揺れる部屋の中で・3



さて、問題はどこでするかだ
このまま立ったまま行為におよんでもいいが、さすがに揺れる中で立ったままはキツイ
どれほど揺れるかは想像できないが、マングースが心配して連絡をよこすほどだから相当なのだろう
かといって、寝るためだけに備え付けられた簡易ベットで事におよべば、壊してしまいそうで怖い
後で理由をマングース達に聞かれたとき、カズの機嫌が急降下するのは目に見えている
さてどこで…と考えをめぐらせていると、ふとテーブル脇のソファーが目に入った
先ほどまで俺達が座っていたそれは、かなり頑丈な作りになっている
多少のことで、どうこうなることはないだろう

「カズ、大人しくしてろよ」

「へ?うわっ」

ポカンとしているカズを抱え上げ、ソファーへぽいっと放り投げる
マヌケな声を上げてソファーへと沈んだカズが体を起こすのを待ってから、隣へと腰掛ける

「何するんだよ、ビックリするじゃないか!」

「すまんな、余裕がないんだ」

不満げに唇を尖らせるカズを、後ろから抱きすくめる格好で膝の上に乗せる
顔が見えにくいのはいただけないが、後ろから抱きしめてやる格好なら多少揺れてもバランスを崩しにくいだろう

「スネーク…」

ぎゅうっと抱きしめれば、尻に当たる高ぶりにカズが困惑したような、けれど期待の篭った声で俺の名前を呼ぶ

「少しだけ、腰を浮かせてろ」

手を離してそう声をかければ、素直に腰を浮かせ、前に体をずらす
ベルトを手早く抜き取ってチャックを外し、下着をずらして高まりきった性器を露出させる
そのままカズの腰を緩く引き、位置を合わせて腰を少しだけ下ろさせる
後ろに性器の先端が触れた瞬間、カズの喉がひくりと動いた

「そのまま腰を下ろせ」

片手で性器を、片手でカズの腰を支えながら、ゆっくりと腰を落とさせる
つぷり、と先端が飲み込まれると、甘い声がカズの口から漏れる
そのままゆっくりと、じれったいくらい速度で飲み込まれていく
そのまま突き上げたいのをどうにか堪え、カズが腰を落としきるまで待つ
完全に腰を落とすと、カズははぁっと大きく息を吐いて体から力を抜いた
体重のせいか、いつもより深く飲み込まれている気がする

「やぁっ…深い…」

カズも同じなのか、小さく体を捩りながら、たまらないといった風に声を上げる
その声に煽られて軽く腰をぐりっとまわしてやれば、きゅうっと中が締まり心地よい快感が背筋を走る
衝動のままに腰を掴んでゆっくりと揺さぶれば、ビクビクと体が跳ね中が心地よく締まる

その時、不意に部屋がガタンっと音を立てて揺れた

「あぁっ」

同時に俺達の体も激しく揺れ、カズが甘い悲鳴を上げる
前に倒れそうになるカズの体を慌てて支える
その間もガタガタと部屋は揺れ、そのたびにカズの口からは快楽に濡れた声が漏れる

揺れるとは言っていたが、まさかこれほど揺れるとはな
ガタガタと不規則に揺れる部屋に、まるで地震だと軽く苦笑する

「あ、やっ…あぁぁっ」

だがその不規則な揺れが突き上げと同じ役割を果たしているらしく、カズは随分と気持ち良さそうだ
だが、俺としては正直面白くない

「随分気持ち良さそうだな、カズ」

「ひぅっ」

すぐ側にある赤く染まった耳をぺろりと舐めてやれば、カズは小さく悲鳴をあげ、しがみ付くように俺の頭へと腕を回す
そのまま唇へ噛み付けば、首が苦しいのか小さくくぐもった声が漏れた
その声に、少しだけ心が満たされる

はやりこうして抱いている以上、俺の手で快楽を与えて鳴かせたい
揺れで突き上げられるのなんて、俺以外でも出来るだろう
俺に抱かれながら、そんなもので喘ぐカズが気に入らない

半ば嫉妬じみたその感情に、我ながら呆れる
車の振動に嫉妬とか、俺はどれだけ嫉妬深いんだ

だがそれも愛ゆえだと1人納得し、苦しげな声を上げるカズの唇を離してやる

「ふぁっ…あ、ぁっ…」

唇を離した瞬間、またがたりと大きく部屋が揺れ、カズは気持ち良さそうに喘ぐ
その姿にイライラしながら、軽く深呼吸をする

どれだけ嫉妬しても、この揺れはどうしようもない
なら、これを利用してカズを苛めてやれないかと考える

「こうして揺れで突かれるのは、気持ちいいか?」

そして思いつく
揺れるのが気持ちいいなら、いっそ揺れだけにしてやったらどうだろう

きょとんとした目で俺を見るカズの体をゆるく突き上げるのをやめ、倒れないように支えるだけにする
そのまま前にも手を伸ばすが、握るだけで動かしてはやらない

「あ、スネーク、何?」

「揺れだけで随分と気持ち良さそうだからな。俺が動かなくてもいいんじゃないか?」

「そんな…あぁっ」

がたり
また大きく部屋が揺れ、奥へと性器が入り込む
それと同時に、先走りでトロトロになったカズの性器が手の中で滑る

「あ、やぁっ」

「ほら、俺が動かなくても気持ちいいだろう?」

ガタガタと揺れるたびカズ性器が手の中で滑り、俺のがグイグイと奥を突き上げる
そのたびに、カズは甘い声を上げながら腰をくねらせる
揺れでの突き上げは俺にとってはじれったいものでしかないが、カズにとってはいい刺激になっているらしい

「も、やだっ…すねーく、やだぁっ」

だが、随分とじれったそうでもある
不規則な動きは予想もつかない快楽を与えるが、どうやら絶頂に至るには足りないらしい
目に涙をためながら、俺の方にねだるような視線を向ける

「何がイヤなんだ?気持ちいいんだろう?」

そのことに気付かないふりをしながら先端を軽く撫でてやれば、ついにその瞳からぽろぽろと涙が零れ落ちた

「も、動いてっ…イかせてっ」

ぽろぽろと頬を伝う涙を舌で舐めとり、薄く開いた唇に軽くキスをする
ようやく聞けたカズのおねだりに、カズの足と腰をしっかりと抱えなおす

じれったい動きと可愛らしい言葉であおられて、俺もそろそろ限界だ

「いい子だ、動くぞ」

一応そう宣言してから、思い切り突き上げながらカズの腰を揺らしてやる

「あぁぁぁっ、や、きもちいっ」

その瞬間、カズの背がビクビクとしなり
中が待っていましたとばかりに絡みつく
その強烈な快感に息を詰めて耐えながら、カズの腰を揺さぶってやる

「前は、自分でやれっ」

どこか物欲しげな表情を浮かべるカズの耳を舐りながらそういえば、震える手が素直に蜜を零す性器へと伸びる

「あ、あ、あっ…きもち、すねーくっ」

突き上げに合わせるように腰を揺らめかせ、夢中で性器を擦る様を肩越しから眺める
俺の手で快楽に溺れるその様は、可愛くてとてもいやらしい
視覚からも煽られて、たまらずに奥を勢いよく突き上げてやれば

「も、だめっ…い、ちゃっ」

グリグリとカズの手が敏感な先端を苛め、甘い声を上げながら白い粘液が噴出した

「くっ…」

その瞬間、まるで搾り取るように締め付けられ、俺もカズの中に熱を叩き付けた




「…スネークの、バカやろう」

はーはーと荒い息が落ち着いてきた頃に、カズは俺を睨みつけながら、ぶすっとした表情で悪態を吐いた
整備されていない部分は過ぎたのか、今は揺れもなく部屋は静かなものだ

「酷いなカズは、人のことをバカバカと」

「だってバカだろ、無線とか色々!」

「だが興奮しただろう?」

俺の言葉に、カズは一瞬言葉に詰まり
死ね、と一言だけ吐き捨てて俺から視線をそらした

「体ベタベタだから、軽くシャワー浴びる。アンタは責任持ってその辺片付けてくれ」

そのままずるり、と俺のナニを抜き取るように立ち上がり、こちらを振り返りもしないままペタペタとシャワールームへと歩いていった

どうやら、図星を突かれ恥ずかしいらしい

「さて、どうするか」

片付けろ、といわれても片付けるものなどない
強いて言うなら、マングースとの無線のときに棚についた、カズの精液くらいなものだ
本人は、すっかり頭から飛んでいるらしいが

「…ティッシュででも拭いておくか」

残しておいてうっかりカズが見つけたら、間違いなく蒸し返される
近くにあったティッシュを手繰り寄せ、見た目ではわからないように拭き取りながら
たまにはこういうのもいいかもしれないと、少しだけ思った

















アンケート2位、カーセックスでした!
た、大変お待たせしましたぁぁぁ(土下座)
コメントより、揺れるトラックの中でをお借りしました!

うん、相変わらずコレのどこがカーセックスなのか!
ものすごく待たせた挙句のこの体たらく、本当に申し訳ありませんっ
無線プレイはタダの趣味です、はい
最近マングースとホーネットが自分の中で熱いだけなんです(コラ)

5000hit、本当にありがとうございました!

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