愛しい金糸の君へ
人は何のために生きるのか
人はなぜ死を恐れるのだろう
俺が生きる理由はなんなのだろう
壊すしか出来ない両腕
護る事なんか出来ない両腕
血にまみれた両手
死しか与えることの出来ない両手
戦うことしか出来ない存在
何かを奪うことでしか生きられない存在
そんな俺が生きる意味はどこにあるのだろう
死にたくないから生きる
消えたくないから奪う
なら、何故死にたくない？
何故消えたくない？
それすらわからない俺が生きる意味はどこにあるのだろう
世界のために死んだ彼女と同じにはなりたくないから、壊す
利用されるだけ利用されて死んだ彼女を否定したいから、生きる
歌いながら死んでいった彼女に縛られたくなくて、奪う
それしか理由のない俺が生きる意味はどこにあるのだろう
彼女を殺した世界を悪だとみなし、攻撃する
己の正義を貫くために、世界を破壊する
それが地獄に落ちる行為だと知っていても、全てを奪うため戦う
そんな俺が生きる価値などどこにあるのだろう
彼女の歌に罪はないと知っていながら
彼女が真に守りたかったものが何かを理解しながら
全てを壊し奪うことにしか生きる理由を見出せない
俺が世界に存在する理由などどこにあるのだろう
あぁ
でも
彼女と同じ、金糸を持つ君は笑うから
奪うことしか出来ないこの手を取ってその白い手を絡めるから
さぁ共に謡いましょうと誘うから
一緒なら彼女とは違う詩を詠えると
壊すことしか出来ない存在を抱きしめるから
それこそが俺の生きる意味になるのなら
俺が逝かずにいる理由になるのなら
たとえその詩に意味などなくても
君と共に詠おうか
愛しい君と共に生きようか
さぁ、ワルツを踊りませんか愛しい人
崩れかけた、歪んだ世界が織り成す死のダンスホールで
全てを嘲笑う死神が奏でる円舞曲を聞きながら踊りませんか愛しい人
互いに狂い堕ちながら、詠い踊りませんか愛しい人
笑い、愛し、憎み、叫び、妬み、魂が朽ち果てるまで踊りませんか愛しい人
歪んだ世界が崩れ落ちるまで
踊る足を止めるその日まで
トモニイキマセンカ？
愛しい金糸の君よ
実はこういうあまり意味のない小話を書くのが好きです
意味は好きに想像してください
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