夢と本能に従っても…



「あ、ぁ…スネーク…」

スネークが優しく、俺の肌を撫ぜる
スネークの指が触れるたび、その場所が溶けてしまいそうなほどの快感が全身を襲う

凄く、気持ちいい
でも、もっと気持ちよくなれるのを俺は知っている

「ね、スネーク…」

たまらなくなり、目の前で俺の体を撫で回すスネークにねだるように腕を回す
スネークは小さく笑いはするが、俺の欲しいものはなかなかくれようとはしない

気持ちいい、でもじれったい愛撫に、自然と息が上がっていく

「スネーク、お願い…も、欲しい…」

もう我慢できなくて、腰に足を絡め、上目遣いでみっともなくねだる
恥ずかしいが、こうしてねだればスネークは欲しい物をくれると知っている
俺の予想通り、スネークはどこか満足げに目を細め、俺にキスをしながらその逞しい腕で俺の腰を抱えた
あぁ、ようやく欲しいものがもらえるのだと、深いキスに答えながら期待に胸を膨らませ…




そこで、目が覚めた




「…ゆめ」

ぼんやりとする頭で天井を眺め、状況を整理し
ソレが夢だとわかった途端、全身を支配していた眠気が一気に吹き飛んでいった

「うわぁ…もう…」

みっともなくて、まるで火が出そうなほど頬が熱くなる
数時間前まで、泣きながら喘がされていたのに、こうして淫夢をみてしまうなんて
まるで、まだスネークが足りないといっているみたいで、どうしようもなく恥ずかしい
ズクズクと、甘く疼く腰の奥の熱
それから強引に眼をそらして、寝てしまおうとシーツを被ろうと端を持ち上げようとして
ふと、隣で眠っているスネークが視界の端に映った

「ちくしょう、気持ち良さそうに寝やがって…」

あまりにも気持ち良さそうな寝顔に、理不尽な怒りが湧き上がる
現実でも夢でも散々好き勝手して、そのせいで俺は眠れないのに!
叩き起こしてやる!と勇んでスネークの体にかかるシーツを引っぺがして
そして、気が付いた

「…勃ってる」

スネークのナニが、立派にそそり立っていた
いわゆる、朝勃ちだ
いやらしい夢を見ていなくても、勃つことはよくあることだ
男なら、誰でも頻繁に体験する現象

「どうしよう…見なかったことにしとこうか…?」

まるで最中のようにそそり立っているソレに、見てはいけない物を見てしまったような、微妙に気まずい気持ちになる
俺だって、起きたら勃してることくらいしょちゅうだ
だが、生理現象だとわかっていても、こうしてまざまざと見せ付けられると一瞬戸惑ってしまう
それがいつも自分のナカを突き上げ、あの極上の快楽を与えてくれるものなら、なおさらに

そう、さっき見た夢で期待したあの快楽を…

「ぁ…」

ゆらりと、俺の中に僅かに火が灯る
同時にドクリと心臓が甘く脈打ち、忘れかけていた体の奥の疼きが耐え難いものへと変わる
たまらずに吐き出した吐息が濡れているのが、自分でもわかる

スネークは、確かに任務中は小さな物音で目が覚めるほど眠りが浅いし、任務によっては数日眠らないこともある
だが、それを取り返すかのように、このマザーベースでの眠りは深い
さすがに敵意や殺意を持って触れれば、一瞬で跳ね起きるが、そういった負の感情を持たずに触れれば滅多なことでは起きない
恋人になったばかりの頃、面白がってどこまでやったら起きるのか実験してえらい目にあったのは今でもしっかり覚えている

