幼い日、遠い思い出・2



「マスター…好きだ」

その柔らかな唇に口付ける
一瞬驚いたようにマスターの体が硬くなったが、抵抗することなく俺にされるがままだ
何度も角度を変えて、唇を重ね合わせる
触れるだけの軽いものから、徐々に深く

するり、とマスターの下肢に手を滑らせると、ぎくりと体が強張った。

「そ、ソリッド…こんなところで…」

俺の体を何とか押し返そうとするマスターをしっかりと抱きしめ、俺は頭の中で計算をする

観覧車が1周するのに、約15分
今は頂上を少し過ぎたところだから下まで後7分
さすがにセックスまでする時間はないが、もう1周すれば
20分と少しあるなら、マスターを煽るくらいは出来るだろう
そう結論を出し、マスターの性器をズボンの上から軽く揉みしだく

「あっ…」

ぴくりとマスターの体が跳ね、きゅうっとその手が俺の服を掴む
ふるふると震える首筋を甘噛みすると、マスターの喉から小さな声が漏れた

「大丈夫だマスター。ここは密室だ、誰にもバレやしない」

かぷりと軽く歯を立て、そこを舌でねっとりと舐めあげれば、マスターの耳がさぁっと赤く染まる
うまそうに見えたそこに舌を這わせながら、ズボンの上から刺激を与える

「ぁ、ゃ…」

ふるふると体を震わせながら、マスターは俺の背に手を回して縋るように服を握り締める
どうやら、すっかりその気になってくれたらしい
少し強めに刺激すると、手の中で性器が硬さを増していく
物足りなくなってきたのか、マスターの腰が揺らめいて緩く手に擦り付けられる

焦らしたい気持ちもあるが、下へ降りるまでに引き返せないほどマスターの熱を高めておかねばならない
ねだられるままにベルトを外し、下着の隙間から手を中へと入れる
そのまま熱を持ち始めたマスターの性器に触れれば、ぴくんっと肩が跳ねる

「やっ…」

そのまま緩く数度しごいてやると、ふるふると震えながら勃ち上がっていく

「あ、あ…」

「マスター、可愛い」

可愛らしい喘ぎ声が漏れ出す唇にたまらなくなって口付けながら、下着をずらして性器を露出させる

「んぅ…ん…」

咥内へと舌を滑り込ませれば、マスターの舌が甘えるようにそれを撫でる
そのまま絡めあえば、ぬるりと絶妙な力加減で誘われる
そのキスの上手さがそのまま年齢差のように感じて、少しだけイラついてしごく手を少しだけ強める

「ひぁ…や…」

マスターの好きな場所へと指を這わせれば、たまらないといった風に唇を離し可愛らしい声を上げる
その可愛らしさに、年齢差が少しだけ埋まったような錯覚を覚える
こうして俺の腕の中で快楽に酔い痴れるマスターは、年上には見えない

「はぁ、ぁっ」

気持ち良さそうに目を伏せるマスターをもう少し堪能していたかったが、そろそろ1度目の時間切れだ
マスターから離れれば、潤んだ瞳がどうして?と言わんばかりに見つめてくる

「そろそろ、1周目が終わる」

その瞳に飢えにも似た感情が襲い、小さく生唾を飲み込み
このまま行為を続けたい衝動をどうにか抑えてマスターに小さく笑って見せる
そのことでようやく気がついたのか、マスターは慌てて窓の外へと視線をやる

「マスター、そのまま」

そしてだいぶ下まで降りていたことに気付いたのか、慌ててズボンを上げようとするマスターを片手で制する

「そ、ソリッド?」

「もう1周しないか?マスターも、このままはいやだろう?」

ふるりと震える性器に指先で触れれば、マスターは小さく息を詰め視線をさ迷わせる
迷っているのだろうが、正直ここで降ろす気はない
あと少し、迷ってもらえばいい
先端を指先で軽く弄りまわすと、マスターの口から甘い声が漏れる

