My Little Lover2



「おいスネーク」

5時間目が終わって、6時間目との僅かな休み時間
俺はヒクつく笑みを抑えきれないまま、ボーっと外を眺めている幼馴染…スネークに声をかけた

「どうしたキャンベル、女子に呼び出されてたんじゃなかったのか?」

「あぁ、呼び出されてたさ」

きょとんとするスネークに、出来るだけの満面の笑みを浮かべてやり
その机の上に、さっき女子から預かったラブレターを叩きつけてやった

「何だこれは?」

「ラブレターだ、お前宛のな!」

「まさか、さっきそれで呼び出されてたのか」

ニヤニヤとからかうように笑う幼馴染に、本気でムカついてくる
一発殴ってやろうかと思ったが、ここで殴れば確実に俺が悪者になるので、ため息だけついて我慢する

この幼馴染は、ムカつくことに非常にモテる
男らしい精悍な顔つきにがっしりとした体
一見すると無愛想で気難しそうにも見えるが、話してみれば結構気さくでいい奴だ
冗談も好きだし、優しいし、リーダーシップが取れる奴なので、常に人の輪の中心にいるような奴
少々天然なところもあるが、女にはそれもまたたまらない魅力として映るらしい

おまけに運動神経抜群で、天然だが頭は悪くない

俺とは違って、まさに天に二物どころか三物も四物も与えられたような男だ

今も、はぁ…とため息を吐き、物憂げに外を眺める姿は、男の俺から見ても悔しいくらいかっこいい


「なぁキャンベル…」

「何だスネーク、ラブレターは鞄のポケット入れといたぞ」

「カズは、どうしてあんなに可愛いんだろうな」

「…両親が、美形だからじゃないか?」

「カズ、今頃何をやってるんだろうな…」

これさえなければ

こいつのいうカズヒラ…スネークいわく、将来を誓い合った恋人…は、現在元気に保育所に通う4歳児だ
ちなみに、スネークの家の隣に住んでいる

4歳児に本気で惚れこみ、脳みそのキャパシティの半分…いや、ほぼ全てをカズヒラに使うこの男
別にショタコンではなく、大真面目にカズヒラに惚れているのだから違う意味でタチが悪い
カズヒラに惚れたとき、頭のネジをうっかり3本くらい吹っ飛ばしたんじゃないかと思っている

