重ね重なり混ざり合う・2



甘く柔らかな舌を絡めあい、存分に堪能しながらその体を撫ぜる
優しく擽るように、しかし官能を高めるように
背中から腰へと、ゆっくりと撫ぜる手を下ろす
腰の辺りを指先で撫で回せば、ミラーは擽ったそうに体を捩る

「ザドルノフ、くすぐったい」

ふふ、と小さく笑う彼の喉元にちゅっと音を立てて唇を落とし
左手で体を撫でながら、右手の義手でスカーフを外して野戦服のボタンを外していく
期待に満ちた目で私を見下ろすミラーに、小さく笑い返してやり
胸元を、するりと撫でる

それだけでぴくんっと反応を示す感度のいい体にゾクリときつつ、指先でピンク色の飾りを摘めば、薄く開いた唇から小さく声が上がった

「ココが気持ちいいのかね?」

「ん、きもち…」

とろん、とした瞳で私を見つめる彼にも見えるように、ぴんっと立ち上がったそこを口に含む
舌先で舐めながら軽く吸ってやれば、はぁ…と気持ち良さそうな吐息が上から降ってきた

「ぁ、ん…」

よほど気持ちいいのか、私の頭に腕を回して抱え込むようにしながら小さく声を上げる
軽く歯を立てれば、ビクビクと体を震わせてぎゅうっと腕に力を込めた

「それ、もっと…」

「痛いくらいが好きかい?」

「ぁ、ちょっと痛いの、気持ちいい」

私の問いかけに、まるで小さな子どものように素直に答える
いつもの少しばかり強情で意地っ張りな彼からは、想像もつかない
彼が望むままに、少々痛いくらいの愛撫を繰り返せば、あ、あ、と甘い声を上げて身悶える

「ね、も…下も、触って…」

やがて胸の愛撫では物足りなくなったのか、頭から腕を外し
私の手を取って、自分の下肢へと擦り付ける
胸の愛撫だけでズボンを押し上げるほど張り詰めたソコを指先でなぞれば、たまらないといった風に腰をくねらせた

「胸だけでこんなにするなんて、君はいけない子だな」

彼の頭を抱き寄せ、咎めるようにそう囁くと
彼はトロリと瞳を潤ませ、ふっと視線を伏せた

「ごめん、なさい…」

「悪い子には罰を与えなければね…下は、自分で脱ぎなさい」

おそらく彼が私に重ねているであろう父親のように、優しく、けれど有無を言わさぬ口調でそう言えば
彼は一瞬私を潤んだ瞳で見つめ、小さく頷いた
ゆっくりと膝立ちになり、カチャカチャと音を立てながらベルトを外していく
震える指先がズボンを下ろせば、下着の先端が濃く色を変えているのが自然と目に入る

「下着を濡らしてしまうとは…いやらしい体だ」

性器の形に浮き上がっている下着の縁に触れると、腰がピクリと跳ねた

「やっ…」

「ほら、早く脱ぎなさい」

そのまま太ももの中ほどまでずらされたズボンの隙間から手を差し入れ、内股を軽く撫でると、そこがビクビクと震え、小さな吐息が頭の上から零れる
彼を見上げて促すように微笑んで見せれば、とろんとした瞳が私を見返し
ゆっくりと、指先が下着を下ろしていく

「いい子だ」

期待するように私を見つめる彼に、褒めるように声をかけながら上気した頬を撫でる
彼はどこか嬉しそうに微笑んで、甘えるように私の手へと頬を擦り寄せる
その幼い子どものような仕草と、快楽を求めて潤む瞳のギャップに心奪われる

幼い子どもの無垢さと、手練れの娼婦のような色香
相反するはずの表情が、この男の中では何の矛盾もなく同居している
この男の魔性に近い魅力に、何人の男が囚われたのだろうか

そんなことを思いながら、刺激を求めて蜜を零す性器へと左手で触れる

「やぁぁっ…」

数度ソレをしごいてやると、よほど我慢していたのか
彼はあっさりと、絶頂を迎えた

はぁはぁと荒い息をこぼしながら、彼は私の左手を取り
その手についた、自分の精液をペロペロと舐めはじめた
まるで猫がミルクを飲むような仕草の愛らしさと淫猥さに、くらりと眩暈がする

