セクハラとお仕置きと・2



「んっ…」

カズの喉が小さく動くのを見てから、ゆっくりと腰を引く
僅かに白いものが混じった唾液が糸を引き、カズの口からずるりとソレが抜け去る
むせてないところをみると、全部飲み込んだのだろう
呼吸が楽になったのか、カズは大きく息を吐き出し、コレで満足か?とでも言いたげに俺を睨み付けている
だが、袖口で口元を拭うカズの瞳に、迫力はない
むしろ、誘うような甘さがある
ぞくり、とその瞳に腹の奥が疼く

「中々よかったぞ、さすが凄いというだけはあるな」

からかうように頭を撫でてやれば、その瞳が少しだけ困ったように揺れ、さらに甘さを帯びる
その目も、計算なのだろうか
それとも、本当に天然なのか
計算ならたいしたものだし、天然なら罪作りにもほどがある
そんな甘い目で見られて、抗える男などそうはいないだろう
そうやって、一体何人の男を虜にし、自分を甘やかせてきたのだろうか

「どれ、今度はお前を気持ちよくしてやろう」

ようやく呼吸の整ってきたカズをその場に押し倒し、その上に乗り上げる
驚いたようにカズの目が丸くなり、一拍遅れて状況を理解したのかカズが抵抗を始めた

「ちょ、待てって!」

「どうした?ベットインしようと言ったのはお前じゃないか」

「そうだけどっ」

俺を見上げるカズの目は、戸惑いと困惑に満ちている
まるで許しを請うような瞳に、ニヤリと笑い返してやる
冗談だったと、もうしないと言えばちゃんとやめてやるし、こちらも悪かったと謝ってやってもいい
そう思いながら、カズが逃げられないようにしっかりとその体をベットへと縫いとめる

「何を今更怖気づいている?誘ってきたのはお前だろう?」

「そう、だけど…っ」

けれど、カズは多少の抵抗は見せるものの、謝る様子はまるでない
抵抗といっても、カズは本気では暴れていない
カズが本気で暴れれば、いくら俺でも押さえつけるのは骨が折れる
それなのに、俺がほんの少し力を入れるだけで、その体は簡単にベットへと沈む
しかもその瞳は困惑しながら揺れ、甘く潤んでいる
まるで、続きをしてくれといわんばかりの態度
試しにカズの下肢へと手をやれば、すでにソコはズボンを押し上げて主張し始めていた

「あっ…」

「何だ、お前ももうこんなにしてるじゃないか」

からかい混じりにそう問いかければ、カズの頬がかぁっと赤く染まり、恥ずかしげに顔がそらされる
まるで差し出されるように露わになった首筋に舌を這わせると、ふるりとカズの体が小さく震えた

「俺のを舐めて感じたのか?」

柔らかくその場所を揉んでやると、みるみるうちにソコが硬くなっていく
ちらりとカズの表情を伺えば、声を出すまいとしているのか口を押さえてぎゅうっと目を閉じている
匂い立つような色香を放つその表情に、ぞわりと腹の奥が熱くなる

「そろそろ苦しいだろう?楽にしてやろう」

カズの体を押さえている手を離し、ズボンのベルトを外しにかかる
カズはもう抵抗しようとはしない
ただ体を震わせて、俺にされるがままになっている
下着ごとズボンを抜き取ると、ふるりと先走りで濡れた性器が露わになる

「んっ…」

刺激を求めて震えるソレを握り込めば、カズの口からくぐもった声が漏れる
ゆっくりとしごくと、濡れた音と共に抑えきれない欲に濡れた声が耳を擽る

「ふっ…んぅ、う、ん…」

「気持ちいいんだろう?素直に声出せ」

耳を舐りながら吐息を流しこむと、カズはふるりと体を震わせながらいやいやと首を振る
その素直じゃない様に、お仕置きだといわんばかりに先端を軽く引っかいてやると、くぐもった高い声が指の隙間から漏れだした

「はぅ…んぁ、ん…ふぅっ」

絶頂が近いのだろう、とろとろと先走りを零すソレが震えだす
それを見計らって刺激するのを止めて手を離せば、カズがゆっくりと閉じていた目を開け、どうして?と物足りなさそうな目でコチラを見る
その目に小さく笑い返し、先走りがたっぷりと絡んだ指を後ろへとやりソコに触れる