そうやってマスターの気をそらしている間に、観覧車はどんどんと下へ降りていく

「ぁ、そりっ…」

「もう、時間もないしな」

横目でもうすぐ扉が開くだろう位置に来たのを確かめ、急いで上着を脱いでマスターの膝へとかける
マスターが座っているのは、奥側だ
これくらいしておけば、バレはしないだろう

「バレないさ…マスターが動かなければ」

そう囁いた瞬間、カチャリと扉から音がした

「お疲れ様でしたー!」

先ほどと同じ、明るい声をした係員が扉を開けた
ちらりとマスターを見れば、大人しく窓の外を見るふりをしている
だが、その体が緊張でガチガチになっているのは明らかだ

「すまん、もう1周いいか?」

そのことに内心ほくそ笑みながら、係員に2人分のチケットを見せる

「はい、それではもう1周いってらっしゃいませ!」

チケットを確認した係員は、にこりと笑って再び扉を閉めた
その瞬間、ほっとマスターが息を吐いたのが伝わってきた

「…緊張したか?」

その様が可愛くて、からかうようにそう言えばキッと蒼い瞳が睨みつけてきた

「当たり前だっ」

怒ると少し拗ねたように唇を尖らせるのは、この人の昔からの癖
昔は親父の前でしか見せることのなかった表情を、今はこうして俺の前で当たり前のようにしている
そのことが、妙に嬉しく感じる

「悪かった」

少しだけ笑いながらマスターの頬を撫でれば、いじけたような瞳が俺を見返してくる
その瞳に笑みを抑えきれないまま、先ほどの続きをしようと上着を取り払ってソレに触れる

「あっ…」

その瞬間、ぬるり、と指先が滑る
先走りの液で濡れているんだろう
けれど、さっきまではこんなに溢れてなかった

「…興奮したのか?係員にばれるかもって」

ぬるぬると指先でぬめりを楽しむように弄りながらそう問いかければ
マスターの頬が、かぁっと赤く染まった

「ソリッド…」

さっきまでいじけていた瞳がトロリと蕩けて、まるで誘うような淫猥な色を湛えて俺を見つめる
その蒼い瞳に、ゾクリと背筋が粟立つ

「可愛いな、マスターは」

声に愉悦が滲むのを抑えないまま、俺は立ち上がってマスターの前に跪く

「気持ちよく、してやるから」

一瞬きょとんとした表情で俺を見つめたマスターに笑いかけながら
刺激を求めて震えるソレを、ぱくりと咥え込んだ

「ぁんっ」

するとマスターの唇から、可愛らしい悲鳴が上がる
その声に気分がよくなり、ちゅぷちゅぷとわざと音を立てながらしゃぶりまわす

「ソリッドっ…や、やめっ」

しゃぶられるのがイヤなのか、マスターの手が俺の髪を掴み引き剥がそうとする
だが、力のまったく入っていない手では、まるでねだっているようにしか見えない
お返しに先端を軽く吸えば、きゅうっと髪を掴む手に力が入って少しだけ痛い

「マスター、気持ちいいか?」

一度口を離し、マスターにも見えるように先端から根元へと舌を這わせ舐る
ふるふると震える性器は先走りの液と俺の唾液で、いやらしく光を反射する

「あ、やぁっ…あ、んっ」

その光景が恥ずかしいのか、ぎゅうっとマスターは目を閉じてふるふると首を振る
まるで、子どものような仕草
その仕草に愛しさを感じながら、ズボンと下着を太ももの中ほどまで下ろし、こちらに腰を少し突き出させる格好にする

