愛する人と愛しき人・2
「あ、あぁ…」
「マスター、気持ちいいですか？」
「カズはこうされるのが好きなんだよな？」
一体、どうしてこうなったのか
ぼんやりとする頭で考える
胸元を見れば、胸の飾りをソリッドが弄り回している
片方は口に含みながら吸われ、もう片方はぐにぐにと指で摘まれる
「マスター、綺麗…可愛い…」
ちゅっと音を立てて胸から顔を上げたソリッドはうっとりと恥ずかしい言葉を呟くと、首筋をカプリと甘噛みする
その間も、手は胸を弄繰り回している
ボスよりも、強い力で弄られ少し痛い
けど、その痛みも今は快感を引き立てるスパイスにしかならない
「ふぅっ…ソリッドォ…」
「マスター…」
ソリッドからの愛撫に集中してると
「カズ、俺を忘れるな」
じゅっと音を立てて性器を吸い上げられた
「あ、あぁっ」
その強烈な快感に、意識が一気に下半身に向く
「カズは先っぽ弄られるの好きだからな…気持ちいいか？」
「あ、あ…！きもちい、ボスッ」
裏筋を舌で押されながら、先端をグリグリと親指で押される
俺の身体を俺以上に知り尽くしたこの男の手は、ピンポイントで的確な快感を俺に与えてくる
あっという間に、高みに昇らされる
イきそうになった瞬間、首筋に軽く痛みが走った
「マスター、俺を忘れないでください。寂しいです」
それと同時に、鼓膜を揺らす甘い声と湿っぽい吐息
痛いくらいに飾りを摘まれ
舌が性器の先端にねっとりと絡みつき
「ふぁ、あぁぁぁっ」
そのすさまじい快感に逆らえず、そのままあっさりとイってしまう
「大丈夫ですか、マスター」
ぐったりと力の抜けた身体を、ソリッドの腕が支える
けど、イった直後で脱力しきっている俺は荒い呼吸で返すしかなかった
「おいおい、コレからが本番だぞカズ…そんなに気持ちよかったのか？」
顔を上げたボスが、チュッと頬にキスをする
とろりと視線をそちらに向ければ、ボスがニヤリといつもの顔で笑っていた
「ボス…気持ちよかった…」
半ば夢見心地に言うと、ボスはさらに笑みを深め
反対側にいるソリッドが、ムッとしたのが伝わってきた
「さて、こっちはどうなってるかな？」
機嫌良さそうにボス微笑むボスの指が、俺の後孔に触れた
先走りで濡れぼそり、快感に震えるそこは何の抵抗もなくそれを飲み込んでいく
「んっ…」
「何だ、何もしてないのにもう柔らかいな」
くにくにと内壁を軽く押されて、背がびくりとしなる
与えられる快楽を、身体は貪欲に追いかける
だから、気がつかなかった
もう1つの手が、後ろに回っていたことに
「うあぁっ」
ぐっと、後孔がいきなり圧迫され、思わず声を上げてしまう
ボスが指が増やしたのかと思ったが、尻肉に添えられる手に増えたものの正体に気づく
「ほんとだ、柔らかい」
ボスの指に添えるように、ソリッドも指を入れてきたのだ
「すごい…暖かくて柔らかいのに、すっごく締め付けてくる」
「もうトロトロだ…お前の身体は本当に淫乱だな」
2人とも、思い思いに指を動かし俺の中を蹂躙していく
ボスの指は知り尽くしたポイントを刺激するように
ソリッドの指はまるで何かを確かめるように丁寧に
「いやぁ…いや、あぁぁっ」
まるで違う動きをする指に、びくびくと魚のように身体が跳ねる
それぞれが、違う種類の快感を身体に伝えて
まるで、頭の中をミキサーか何かで掻き回されてるみたいだ
強烈過ぎる快感は、苦痛にも似ている
首を振ってそれを逃がそうとしても、後から後から沸いてくる快楽にどうしようもなくなる
生理的な涙が頬を伝う
「泣かないでください、マスター…」
その涙をソリッドの舌が拭う
その舌先の熱にすら、欲情を覚えてしまう
「俺が欲しいか？カズ？」
耳の中に舌をねじ込みながら、問いかけてくる
ボスの、低く甘い声が、直接脳に響く水音が俺を追い詰める
答えなんか、決まってる
違う種類の快感を与えられ
ぐちゃぐちゃになった頭と身体では