「やっ…ソコはっ」

瞬間、カズの体がビクリと跳ね上がり、反射的に口を押さえていた手で俺の腕を掴んできた

「ベットインするんだろう?まさかこれで終わりとか思ってるんじゃないだろうな」

後ろにやった指でソコを軽く刺激するように揉みこむと、蒼い瞳が困惑しきったように揺れ、縋るように俺を映す
それに構わず揉む力を少し強めれば、とろりとその目がほんの僅か蕩けたように見えた

「それとも何か?お前俺を抱く気だったのか?そりゃ残念だったな、俺は抱かれる趣味はなくてな」

揉み込み続けていると少し緩んだのか、ヒクリと僅かに蠢いて指先を飲み込もうとし始める
カズが吐くタイミングを見計らって押し込むと、引きつりながらもずるりと指先を飲み込んだ

「あぅっ」

そのままぐっと押し込むと、まるで飲み込むようにソコは指を受け入れる
ピクピクと震える中は、酷く熱く感じる
そのまま動かすと、カズの体がビクビクと震えだす

「あ、あぁ…や、スネーク…」

「気持ちいいか?」

内壁を軽く押してやると、カズの口から欲に濡れた声が漏れる
動かしているうちに慣れてきたのか、だんだんと甘く指を締め付けてくる
思い切って指を増やすと、一瞬カズが息を詰めたもののあまり抵抗を感じることなく飲み込んだ

「んぁ、あぅ…ん、や、ぁ…」

指を動かすたび、くちくちと小さな水音が響く
おそらく、カズにも聞こえているのだろう
恥ずかしそうに目を伏せているものの、それでも気持ち良さそうに息を漏らしている
くいっと指先を軽く曲げると、白い足が突っ張り喉の奥から引きつったような声が聞こえてきた

「ひぁ、あ、やぁ…すねー、くっ」

甘く濡れた瞳が、まるでねだるように俺を見つめてくる
その瞳の甘さに、ズクズクと腹の奥が疼く
疼きに任せるまま、指を抜き取ってカズの腰を抱え、先端を先ほどまで指で嬲っていた場所に押し当てる
その瞬間、カズの目がどこか泣きそうに歪んだ

「ま、待ってスネーク…」

力の入っていない手が俺の肩を押し、震える声がまるで懇願するような色を帯びている
だが歪んだ瞳も、桜色に染まる体も、ヒクヒクと震え先端を飲み込もうとするソコも
全てが、色香を放って俺を誘っている

「誘ったのは、お前だ」

耳元でそう宣言してから、腰を押し付けた

「あ、あぁぁっ」

やはり指と比べると圧倒的に質量が違いすぎるせいか、カズが大きく目を見開き全身を強張らせる
キツく締め付けられ、痛みに自然と眉が寄る
このままでは、先には進めない
ブルブルと小さく震える体を抱きしめ、ゆっくりと撫でてやると少し落ち着いたのか、カズが大きく息を吐いた

「いい子だカズ、そのまま大きく息をしろ」

額や頬にキスを落としながらそう言えば、カズは俺を見た後目を伏せて、素直に大きく呼吸をし始めた
呼吸に合わせて腰を押し進めれば、多少の抵抗はあるがずるずると飲み込んでいく

「あ、はぁ…あ、あ…」

「くっ…全部、入ったぞ」

どうにか全部納めて、額に張り付いた髪を払いながらそう言えば
カズはゆっくりと俺をその瞳に映し
ふにゃりと、小さく笑った

その素直で綺麗な、でも妖艶とも言える笑みに
一気に腹が熱くなり、ずんっと重くなった

「あ、ぁっ」

欲情に任せるまま突き上げれば、ビクリとカズの背が反り足がシーツを撫ぜる
とても狭いのに、包み込むように甘く絡み付いてくる中は気持ちがいい
夢中で腰を動かすと、縋りつくようにカズの腕が俺の背に回る
体を密着させるように俺もカズの背に腕を回せば、カズの腕に力がこもり、どこか嬉しそうに声を上げる
腹に性器が擦れて気持ちがいいのか、自分からもグイグイと腰を押し付けてくる
その痴態に、ゾクリと背筋が震える

「くぅっ…カズ…」

「ひぁ、あぁっ…だめ、だめ、すねーくっ」

さらにカズの甘い声と、結合部から響くぐちぐちという水音
聴覚からも煽られて、一気に腰が重くなる
たまらずに腰を揺らす速度を速めれば、たまらないといわんばかりに、カズの口から聞いたことないほど高い声が漏れる