「そり、ど?」

「大丈夫だ、気持ちいいことしかしない」

どこか不安げに俺に揺れる瞳を向けるマスターに、安心させるように笑いかけ
指先で、後ろへと触れる

「ぁ…」

ゆるゆると指先で揉むように撫でれば、ヒクリと入り口が蠢く
先端を飲み込もうときゅうっと締め付けるソコにあわせて指を押し込めば、つぷりと指先が中へともぐりこむ

「ひぁ…あ、ぁーっ」

そのままぐにぐにと中を刺激すれば、マスターの腰がピクピクと跳ねる

「気持ちいいか?」

内壁を指先で軽く押してやりながら聞けば
マスターは恥ずかしそうに、こくりと頷いた
その素直な様子に、欲が煽られ飢えに似た感情が顔を出す

「ひぅ…あん、あぁぁ…」

その飢えに逆らわずに、後ろを刺激しながら震える性器に再びしゃぶりつく
ぐしゃぐしゃと行為をねだるように髪が掻き混ぜられ、程よく鍛えられた太ももが俺の顔を挟み込む

「あ、だめだ…ソリッド、だめだっ」

たまらずに指を増やし奥を突くと、頭の上からマスターの悲鳴に近い声が聞こえてきた

「ダメ?何がダメだ?」

「だめ、だめだ…それ、だめっ」

「それ?コレか?」

ぐいぐいと奥を突き上げながらいい場所を擦り上げると、喉を仰け反らせて甘い声を上げる

「だめ…あぁっ、だめだっ」

ふるふると首を振りながら快楽に溺れる様は、いやらしくも愛おしい
もっと苛めたいが、もう時間も迫っている
ぐちゃぐちゃと中を掻き混ぜながら、舌を絡ませて吸い上げれば

「だめ、だめっ…あ、だめっ、ひゃぁぁっ」

ガクガクと体を震わせながら、ぎゅうっと俺の髪を握り締め
俺の咥内にとぷりと甘い蜜を放った







「お疲れ様でしたー!」

今日2度目の明るい声を聞きながら、俺とマスターは観覧車を降りた
俺の高ぶりは、上着を腰に巻きつけてどうにか誤魔化している
もう1周することが可能ならセックスに持ち込んでもよかったが…3周もすればさすがに不振がられるだろうし
やはり、マスターの体はじっくりと時間をかけて味わって堪能したい

「…君が、こんなに変態だとは思わなかった」

冷静になったらしいマスターは、さっきから恥ずかしそうにブツブツと小さな声で文句を言っている

「マスターも乗り気だったじゃないか」

その仕草がやはり年上には見えなくて、少しだけからかうように笑えば、マスターは不服そうに俺を睨みつけてくる

「君が、煽るからだ」

「マスターが可愛いから悪い」

「…私みたいなおっさんの、どこが可愛いんだか」

呆れたようにため息をつくマスターに、全てが可愛い、といいたくなるのを必死で堪える
あまり機嫌を損ねて、困るのは俺だ

「ところでマスター…時間があるなら、これから少し付き合ってくれないか?」

ホテルへ、という単語は一応伏せてマスターに問いかける
観覧車の中でのマスターは可愛らしくて、今は俺のほうが限界に近い
ゆっくりとあの白くて敏感な体を、思う存分舐って嬲りたい
今すぐに押し倒したい欲求を抑え続けるのも、あまりもちそうにない

腰の辺りをゆるりと撫でれば、マスターは俺の意図を理解したのかほんのりと耳を染め

「…少しでいいのか?」

挑発的な瞳で、ニッコリと笑った
その少し細められた目に、欲情が煽られる

「…俺が満足するまで、付き合ってもらっていいのか?」

「そうでないと、君が困るだろう?」

ニヤニヤと、自分が優位なんだといわんばかりの笑みに、小さく苦笑を返す
まぁ、珍しくマスターが誘いに乗り気なんだ
自分で言った言葉の責任を、たっぷり取ってもらおう

「あぁ、困る」

マスターお望みの困ったような笑みを作って見せながら
俺はこれからのことを思い、期待に胸を膨らませた




















その他CP枠・ソリマスでした!
コメントより、遊園地を使わせていただきました

現パロに逃げてゴメンナサイ(土下座)
だって、原作で2人が遊園地なんて想像できな…!
あれです、ウォーアイニーなのりですすみません

そして、エロ中途半端ですみません!
遊園地だと、どうしてもここまでしか出来ませんでした!
トイレとか考えましたが…項目にトイレあったよね…

これから先はホテル編へと移動しますが…見たい方いますか?
いれば書こうと思います
見たい方、挙手!(やめんか)

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