「美味しいかね?」

緩く頬を撫でてやりながらそう尋ねれば、チラリとこちらを見た彼は少しだけ口元を歪めた

「アンタも、気持ちよくしてやる」

先ほどまでの子どものような笑みとは違う、普段の不適な笑みを浮かべた彼はずりずりと後ろへと下がり
ソファーに座ったままの私に跪くような格好になると、ちゅっとズボン越しに反応をしている私の性器に軽く唇を落とす
そのままベルトを外しながら、もそもそと足を器用に動かして太ももに絡まっていたズボンと下着を下ろしていく
片足がズボンと下着から抜けるとほぼ同時に、私の性器が外気に晒された

「アンタの、おっきい」

どこかうっとりとした風に彼は呟き、ちゅっと音を立ててソレを口に含んだ
柔らかな舌がうねうねと動き回り、頬の筋肉が程よく締め付けてくる
経験が豊富なのだろう、中々のものだ
柔らかな髪の間に手を差し入れ、梳くように撫でてやると
彼は私を見てふっと目元を小さく緩ませ、さらに奥へと誘い込む
喉の奥も使い、私に快楽を与えようと咥内が蠢く
彼が頭を上下させるたび、ちゅっちゅっと濡れた音が響く

このまま続けさせれば、このまま口で果ててしまうかもしれない
そう思い、頬を撫でて彼にやめるよう促せば
彼は素直に口を離し、まるで叱られた子どものように私を見上げる
安心させるようにその頭を撫でてやると、彼は少しだけ安心したように目元を緩めた

彼の奉仕が、気持ちよくなかったわけじゃない
だが、私ももう年だ
まだ若い彼とは違い、一度果ててしまえば中々体が回復しない

「上手にできたから、ご褒美をあげよう…こちらへおいで」

微笑んで彼に腕を広げて見せれば、彼はふわりと笑って再び私の膝の上へとやってくる
脚を少し広げて腰を浮かせ、熱の篭った瞳で私を見つめる
その柔らかそうな、けれど程よく鍛え上げられた尻の間に右手を滑らせれば、ひくりと喉が震える
その場所を軽く押してやると、ツプリと指先が飲み込まれる
奥へと指をやれば、吐息交じりの甘い声が降ってくる
そのままゆっくりと、けれど快楽を感じる場所を刺激する

「あ…あ、ぁ…」

中でうごめく指に、彼は少しだけ戸惑ったような表情を向ける
私の右手は、義手だ
精巧に作られ本物の手と変わりなく動かせるといっても、所詮は紛い物
金属でできたそれは、やはり本物の指とは感覚が違うのだろう

「あ、なんか、…へんっ」

「義手だからな…イヤかね?」

ぐ、と指を増やしながら尋ねれば、彼はふるふると首を振り

「や、じゃ、ない…きもち、おかしく…なるっ」

もっととねだるように、腰を揺らめかせる
どうやら、よほど義手の感覚がお気に召したらしい
望みのままに中を掻き混ぜてやると、小さな悲鳴のような声が断続的に上がる

「ひ、あっ…いや、ぁっ…んんっ」

「よほどコレが気に入ったようだね…どうだね?このままイってみては」

クスクスと笑いながら彼にそういえば、彼はいやいやと頭を振りながら、どこか懇願するような目で私を見つめる
その視線の意味に気付かないふりをしながら、中を愛撫する
彼は甘い声を上げながらも、私を縋るように見つめ

「ザド…ね、もっ…欲しいっ」

ついに堪えきれなくなったのか
快楽に潤み、蕩けきった瞳で懇願した

「何が、欲しいのかね?」

その瞳に少しだけ笑いかけながら、彼が一際反応を示す場所を指で擦り上げれば

「あぁっ…も、アンタがっ…欲しいっ」

薄く開いた唇から、快楽の吐息を零しながら
指先で、私の性器に触れた

「君は素直でいい子だな」

後ろから指を抜き、腰を抱えて軽く引き寄せれば、彼も私に密着するように腰を寄せる
腰を緩く撫でて、ソコを落とすように促せば
彼は後ろ手で私の性器を支え、ゆっくりと腰を落としていく