こいつ、こんな声も出せるのか
快感に支配された頭の隅で、そんなことを思う
2年近い付き合いだが、今までこんな声が出せるなんて知らなかった

「あ、だめ、だめぇ…」

「ダメという割には気持ちよさそうじゃないか。何がダメなんだ?」

「あぁ、ぁ…だめ、ね…ぁ、だめ…」

だめ、だめと繰り返しながら、腰を押し付け、もっとと言わんばかりに俺の背に回す腕に力を込める
普段のカズからは想像もできない、淫らな姿

普段の、明るくて皮肉と冗談が好きなカズ
今まで知らなかった、俺の下で快感に溺れて喘ぐカズ
その、凄まじいまでのギャップ
それに、まるで優越感にも似た感情と、この姿を知っているであろう誰かに言いようのない感情が湧き上がる
それを誤魔化すように強く腰を打ち付ければ

「あぅっ…あ、だめっ…だめ、あぁぁぁっ」

ビクビクと腰を震わせ、甘い悲鳴を上げながら勢いよく白濁を放った

「くっ…うぁっ」

その瞬間の締め付けに耐え切れず、俺もカズの中へ欲を放った






「あ〜…カズ、すまなかった」

「…別に、アンタが謝ることじゃない」

互いに絶頂を迎え、冷静になってから10分ほど
何度となく繰り返したやり取りに、カズに気付かれないようにため息を吐いた
カズの声は、どこか不貞腐れたようなものだが、その顔は見えない
全身シーツに包まって、まるでダンゴムシか何かのように丸まっているからだ

『あ〜え〜っと…カズ?』

『………』

絶頂の余韻から回復したカズは、俺の方を泣きそうな目で見た後
俺に謝る暇も与えずに、シーツに包まって全身を隠してしまった
おそらくまだ腰が上手く立たないカズなりの逃避行動なのだろうが…正直、それで困っている

いくらなんでも、やりすぎた
最初に口でしろと言ったとき、不安げに俺を見るカズに
冗談だ、これでわかったろ、大人をからかうもんじゃない
そういって開放してやるのが、本当の大人の対応というものだ
俺がした行為は教育でも何でもない、ただの苛立ちの解消だった
苛立ちに任せて、カズの言葉の揚げ足を取りをして好き放題しただけだ
カズのセクハラが、カズなりのコミュニケーションだということはわかっていたのに

だから、顔を見てちゃんと謝りたい
殴られても怒られてもかまわないし、カズが俺を許さないのならそれも仕方ないと思う
それでもきちんと謝りたいのだが…肝心のカズが顔を出そうとしない
隠れたまま

『アンタが謝ることじゃない』

の一点張りだ
しかも誤魔化そうとしているらしいが、不貞腐れたような声は震えているし、時折鼻を啜る音が聞こえてくる
よく見れば、シーツ自体もプルプルと小さく震えている
プライドが高いカズのことだ、泣いている顔なんか見られたくないのかもしれない
だが、落ち着くまで1人にさせてやろうにも、ここは俺の私室だ
一度出て行ってもいつかはここに帰ってこなければならないし、もうとっくに就寝時間は過ぎている
こんな時間にマザーベースをうろついているところを見回りの兵士に見つかれば、理由を聞かれ部屋まで強制連行されかねない
万が一こんな状態のカズを見られたら…俺はともかく、カズは物凄くプライドが傷つくだろう

さて、どうすればいいのやら
全く、わからない

「…本当に、すまなかった」

「だから、アンタが謝ることじゃない。誘ったのは俺だ」

「それでも、お前に酷いことをした…すまなかった」

「…アンタが、謝ることじゃない」

いくら考えてもいい案など全く思いつかず、結局空が白み始めカズが疲れて眠るまで、このやり取りは続いたのだった
























何かもうワンパターンですみません…普通の状態でスネークを完全に鬼畜にする勇気がありません(土下座)
うちのスネークはスイッチはいると性格が変わると思ってください
冷静になればやりすぎたって謝るって…あれ?けっこうダメな人?
ほんとはもっとダメカズにしようかと思い忘れ、途中で思い出しダメカズにしたところわけがわからなくなりました

続きの構想はあります…構想だけですが(コラ)

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