愛する人と愛しき人・3



「…人のものに愛の告白とは、感心しないな」

意識を飛ばしてしまったカズの身体を綺麗にして服を着せてやり
その額にキスをしてやりながら、俺はいけ好かないガキを軽く睨む
けれど、すっかり服装を整えたガキ…ソリッドは俺の軽い威嚇に小さく笑っていた

「俺が誰を愛そうと、それは俺の自由ですが?」

「まったく、いけ好かないやつだ」

まったく、誰に似たのかというべきか、さすがは俺の息子というべきか
カズに目を付けたところは、見る目が高いと褒めてやってもいいが

「今回は特別に味見させてやったが…忘れるな、カズは俺のものだ」

そう、カズは俺のものなのだ
初めて出会ったその瞬間から、死が2人を別つその時まで
いや、たとえ死んでもその魂は俺のものだ

カズを抱きしめて、その唇にキスを落とせば一瞬ソリッドは顔を歪め

「…今は、でしょう?」

ニヤリと、自信たっぷりに笑って見せた

まったく、このガキは…
鏡を見るようなその顔に苛立ちと僅かな焦りを覚える

放っておけば、この男にカズがほだされてしまうのは目に見えている
非常に面倒見がよく意外と流されやすいところがあるのだ、この愛しい男は

目の前の男なら、そこを的確に突いてくるだろう

なんていったって、俺と同じ遺伝子を持つ息子なのだから

「俺が素直に渡すとでも?」

「渡していただけると嬉しいんですが」

「図に乗るな、ガキが」

「若さゆえの情熱です」

けれど、さすがにまだ若い
しれっと、余裕ぶって受け答えをしているが
心の奥底では、はらわたが煮えくり返っていることを隠しきれていない
その証拠に、その口元は弧を描いているけど、その目は笑っていないのだから
殺気混じりの目で、俺と腕の中のカズを見つめている

そうだろう、悔しいだろう
お前の愛しいカズは、俺の腕の中で安心しきった表情で眠っている

カズは今この瞬間、間違いなく俺を愛しているのだから

「さて、書類は確認しておく…他に用事はあるのか?」

見せ付けるようにカズの髪を撫でながら言ってやれば、ソリッドは悔しそうに顔を顰めた

「…ありません」

「そうか、なら帰れ…見てのとおり、私は忙しい」

「………」

「聞こえなかったのか?ソリッドスネーク…私は忙しい」

「………イエス、ボス」

さっきの余裕ぶったような声とは違う、地を這うような声
チラリと、一瞬カズに視線を向け
ゆっくりとした足取りで扉へと歩き、それを開け

「あぁ…1つだけ」

閉める直前、ソリッドは足を止め

「マスターに、愛していますって伝えてください」

少しだけ笑って、その向こうへ消えた

「…誰が伝えるか」

ソリッドも、それはわかっているだろう
だから、それはきっと俺への宣戦布告
お前のその腕から、カズを必ず奪い取ると

「上等だ、あのクソガキ」

この俺に喧嘩を売るというのなら、喜んで買ってやる

お前が若さゆえの情熱とやらを武器にするというのなら
俺は長年培った技術でもってお前に対抗しようじゃないか

伊達に、カズを20年近く繋ぎとめてはいないさ

「ん…ボスゥ…」

「…愛してるぞ、カズ」

寝言で俺の名前を呼ぶ愛しい恋人にもう一度口付け、耳元で愛を囁いてやる

カズが心変わりをする可能性は、限りなく低いだろう
けれど、ほんの僅かでも可能性があるのなら
俺は全力で、お前を叩き潰してやる

「俺からカズを奪えると思うなよ、クソガキ」

カズの身体も、血肉も、魂も
その全ては俺のものだ
お前になんか渡すものか
たとえ、髪の毛の一本だってお前になんかやらない

愛しい恋人をあのクソガキから護るにはどうすればいいか
眠る愛しい人の髪を撫でながら、俺はひたすらに考え続けた





















なっがいよバカ野郎!!!!!(自分で書いたくせに)
書いても書いても終わんなくて、本気でどうしようかと思ったわ!!!!!

チャットで、ネイカズもソリマスも萌えるよね!って話になって
『もうさんぴぃでいいじゃん』
的なネタで盛り上がって、盛り上がった熱いパトスのまま書き始めたけど
さんぴぃ本気で難しい!!!
こんなに長くする予定じゃなかったのに…
文章量的には半分で終わる予定だったのに…

ソリッドとボスが、カズをねちっこく攻めるから!
ソリッドに突っ込ませるつもりなかったのに、いつの間にか突っ込むから!!

つか、基本エロ書くとむやみに長くなる人間がさんぴぃとか書き始めるから!!!

あれです、あっさりとしてそれでいてドキドキするようなエロを書く人本気で尊敬します

ぶっちゃけ、エロ久々に書いた、さんぴぃ初めて書いた

これからカズをめぐる、激しい親子対決が始まる予感

どうでもいいけど、裏設定ではこの話の舞台は1990年
ソリッドは19歳、マスター43歳、ボスは55歳
10代の青臭いソリッドが書きたかっただけです

1995年の時点でソリッドが新兵だろうとか、マスター子どもいるだろとか
そういった設定は全部吹っ飛ばしてください、所詮はパラレルですから

ヤバイ、書き上げたおかしなテンションで書いてるから後書きも長いや

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