「ひぁ…はいって、くっ…」

ずぶずぶと、柔らかく蕩けたソコはゆっくりと私を飲み込んでいく
全て収まりきると、彼は緩やかに腰を使い始めた

「んぁ…あ、あぁ…」

甘い声を上げながら恍惚の表情を浮かべる彼に誘われるように、その動きに合わせて私も緩く彼を突き上げる

「ひっ…や、それっ…イイッ」

すると彼はたまらないといった風に腰をくねらせ、ぎゅうっと私にしがみ付いてきた

「あ、ぁ…お、…さっ…」

喘ぎ混じりに、彼が何かを口にする
おそらく日本語なのだろう、何と言っているかは、私にはわからない

「…カズヒラ」

ただそれに答えるように、耳元で優しく甘く、姓ではなく名前を囁いた

すると、彼の瞳が一瞬驚いたように私を見つめ
やがてその瞳をとろりと蜜のように潤ませて
小さな子どものように、幸福そうに微笑った

「やぁぁっ…と、…んっ……おと、さぁっ…」

「カズヒラ…可愛い、カズヒラ…」

うわ言のようにその言葉を繰り返す彼の耳元で、私も彼の名を繰り返し呼ぶ
そのたびに後ろがきゅうっと締まり、彼は嬉しそうな表情をする

薄く開いた唇から誘うように赤い舌が伸ばされ、誘われるままにそれに自分の舌を絡める
そのまま突き上げを強いものへと変えれば、喉の奥から悲鳴に近い声が上がる
それを食べてしまうように激しく口付けながら、とろとろと蜜を零し絶頂を求めて震える性器へと腕を伸ばす
最奥を突き上げながら、先端を指先で弄れば

「だめっ…おと、さっ…だめぇぇぇっ」

耐え切れない、といった風に唇を離し、ビクビクと体を震わせながら絶頂を迎えた
その瞬間の締め付けに耐えられず、慌てて引き抜いてその尻の谷間に性器を擦り付けて果てた




「…あぁ、マングースかな?……いや、彼は少し酔いすぎて眠ってしまったようでね」

疲れたのか、すぅすぅとベットで眠る彼のあどけない子どものような寝顔を眺めながら、私は備え付けの無線機で彼の側近へと連絡を取った
そろそろ、ビックボスが任務から帰ってくる頃だ
さすがにその時、私が部屋にいてはまずい
名残惜しいが、ビッグボスが帰ってくる前に独房へ戻らなければならない

少しだけ虚偽の混じったことを言えば、私をここへと連れてきてくれた彼の側近は少し困ったように笑いながら
すぐ行きます、とだけ言って無線を切った

「まったく…君は随分と慕われているのだな」

本来独房にいなければならない私を、彼の側近は
ミラーさんがそう言うなら
と、やはり困ったように笑いながらここへと連れて来る
今も、私の言葉を疑わずに私を迎えに来てくれるようだ
やはり、この男の魅力というのはたいしたものだ

そんなことを考えながら眠り続ける彼の頭を撫でていれば、コンコンと扉がノックされる音が聞こえた
おそらく、マングースがやってきたのだろう

「おと…さ、ん…」

ベットから立ち上がろうとした瞬間、ぽつり…と、彼が行為の最中何度も口にした言葉を零した

「おやすみカズヒラ…よい夢を」

一度その頭を撫でて、耳元でそう囁くと
彼は、ふにゃりと無垢な笑みを零した

その頬に軽くキスを落とし、私はマングースがいるであろう扉へと向かった

















その他CP枠、ガルカズでした!
コメントより、カズの私室を使わせていただきました

完全に方向性を間違えた気がする!!!
でもでも、自分の中でのガルカズのイメージは
ザドルノフに父親を重ねてるカズと、わかってて父親演じてるザドルノフなんです!!
完全にパパカズちっくですが、そういう仕様なんですっ

本当はもっと陵辱的なものにしようかと思ったんですが…できませんでしたorz

5000hit、本当にありがとうございました!

- 38 -


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -