笑顔でさようなら



生者は決して死者には勝てない
枯れてしまった花の美しさが永遠であるように、思い出が宝石のように輝くように
今現在存在するものは、喪われたものの美しさには敵わない

俺がどれだけ愛しても、どれだけアンタに尽くしても、どれだけ歳月を重ねても
アンタの中のザ・ボスには、決して勝てやしない
アンタの一番はザ・ボスで、アンタは永遠にザ・ボスの物なんだ

でも、俺はそれが我慢ならない
俺は、アンタを独り占めしたい
いや、独り占めなんて生ぬるい
永遠に、アンタの中に確固たる存在として残りたい
ザ・ボスと同じように…いいや、それ以上に

たくさんたくさん考えて、たくさんたくさん泣いて、また考えて
それでさ、ようやく思いついたんだ

「カズ…よせ…」

「わかったんだ…俺、ようやくわかったんだスネーク…」

「わかった、俺が悪かった…だからカズ、頼むから…!」

アンタを、独り占めする方法
俺がアンタの中に、永遠に住み着く方法

「アンタを独り占めする方法…ようやくわかったんだ。褒めてくれる?スネーク?」

「いくらでも褒めてやる!カズ、愛している!だから…」

俺とザ・ボスが違うから勝てないのなら、俺がザ・ボスと同じになればいいんだ
同じになれば、俺はザ・ボスには負けない
彼女以上にアンタを愛している、アンタも俺を愛してくれる
だから彼女以上になれる、アンタの中に永遠に残れる

アンタの目の前で、俺が…

「死ねばいいんだ…そうだろ?スネーク?」

欲を言えば、彼女と同じようにアンタに殺して欲しいけど、あんたは殺してくれないだろうから
だから俺は、自分で死ぬよ

「カズ!やめろ!!やめてくれ!!」

「バイバイ、スネーク」

必死に手を伸ばすスネークに、最高の笑顔を向けて
とても幸福な気持ちのまま、俺は重力に逆らうのをやめた



笑顔でさようなら















いつかはきちんと書きたいネタ

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