つまり
今触れたって、スネークは起きやしない

そう思った瞬間、甘い誘惑が俺の中で生まれ

「ダメ、だって…」

自然とそんな言葉が口から零れた

スネークは眠っている、そしてこれは生理現象で別にスネークは淫夢を見ているわけでも何でもない
それなのに、そんな、いやらしいこと…恥ずかしくてできやしない

けれどそんな思考とは裏腹に、体の疼きはもはや全身に広がっていて抗えない

「…少し、だけなら…」

少しだけ
ほんの少しだけ、ちょっとだけだから
自分にそう言いわけをしながら、出来るだけベットを揺らさないようにそっとスネークの足の間へと移動する

「…けっこう、でかい」

こうしてまじまじとスネークの性器を観察したことは、正直ない
スネークはされるよりするほうが好きらしく、いつも俺の体を好き勝手弄繰り回してばかりだ
風呂やサウナなんかで普段の状態のモノを見ることはあるが、こうして勃起しているところをじっくりと見たのは、初めてだ
その予想外の大きさに、自然と息を呑んだ
こんなのが、いつも俺のナカに入ってるんだ
ドキドキと、不思議な高揚感に胸が高鳴る

「ん…」

ちろりと、先端を舐めてみる
その瞬間、ピクリと性器が跳ね、起きたかと慌てて顔を上げたが

「ん…」

スネークは相変わらず、天下泰平とばかりに眠っている
その表情に、まるでいけないことをしているような、甘い興奮が全身を包み込む
いや、こうして眠っているスネークをどうこうしている時点でいけないことだとは思うが

起きたらどうするつもりだ?
大丈夫、まだこれくらいじゃ起きやしないさ

二つの相反するはずの思考が程よく混ざり合い、どうしようもなく欲情を煽り
もっとシたいという甘い誘惑が、頭を満たしていく

「ん、ん…んぅ」

甘い誘惑に誘われるままに、思い切って性器を口に含む
たっぷりと唾液をまぶすように舌を這わせ、舐め回す
快感を感じているのか、それともただの生理現象か
ぴくり、ぴくりと小さく口の中で跳ねるものの、持ち主が目を覚ます気配はまるでない

たまらなくなって、後ろへと手を伸ばす
数時間前までコレに貫かれていたソコは、軽く突いただけで簡単に指先を飲み込む
むしろ指ではもう足りないと、貪欲にヒクついて今舐めているモノを求めている

そう、指じゃ足りない
コレで体のナカを満たして欲しい

「起き、るなよ…?」

唾液まみれになったソレから口を離し、慎重にスネークの上に跨って性器に手を沿え、腰の位置を調整する
先端がソコに触れて、甘い期待とスネークへの罪悪感に胸が高鳴った

「あ、ん…」

そのままゆっくりと腰を下ろしていけば、数時間前まで散々貫かれていたせいか、それとも唾液で濡れているせいか
ずぶずぶと、何の抵抗もなくソレは俺のナカへと収まっていく
体内に入り込んでくる感覚に、息が詰まりそうになり意識的に深呼吸をする
時折いい場所を掠めて自然と腰が跳ね、せっかく入りかけたものが抜けそうになり、慌てて押し込んでいく

「あ…はぁ…はい、た…」

どうにか腰を落としきって、大きく息を吐き出してスネークを見る
ピクピクと、体のナカをスネークが占拠しているのがはっきりとわかる
それなのに、スネークはまだ目を覚まさない

その事実に、ゾクゾクとした愉悦が背筋を駆け抜ける

「あ、あぁ…ん、スネーク…」

我慢できなくて、呼吸が整わないうちにゆっくりと腰を使い始める
じぃんと痺れるような快楽…ずっと欲しかったそれが与えられる充足感に自然と口元に笑みが浮かぶ
最初は出来るだけ振動を与えないよう、声も漏れないように頑張っていたが
俺とスネークが擦れ合うたび生まれる快楽に、徐々に自制が効かなくなっていく
キシキシと小さくベットが軋む音が耳に届き、さすがにまずいかとも思ったが、もう止められない
声も腰も、止まらない、止められない

「あ、あんっ…ひ、ぁ…あ、あぁっ」

「ん…」

夢中で快楽を貪っていると、さすがにコレだけ派手にやれば目を覚ましてしまったのか
それとも、自然と目を覚ましたのか
スネークが小さく身じろぎ、ゆっくりと目を開けた

「…カズ?」

ぼんやりとした声と共に、状況をよくわかっていない、まだ半分眠りの中にいる瞳が、俺を映す
その瞳の中の俺に、自分が今していることのいやらしさを痛感させられ
同時に、自分がスネークを犯しているような錯覚を覚える

