アプリな俺とマスターと
「…ボスはまた寝坊か」
俺の朝は、大抵ボスを起こす事から始まる
「ったく…何のために目覚ましをセッティングしてやってると思ってるんだ」
他にも色々やることあるだけどなぁ
俺は仕方なく、作業を一度オートモードにしてボスの部屋を覗いてみる
すると
「…やっぱり」
案の定、映し出されるのは、天下泰平とばかりに眠るボス
その枕元で、目覚ましが虚しく音を立てている
「ボス、朝だ、起きてくれ」
目覚ましをいったん止め、声をかけてみるが
やっぱりというか何と言うか
目を覚ます気配すらない
はぁ…と軽くため息を吐いて
枕元のボリュームを最大に上げ
「起きろぉぉぉ!!!」
力いっぱい、叫んでやった
「ん…む〜…」
さすがにこれにはボスも目が覚めたらしく、寝ぼけ眼を擦りながら体を起こし
俺の姿を見つけて、小さく欠伸をした
「お〜…おはようカズ」
「おはようボス、目が覚めたのならちゃっちゃと顔洗って洗濯物出してくれ、早いうちにやってしまいたいんだ」
「…わかった」
軽く伸びをしているボスの背中を確認して
俺は、オートモードを解除し作業に戻った
ん?俺?
俺の名前はカズヒラ
最新型の、プログラム管理アプリケーションさ
恋する/アプ/リケーションというボカロ曲を聴いてから、ずっと書いてみたいと思ったネタ
データであるアプリが人間のマスターに恋をするという、非常にテラセツナスな曲です
カズ…最新型プログラム管理アプリケーションBy試作版(意志持った超強化版OSみたいなイメージ)
ボス…カズヒラ開発した会社の社長さん、カズ販売(笑)に向けての最終調整中
ロボットなら、触れられる分まだいいじゃないか
俺はアプリ…所詮ただのデータ
触れることすら、できやしない
みたいな話にしたいけど、きっと無理
タイトルは相変わらずやっつけ仕事
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