そもそも、俺達がカズヒラと出会ったのは
スネークの家の隣にある夫婦…カズヒラの両親が引っ越してきた日だ

長いこと空き家だったその家に、サムライの国日本からやってきた夫婦が引っ越してきたと聞いて
興味津々だった俺達はこっそりと除きに行った

そんなはた迷惑なガキ2匹を、その家に越してきた日本人…カズヒラの母親はにこやかに笑って招き入れてくれた

『私の息子なの、仲良くしてあげてもらえるかしら?』

そう言って笑いながら、腕に抱いた
当時生後約2ヶ月のカズヒラを見せてくれた

『うわぁ!可愛い!ちっちぇ!!』

『………』

当時12歳だった俺達…主に俺は、ふわふわの服に包まれてクリクリの目でこちらを見つめる可愛い赤ん坊に、興奮してデカイ声を出してしまい

『ふぇ…ふにゃぁぁぁぁぁっ』

声にビビったカズヒラは、まるで猫みたいな声で鳴き始めた

『わっ…ご、ごめんっ』

『あらあら、怖くないわよ〜カズヒラ。お兄ちゃん達ですよ〜』

『ふにゃぁぁぁっ』

そんなカズヒラに慌てる俺とは裏腹に
スネークは、真っ直ぐにカズヒラを見つめ

何を思ったのか、その頬を指でぷにっとつついた

『ふぇ…』

その指に驚いたのか、カズヒラはピタリと泣き止んで
その指の先にいるスネークをじぃっと見つめ

『あ〜…』

指をきゅうっと握り締め、ニコリと笑った

『あら、カズヒラったらご機嫌ねぇ』

『あ〜、う〜』

スネークの指を握り締め、機嫌が良さそうに笑うカズヒラを

『あー、いいなぁスネーク!』

『………』

スネークは、やっぱり無言でじぃっと見つめていた

『赤ちゃん、カズヒラ…だっけ?可愛かったな!弟あんなに可愛かったっけ〜?』

そして帰り道、そう興奮気味に喋る俺に

『キャンベル…俺、将来カズヒラと結婚する』

スネークは、ものすごく真剣な表情でそう言った

最初は、冗談だと思ったが
3ヶ月もたつ頃には

『カズ、将来お前は俺と結婚するんだぞ?』

『あ〜』

『なぁスネーク…カズヒラまだ5ヶ月だぞ…?』

それが、大マジであることがイヤでもわかった

それ以来、カズヒラを溺愛し、洗脳…いやいや、たっぷりと愛を囁いて
4年間ほぼ毎日あの手この手でカズヒラの気を引き甘やかし、せっせとカズヒラに近づく害虫(スネーク談)を蹴散らし続けている
その献身的とも言える姿は、見てるこっちが泣きたくなる位だ
いろんな意味で

「そうだな、今頃お昼寝の時間じゃないか?」

まぁ、俺は人の性癖に口を出す趣味はない
スネークが本気で惚れているというのなら、まぁそれもいいんじゃないか?
カズヒラのことを考えている幼馴染は、実に幸せそうだし
カズヒラも、今んとこスネークのこと大好きだし

2人が幸せなら、今はそれでいいんじゃないかね

「お昼寝かぁ…カズの寝顔は天使みたいに可愛いからな…いや、存在自体が天使だが」

「へいへい、そうだな、カズヒラはあんたの天使だな」

「今度新しいデジカメ買うか…防水機能とかついてるやつとか」

この幼馴染が、犯罪者にならない程度なら

ただでさえ、カズヒラを恋人というのは犯罪の臭いがするのに
カズヒラに関しては頭のネジ3本くらい吹っ飛んでる幼馴染は、ほっといたらあっという間に犯罪者の域に到達しそうで怖い

「待てスネーク、防水機能とかどうする気だ?」

「海とか川とか、そういった場所でも撮れるだろう?」

「それなら別に防水いらんだろ…」

おかげでこの4年間、俺は何度となくこいつの発言に頭を悩ませている
多少過剰反応気味になってしまうのは許して欲しいところだ

「そういや、もうカードのメモリーも残ってなかったな…キャンベル、今日放課後買い物付き合え」

「またかよ…今年何本目だ?」

「ん?1…2…3…」

「よし、俺が悪かった。だからもう数えなくていい」

スネークとは違うが
俺もカズヒラを可愛いと思ってるし愛している

「そうか?アルバムも欲しいなぁ…写真がたくさん貼れるやつが」

「またかよ、今年何冊…いや、数えなくていいからな」

それに、何だかんだで
完璧っぽいのにアホでカズヒラ命なこの幼馴染も好きなのだ

まぁ、俺には未来のことなんざわからんが
俺の大切な2人が幸せだったらいいなと思う

「まずカズ迎えに行ってから、今日は買い物デートだな」

「…それ、俺いらなくないか?帰っていいか?」

「?お前が来ないと意味ないだろ?」

そのためにも、この幼馴染が犯罪に走らないように俺がしっかり見張っといてやらないとな
あ〜あ、もう俺ってばホントいい奴!

「どういう意味だそりゃ…」

「2人でカズの手握っとかないと、あいつすぐいなくなるだろ?」

「まぁな…目を離すとすぐ消えるからなカズヒラは」

「後荷物持ちがいないとカズの手握ってられないだろ?」

「自分で持てよ」

「片手じゃ持ちきれん」

「どれだけ買う気だスネーク…」

その道は、限りなく険しく遠そうだが…
頑張れ、俺
















書いてる本人だけが楽しい、カズヒラショタ話
この話はギャグですから、生暖かい目で見守ってやってください

今回は、スネークとカズの出会いinロイ語りでした
子どもの頃のカズはさぞ可愛かったんだろうから
赤ん坊なカズはそりゃもう可愛かったんだろうなぁという妄想から生まれました

指を握られた瞬間、スネークは恋に落ちましたとも
まさに、運命のごとく

いかにスネークがカズに運命感じたかという話書けば、スネークの犯罪臭も薄れるかな?というコンセプトのこの話
スネーク語りだと変態にしかならないだろうから、ロイ視点で書いたら
余計に変態臭が増しましたorz

あれです、ギャグなんです
この話ギャグなんです…それで許してください…

管理人がロイロイ大好きなんで、このシリーズはロイロイがいっぱい出てくると思います
許してください…ネイカズ書きだと、滅多にロイロイ書けないんです
その反動が目一杯出ます

次はちゃんとしたショタっこカズを出します

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