もう、我慢なんかできるはずがなかった
「ほしいっ…も、焦らさないで…！」
重い腕を伸ばして、ボスの首筋に回して縋り付いた
笑みを深めたボスは、チラリと反対側のソリッドに視線をやる
つられて視線をやれば、ソリッドは少し不服そうな顔をしていた
「酷いなぁマスター…俺はいらないんですか？」
ぱくっと反対側の耳を甘く噛まれ、どこか甘えるように問いかけられる
ソリッドの、少し高い掠れた声に背筋がゾクゾクと震える
「ほしっ…欲しいっ」
片方の手をソリッドへ伸ばし、その頬を撫でて誘う
ふ、と両方から小さく笑う気配がした
「マスターは欲張りですね」
「カズは欲しがりだな…手加減しないからな、覚悟しろよ」
ずるりと、同時に指が抜かれ、後孔が名残惜しげに収縮を繰り返す
2人の体が一度離れ、急に寒くなった両側にふるりと体が震えた
「あぁ…」
「そんなに残念そうな声を出すな…すぐに、もっと気持ちいいものを入れてやる」
くるりと身体をひっくり返されて四つんばいにされ、ボスが上に覆いかぶさってくる
後孔に熱いものが押し当てられて、期待にひくりと喉が鳴る
「は、早くっ…いつもみたいに…」
「今日はほんとに積極的だな…」
物欲しげに腰が揺れるのを止められない
頭の上でボスが愉しげに笑う気配がし
待ち望んだものが、体内に埋められていく
「あ、あ…ふ、ぁ…」
いつもよりゆっくりと、焦らすような挿入は気持ちがいいけど物足りない
きゅうっとソレを締め付けながら腰を擦り付ければ、くくっと喉で笑う音が上から降ってくる
完全に挿れても、ボスは一番気持ちいい場所から少しずれた場所をゆっくりと突いてくる
焦らすように、じっくりとしたソレは、限界の俺の身体をさらにじんわりと高めていく
もっと、もっと欲しい
もっと気持ちよくなりたい
そんな思いで頭が一杯になって
自然と、腰が揺らめいてしまう
「マスター…俺の、舐めてください」
いつの間にか俺の前にいたソリッドが、俺の髪を撫で
目の前に、ソリッドの性器が差し出される
まだ若い、物欲しげに涎を垂らすそれにむしゃぶりついた
「うっ…」
くぐもったような声が、ソリッドの喉から漏れる
ねっとりと先端に舌を絡ませ吸い上げてやれば、腰と性器がびくりと跳ねた
「マスター、すごい…気持ちいいっ」
ぐしゃぐしゃと髪を乱すソリッドを見上げれば、快感に息を荒くし顔を歪めている
その姿はとても淫猥で色っぽい
もっとその顔が見たくて、ソレを限界まで飲み込んで
唇で挟んで締め付けながら、舌を絡ませてやる
そのまま軽く上下してやれば、面白いように腰が跳ねる
ここまで素直に反応されると、正直気分がいい
そのままで、思い切り吸い上げてやる
「あっ…ま、マスターっ！」
切羽詰った余裕のない声と同時に、ドクリと性器が跳ね熱い液体が口内に流れ込んできた
「んんっ」
喉の奥まで流れ込んでくるソレを飲みほし、残った残滓もちゅうっと音を立てて吸い取ってやる
それだけで、また復活の兆しを見せるのは、さすが若いというべきか
「ククッ…早いな、ガキ」
ボスが俺を突き上げながら、ソリッドをからかうように笑う
ソリッドは何も言い返せないのか、悔しそうにボスを睨みつけている
「ボス…も、焦らさないで…」
その間も、ずっと緩やかに突き上げられて
もう、俺もイきたくてしょうがなかった
焦らされ続けた身体は、早く熱を開放したいと疼いている
「何だ、カズも我慢できないのか？」
ニヤニヤと笑っているが、ボスもそろそろ限界のはずだ
「お願い、ボス…イかせて…」
きゅうっと締め付けながら腰を揺らめかせれば、ボスの眉間に僅かに皺がよる
「本当に、カズは俺を煽るのが巧いなっ」
ぐいっとボスは俺の身体を起こし、後ろから抱え込むような体制にすると遠慮なく突き上げ始めた
「あ、あ、あ！」
ゴリゴリと一番いい場所を抉られて、一気に身体が絶頂へと駆け上がる
「マスター…」
「ひ、あぁっ」
ぺろりと、露になった性器をソリッドの舌が舐める
