My Little Lover



学校からの帰り道にある、小さいがこじゃれた喫茶店
俺の恋人お気に入りのその場所で、俺達は一緒にケーキを食べている
いわゆる、放課後デートというやつだ

「美味いか?カズ」

目の前のケーキを夢中になって食べる恋人…カズにそう尋ねれば、まるで天使のような笑顔が返ってくる

「俺にも一口くれるか?」

その笑顔に、俺も緩む頬を抑えきれず、カズの前で口を開ければ
可愛い恋人は、ニコニコと笑いながら俺にケーキを差し出してくれる

「…うん、うまい」

正直、甘いものはあまり好きじゃないが
カズがこうして食べさせてくれるケーキは、世界で一番うまいもののように思える
俺がうまいといったのが嬉しいのか、カズは機嫌が良さそうに笑う

柔らかな金髪、飴玉みたいな蒼い瞳、ふっくらとした雪のように白い肌、ぷっくりと赤い唇
それらが完璧な位置に配置され、まるで人形のように愛らしい顔立ちをしている俺の恋人
これで男なのだから、神様というのはよほど気まぐれなものらしい

俺達は、まだ子どもといえる年齢だけど
それでも、俺はカズを愛していると声を大にして言える
俺達の恋に障害が多いことは、まだ子どもの俺でも理解している
けれど俺は、カズと初めて出会ったときからずっとこいつを愛している
そんな障害があっても、こいつを放してやるつもりはない

大人になったら、どんな障壁があろうとも
カズと生涯を共にするという誓い
つまりは、結婚をしようと本気で思っている
というか、絶対する

「カズ、俺とケーキどっちが好きだ?」

ふと思いついて、ケーキに夢中なカズにそう聞いてみる
カズはクリームを口元につけたまま、一瞬きょとんとした表情で俺を見て
照れたように笑いながら俺の名前を口にする
そのあまりの愛らしさに、俺は口元のクリームを拭ってやろうと顔を近づけ…

「は〜いお客様〜、当店での犯罪行為は禁止されてやがりますので〜、そのような行為はお控えしやがってくださいませ〜むしろやめやがれ」

…た瞬間、テーブルに水の入ったグラスが勢いよく置かれ
本気で呆れたような、幼馴染の声が上から降ってきた

「キャンベル…俺が何をした?というか、恋人同士の甘い語らいを邪魔するんじゃない」

声のした方を見れば、口元をヒクヒクとさせたくすんだ金髪の、幼馴染でありこの店でウエイターのバイトをしているロイ・キャンベルが立っていた

「いや、俺だってあんたが連れているのが可愛い女の子なら邪魔しないさ」

「男同士だからと犯罪者扱いするのか?この店は」

そう、真剣に言い返してやれば、キャンベルは呆れたようにため息をついた

「いや、男同士でも俺はどうこう言わんさ。人の性癖には口出さん趣味なんでね…ほらカズヒラ、口元クリームついてる」

呆れた表情のままキャンベルはポケットからハンカチを取り出して、カズの口元についていたクリームを拭った
…それは、俺が拭ってやろうと思ってたのに

天使の笑顔でキャンベルに礼を言うカズを可愛いと思いつつ
一瞬、まさかコイツもカズを狙っているのかと考えてしまう

「そんなおっそろしい表情しなさんな…別にカズヒラとりゃしねぇっつの」

けど、無駄に付き合いの長い幼馴染は、盛大にため息をついて俺の考えを否定した

「いくら可愛い子が好きな俺も、いくらなんでもその年頃は対象外だ」

そう、呆れと理解できないものを見る感情が交じり合った目で、キャンベルは俺の膝に座る
年の差、12歳の可愛い恋人を指差した

「ロイおにーちゃん、ケーキおいしーよ!」

「そうかそうか、そりゃよかった」

「おいキャンベル、俺達の何が犯罪だって言うんだ?」

ケーキを食べてご機嫌なカズの髪を、わしわしと撫でるキャンベルに続きを促す
一体、俺達の何が犯罪だと言うんだ
愛し合ってる恋人同士だというのに

「その年齢差だ年齢差。カズヒラはまだ4歳だっつの」

「愛に年齢差は関係ない」

「その意見には同意するが、さすがに16歳で12歳年下を恋人って言うのはどうなんだ」

「カズは大きくなったら、俺と結婚するんだよな?」

「うん!おれ、おおきくなったら、すねーくとけっこんする!」

ニッコリと無邪気に笑いながら、純粋な瞳でそう言ってくれる恋人にクラクラする
あ〜何でこの国の法律は18歳にならなければ結婚できないんだ
愛し合っていれば、たとえ4歳でも結婚したっていいじゃないか

「ほら、俺達は将来結婚する。何か問題があるか?」

「色々と山積みだが…とりあえずお前のその思考回路が一番問題だと俺は思うがね」

そんな俺を、キャンベルは理解できないものを見る目で見て

「カズヒラ…お前、大変な奴に好かれちまったなぁ」

そう、心底同情したような声でカズの頭を撫でた

















賢者タイム発動につき、萌えがおかしな方向へ行った産物
別名・スネーク&管理人の暴走
時折ショタ書きたい病が顔を出します

あれです、小さい頃のカズはさぞ可愛かろうという妄想が働き
気がついたら、スネークが真性の変態と化す事態
変態なのはスネークではありません、管理人です

書いた本人は、大好きなロイロイとちっちゃいカズが書けたので満足です
読者様置いてきぼりですみませんです…

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