蛇づくし!
俺がまだ若かった頃の話
ある日仕事先に行ったら、扉に倒産のお知らせの紙が貼ってあった
ちなみに、給料日3日前のことだったと記憶している
呆然としながら、とりあえず側にいた同僚たちと軽く話し合った後自宅に戻ってみれば
住んでいたアパートが、ただの消し炭になっていた
たった一日で住む場所も仕事もなくなり、どうしたらいいか途方にくれていると
「それなら、うち来るか?」
長年の友人であるスネークが、俺に救いの手を差し伸べてくれた
「来るかって、アンタ1人じゃ決められないだろ…俺は独りもんだけど、アンタには嫁さんも子どもも…」
「…実はな、嫁が昨日…出て行った…」
「はぁ、出て行った…ってはぁ!?何で!?」
「俺にはもうついていけんそうだ…昨日仕事から帰ったら、机に置手紙と離婚届があって…嫁の荷物が、ごっそりなくなっててな…」
「…すまん、こんな時どういったらいいのか、さすがにわからん…子どもは?」
「あぁ、全員うちにいる…元気だぞ、子どもってのはどこにあんなエネルギーを貯えてるんだろうな…?」
「全員って、嫁さん、子ども連れて行かなかったのか?」
「さすがに3人は育てられんらしい…あの怪獣3人を1人で見るのはできんよな…うん…」
「…大丈夫かスネーク?何か目が虚ろだぞ?」
「お前ほどじゃないさ…」
「いや、アンタも相当なもんだと思うが…」
「お前さえよければぜひうちに来てくれ!家賃もいらないから、子ども達の世話手伝ってくれ…頼む、この通りだ!!」
「い、いや…俺の方こそ、置いてもらえると助かる」
まぁ、そんなやり取りをしたのがまだ若かった頃…正確には十数年前
1年もたたないうちに再就職先も決まり、新たに家を借りられるだけの貯金のめどもたったが
「ぱぱをたおしぇー!」
「しゅねーくきーっく」
「ぱぱかくごしろっ」
「ちょ、ソリッド引っ張るな…いでででリキッド、リキッドやめっ、こ、こらソリダス!!…か、カズっ!」
「ほらほらお前ら、そんなにスネークに引っ付くな〜、俺妬いちゃうぞ〜?」
「ましゅたー!」
「ましゅたーあしょんで!」
「みらー、ほんよんでくれないか?」
「…お前ら、カズとその態度の差は何だ…?」
人並み以上にパワフルな3人の子どもの中に、おっさんを1人放り出して出て行くのも忍びないというか
「ましゅたー、くつちたはけない…」
「ほらソリッド、座って足出して」
「はっ、ぶじゃまだなきょーだい!」
「リキッド、シャツが後ろ前だ」
「カズ…靴下どこだ?」
「そこのたんすの3段目、左の引き出しの右側だ」
「そろいもそろって、こどもだな」
「それ(おもちゃの刀)もって幼稚園にはいけないからな、ソリダス」
むしろ小さな子ども×3+でかい子どもというこいつら4人家族を放っておけなかったというか、俺がいなくなったらこいつらどうするんだろうという不安というほうが正しいか
何だかんだで十数年、この家に厄介になっている
「ただいま、マスター」
靴下がはけなかったソリッドは、無難に何でもこなすスネークそっくりの男前に育ち
「帰ったな兄弟!勝負だ!!」
何かとソリッドに突っかかっていたリキッドは…まぁ、あの頃からそのまま大きくなった感じだが、母親譲りの金髪が綺麗なこれまた男前に育ち
「ミラー、私の本を知らないか?」
おもちゃの刀を手放さなかったソリダスは…もう女王様という言葉がぴったりのマイペースだが、顔立ちが整っているせいかむしろ長所に見えるという綺麗系へと変貌し
「カズ〜、石鹸とってくれ〜」
スネークは年はとりはしたものの、相変わらず精悍な顔つきの男前だ…天然でデカイ子どもなところも相変わらずだが
そんな4人の蛇に囲まれて、俺はそれなりに幸せな日々を送っていた
「…どうとも思っていない相手を、10年以上側に置くと思うか?」
ゆっくりと、だが確実に
「マスター、俺は貴方を母親という目で見たことは一度もない。もちろん、父親としても…家族としてもだ」
俺達の、ある種危ういバランスの上に成り立っていた関係が
「貴様を手に入れようとしているのが、親父や兄弟だけだと思うな」
違うものへと変化していっていることに、俺はまだ気づかないまま
「お前は本当に鈍いなミラー…私たちが、お前をどんな目で見ていたか知らないだろう?」
仮初めの幸せを、家族を
愛しいと、思っていた
…っていう長編…むしろエロゲよくね?
って思っただけ、俺得でしかないですねすみません
きっとソリッドとスネークは難なく落とせるけど、ソリダスは超絶難しいとかそんなんだったらいいよね
フラグ次第でスネークとソリッドとのさんぴぃとか、ソリッド攻めでリキッド+カズ受なプレイとか、S受ソリダスとM受カズの百合プレイとか
うん、俺得だよ何か文句あるか(コラ)
ちっちゃい蛇兄弟が書けたので満足です!
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