ボスが突き上げているせいで咥えることはできないようだが、ペロペロと先端をしつこく嘗め回す
それだけでも、今の俺にとっては十分すぎる刺激だった
「うあぁっ、やぁ…も、イ、くっ！」
ビクンっと腰が跳ねて、待ち望んでいた開放が訪れる
力の抜けた俺の身体を2･3回突き上げて、ボスも俺の中に欲を放った
「良かったぞ、カズ」
頬にキスをされ、ちゅぽんっと音を立ててボスのソレが抜かれる
その厭らしい音に、ふるりと身体が震えた
ボスが俺の上からどくと同時に、今度はソリッドが覆いかぶさってきた
「次は俺の番ですね、マスター」
「ソリ…ま、て…」
「待てません…マスターが可愛すぎるから…」
言うと同時に、一気にソリッドのモノが体内に押し込まれる
「あぁぁっ」
その急性な挿入に、背中がしなる
さっきまでボスを受け入れていた場所は痛みを訴えることはなかったけど、驚いたようにきゅうきゅうとソレを締め付けた
ソレが気持ちよかったのか、ソリッドが息を詰めたのが伝わる
「さて、俺はここで見学させてもらうぞ」
ボスは腰を下ろし、舐めるように俺たちを見つめている
そんなボスに、ソリッドが小さく笑う気配がした
「もう打ち止めとは、年ですか？」
「バカ言え、お前みたいな見境のないガキじゃないさ…俺はカズの可愛い顔を堪能させてもらうだけだ」
けれど、逆にボスにやり返されて、拗ねたように唸っている
馬鹿だな…お前みたいな若いのがボスに口で勝てるわけないだろ
まだ若いソリッドが急に可愛らしく思えて、くすりと笑みを漏らしてしまった
「何で笑うんですか、マスター」
けれど、ぐいっと腰を動かされ笑うどころではなくなる
「あっ…」
「ねぇ、マスターの気持ちいいとこ教えてください」
ここですか？それともここ？
優しい声で、ゆるゆるといろんな場所を突き上げるもどかしいその動き
自分から、気持ちのいい場所に当てようと腰を揺らす
「ふぁっ…そ、こ」
「ここがいいんですか？マスター」
「あぁぁっ、そこ、い…っ」
小さく、ソリッドが笑う気配がして
そこばかりを、重点的に突きだす
時折、その場所からずれてしまうが
それもまた、たまらない快感となって俺を襲う
「あ、ん…んんっ」
「マスター…顔が見たいです」
不意に緩やかな動きが止まり、ソリッドが小さく呟く
俺が何かを言う前に、腕が身体に回されたと思ったら
「やぁっ」
くるりと、身体をひっくり返された
な、なんて腕力…
これも、若さ故なんだろうか…
「マスター…可愛い…」
ソリッドは愛しげに目を細め、俺の髪を緩やかに撫でる
こんなおっさんが可愛いなんて、ソリッドは少し変わっている
俺からすれば、お前のほうがよっぽど可愛いのに
俺のそんな気も知らず、ソリッドは満足げに笑って再び動き始めた
「ふぁ、あぁ、あっ」
最初は緩やかだった動きが、だんだんと激しくなっていく
「あ、あぁっ」
「マスター…マスター…」
目を瞑り眉を寄せるソリッドは、今は完全に自分の快楽を追っている
まるで、唇から食べられてしまいそうなほど荒々しいキスをされ
うわ言のように名前を呼ばれる
けれど、不思議と不快には感じない
むしろ、それが心地いい
噛み付くようなキスも
荒々しい突き上げも
快楽に掠れた声も
全て、俺をどうしようもなく欲しがっているんだと強く実感させて
俺に溺れているんだと示していて
愛しいとすら、思った
「やぁっ…ソリ、も…」
「俺も、もう…」
激しくなる突き上げに、ついてくのが精一杯で、必死にしがみ付く
ソリッドも、俺をしっかりと抱きしめている
「くっ…マスター！」
ぐっと深く突き上げられ
体内に、ソリッドの欲が注ぎ込まれるのを感じ
それと同時に、俺も熱を放った
好きです、マスター
意識が飛ぶ瞬間
ソリッドが、そう呟いた気がした
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