強烈な羞恥心と、愉悦にも似た背徳感

それらが混ざり合って、体の中で快楽が爆発する

「ひっ…あ、あぁぁっ」

決定打を欲しがる本能に逆らうことなく、一気に腰を浮かせて落とす
ぐっと奥が突き上げられ、目の前がちかちかとスパークして、爆ぜる

「はぁ…ぁ…」

射精後独特の疲労感に逆らわず、スネークの胸に倒れこむ
スネークは俺の体を受け止めはしたものの、何がどうなっているのかさっぱりわかっていないようで、不思議そうにこちらを見ているのがわかる

「カズ…」

さらり、と髪を撫でる指先と声が戸惑いに満ちていて、俺はぼんやりと顔を上げてスネークを見た
俺の欲に濡れた表情のせいか、それとも体の間でヌルつく精液に気が付いたのか
スネークの顔が一瞬驚きに満ちたものになり

「なぁカズ…お前、何してたんだ?」

すぐさま、獣のそれへと変わる
その雄の顔に、ゾクゾクと肌が粟立ち
飢えにも似た欲情が、俺の中で目を覚ます

「スネーク…」

意識して、甘く濡れた声でスネークの名を呼んで誘う
俺の意図を読んだのか、スネークは目を細めて舌なめずりをすると体を起こし、体勢を入れ替える

「なぁ、俺の上に乗って何をしていたんだ?ん?」

逃がさない、と言わんばかりに俺の体を押さえつけ、緩く掻き混ぜるように腰を使い出す
その動きが気持ちよくて、酷くもどかしい

「やぁ…だ、て…スネーク、勃ってた、からっ」

「勃ってたから、俺の上乗ってたのか?俺のを勝手に入れて、腰振ってたのか?」

咎めるような、からかうようなスネークの低い声
いつもは羞恥心を煽るそれも、今の俺には快楽の燃料にしかならない

「だ、てぇ…スネークが、やらし、こと…」

「俺が?」

「ゆめ、で…俺のこと、あぁっ…さんざ、んっ…」

「ほほう、いやらしい夢を見て、それで俺に跨って腰振って気持ちよくなってたのか…」

淫乱だな、お前は

耳元を嬲る舌と共に、屈辱的とも取れる言葉が流し込まれる
でも、いまは気にならない
むしろ、その言葉すら気持ちいい
スネークから与えられる、何もかもが気持ちよくてたまらない

「もっと…ぁ、スネーク…もっとぉ…」

おそらく、目を覚ましたら忘れたいくらいくらいの恥ずかしさと後悔に苛まれるんだろう
けれど、今は
今だけは、この飢えと快楽だけを追っていたい

たまには、本能に忠実になるときがあってもいいじゃないか

そう結論付けて、スネークの腰に足を回してねだれば

「…積極的なお前も、悪くないな」

スネークも、欲情を隠しもしないぎらついた瞳で笑い
噛み付くようなキスと共に、その逞しい腕で俺の腰を抱え直した
これから与えられる強烈な快楽に期待を隠しきれないまま、俺は逃がさないとスネークの背に腕を回した





















コメントより、たまには襲い受カズで!を使わせていただきました!

ごめんなさい、バレンタインで襲い受が思いつきませんでした(土下座)
というか、襲い受難しいね!!
ていうか、これは襲い受ですか!?
ただカズがいやらしい子なだけの気もします…(´・ω・`)
襲い受好きですが、カズがスネークを襲える気がしないんです…色々と
我が家の2人は、カズが正攻法で襲っても、スネークはぺろりとひっくり返しちゃうんです
というか、我が家のカズ、実は逆転願望捨て切れていないので…襲わせようとしたら
(#▼д▼)たまには攻めさせろ!
ってなるんですよ…
襲い受って難しいよママン
この先は襲い受からは大幅に外れますので、カットしました
ぐちょぐちょエロスだろうがなんだろうが、お好きにご想像ください!

投票、本当にありがとうございました!

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