線を合わせるのが精一杯だった
それにスネークも気付いたのか、どこか申し訳なさそうな笑みを浮かべ

「まだ寝てろ…」

そういって、俺の額にキスを落とし、瞼の上に手を乗せた
その温かな手に、とろりと再び眠気がやってくる
それに逆らわずに目を閉じれば、あっという間に意識が闇に落ちていく

「…すまなかったな、カズ……愛している」

意識が途切れる直前
そう、スネークが優しく囁いたのが聞こえた気がした

次に目を覚ましたときには、バレンタインはとっくに過ぎていた上に、自室に帰ってみれば2日分の書類が山となって積まれていた

「マングース…この書類…」

「副指令の2日分の仕事です…後これ、差し入れです」

さらには、マングースからそっと精力剤と痔の薬を渡され

「…スネェェェェェク!!!!!」

いたたまれなさと恥ずかしさと怒りから、俺はまだ重い腰を叱咤して部屋を飛び出し
のん気に食堂で飯を食っていたスネークを一発分殴り、1ヶ月のセックス禁止を言い渡してやった





















コメントより、バレンタイン前日からプチ監禁を使わせていただきました!

色々力尽きました、すみません(土下座)
エロ神様が絶賛行方不明です…
せっかくの監禁が一切生かしきれなくてすみません
力尽きてる感が満載ですみません

多分スネークはマングースに
これからカズとヤりまくるから入ってくんな
位は言ってます
我が家のマングースは優しくて気を使う人ですが、その気の使い方がちょっと違っているタイプなんです

きっとカズはガチで1ヶ月セックス禁止させる気です
でもスネークが土下座して全力で謝るから2週間くらいにしてあげる予感がします(どんなだ)

投票してくださり、本当にありがとうございました!

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