Oh My Girl!


(この世界に、まだサムライなんていうものがいたのか)

とある戦場でであった、1人の男
普段なら捨て置くようなその存在に、強く惹かれた
その男の真っ直ぐな目に、真っ直ぐな言葉に
俺は感動すら覚えた
こいつを死なせるのは惜しいと思った



それが、全ての始まり



「おっと…」

ぐらり、と力を失った体を慌てて支えた
無理もない
打撲、切り傷、擦り傷、火傷
体中傷だらけで、野戦服もボロボロで血に染まっている

今まで意識を保っていられたのが不思議なくらいだ

「さすがは、サムライの生き残りだ」

コイツを、助けなければ
こんなに真っ直ぐで誇り高い…それをかなぐり捨ててまで俺を殺そうとするほどの覚悟を持てる男を、このまま死なせてなるものか

とはいえ、キャンプまでは少し距離がある
それに、ここに駐留していたコイツの部隊を壊滅させたとはいえ、まだ他の敵がいないとは限らない
意識のないコイツをキャンプまで運ぶには、敵兵のクリアリングが不可欠だ
だが、コイツは傷も深く出血もそこそこある
一刻も早く手当てしなければ体力も奪われるし、感染症も心配だ

「応急手当だけでもしておかなければな…お前たちは敵兵の捜索にあたれ」

「は、ボス!」

後ろに控えていた兵達に敵兵捜索を命じ、俺は男の野戦服の前を開け
腰のパックから応急手当セットを取り出そうとし…気がついた

「…ん?」

男の胸から腹にかけて、すでに何か巻かれている

「包帯、か?」

怪我でもしていたのだろうか
なら、その傷が悪化している可能性もある
一応、解いてみたほうがいいだろう

そう思い、男を背後から抱き抱え包帯を解き始めたが…

「何だ、これは?」

やけに、長い
しかも包帯にしては太すぎるし、何より頑丈そうなしっかりした布だ
包帯がなく服でも千切ったのだろうか
いや、それにしては布の端がきっちりとしてる
オマケに、わざわざ布を2つ折りにして使っている

「それに、おかしな巻き方だな」

やけにきつく巻かれている
こんなにきつく巻いたら息苦しいだろうに
まるで、何かを隠すみたいな…

「………は?」

はらり、と全ての布が解かれた瞬間
パサリと音を立て、腹からタオルの塊が落ち

豊満な、胸が現れた

え、と…
俺は、夢でも見ているのか?
男だと思っていた奴から、胸…
しかも、なかなか立派な胸だ
色も白くて形もいいし、乳首は綺麗なピンク色
素晴らしい…

呆然とする思考で、柔らかそうな白い胸を眺め

とりあえず、揉んでみた

見た目どおり柔らかくて弾力があり、肌が手に吸い付いてくる
まさに、極上の揉み心地

「ん…」

男…いや、女か
彼女の口から小さく声が漏れた

背が高くがっしりしているが、よく見ればタオルのない腰はやはり細いし手足も男に比べすらりとしている
色は白いし、顔を見れば長い睫が目に入る
ぽってりとした唇の形もよく、薄く開いていて吐息が漏れる

うむ…これは…なかなか…
性欲を持てあま…

「ボス!もうこのあたりに敵兵はいないようです!」

「うおぉぉ!!!?」

「ボ、ボス!!どうかしましたか!?まさか敵襲!!?」

「い、いや、何でもない!何でもないんだ!!」

彼女に本気で見とれていたせいで、帰ってきたお前の声に本気でびびった…なんて言えない

「はぁ…その男、大丈夫そうですか?」

兵士は不思議そうに俺を眺めた後、ふと腕に抱えたままの彼女を覗き込もうとした

「だ、大丈夫!命に別状はなさそうだ!」

その瞬間、まだあらわだった彼女の豊満な胸を脱がした野戦服で隠し、ぐるりと体を反転させて抱きしめた
我ながら、神業的速さだ
体を密着させたせいで、素晴らしい感触が胸板に伝わって
思わずいろんなところが元気になってしまいそうになったことを除けば完璧だ

「ならよかったです」

兵士はほっとしたように息を吐き出した
完璧な隠蔽のおかげで、こいつが女だということに気づかなかったようだ

「そいつ運ぶの手伝いましょうか?キャンプまで連れて帰るんですよね?」

「いや、いい!俺1人で運ぼう!」

「はぁ、しかし…気を失った男を運ぶのは大変でしょう?」

「大丈夫だ、俺だって人1人位運べるさ!」

それに、コイツ女だしな
なんて、言えはしないけど

「ただいま帰り…どうしました、ボス?そいつの怪我酷いんですか?」

「俺、担架取ってきましょうか?」

「医療班連れてきたほうがいいんじゃないか?」

最初に帰ってきた兵士をあしらうのに手間取っていたせいか、ぞろぞろと他の兵士達も集まってきた

これは、まずい
非常にまずい

戦場での男女比なんて、圧倒的に男が多いに決まっている
要するに、慢性的に女に飢えているのだ、俺を含め
そんな中、これほど色っぽい女が意識もなく、飢えた男の群れの中に放り出されれば…

「大丈夫だ!俺がつれて帰る!!」

それだけは避けねば、何としても!!

妙な使命感に似た気持ちを抱え、俺は彼女を背を上に向けたまま肩に担ぎ上げ

「俺は先に戻る!お前たちはこのあたりを調べて後で俺に報告しろ!」

そう兵士達に告げ、全速力でキャンプに向かって走り出した

「うおぉぉぉぉ!!!」

背中に当たる、幸せな感触に集中してしまわないよう
力いっぱい叫びながら












チャットにお邪魔して盛り上がったにょたカズ
盛り上がりついでにコッソリ書いてみた
裸蛇が当初の予想の5割り増しでシモくなりました
仕方ない、カズはセクシーだから(何)
つかボス、カズの運び方乱暴だなおい


ひっそりと続いていくかもしれない

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