豆と節分と恵方巻・1



「まったく…豆は年の数だけって言っただろ?」

「すまん、カズ…美味かったものだから、つい、な」

豆まきも終わったマザーベースの廊下に、2人の男の話し声が響く
1人はカズヒラ・ミラー、もう1人はスネーク

スネークが、ミラーの分の豆も食べてしまったのだ
もちろん、ミラーは食いしん坊のスネークがあの量で満足するとは思っていなかった
なので、予めスネークの分の豆は避け、これがアンタの分だと渡してあった
だがそれをほぼ一口で食べ終えたスネークは、隙を見てミラーの分を何の躊躇もなく食べた
当然ミラーは怒り、他の隊員たちから分けてもらったりしたが、彼の年の数には5個ほど足りなかった
別に5個ぐらいどうってことないじゃないか、とスネークは思ったが
基本的に完璧主義のミラーは、どうしても年の数豆を食べないときがすまないらしい
私室等には自分達で撒くように、と各部屋にある程度の量の豆を渡してある
当然、ミラーの私室にも少量ではあるが豆を置いてある
それから足りない豆を取ろうと、2人はミラーの私室へと向かっているのだ

「わかってると思うけど、もう食うなよ」

「あぁ、わかってる」

「絶対だぞ、絶対食うなよ!?床に落ちたやつとか食ったらダメだからな!」

「…あぁ、わかっている」

そんなやり取りを繰り返し、2人はミラーの私室へと足を踏み入れた
マングースが用意したという豆は、ちょうどベットサイドへと置かれていた
書類やらが散乱する机には下手に置けず、他に空いてる場所で目に付いたのがベットサイドだったようだ

「あったあった…えっと…1、2…」

部屋に入ってすぐ、豆を手に取り数え始めたミラーの背中を見ながら、スネークは気付かれないようにそっと部屋の鍵を閉めた

部屋には、自分とミラーと2人きり
太くて長い恵方巻を恋人であるミラーが必死に咥えている姿に欲情していたスネークが、この状況で我慢できるはずがなかった

「カズ…」

スネークはミラーの腕を取り、優しくベットへと押し倒しその上に覆いかぶさる
ちゅ、ちゅと何度も唇にキスを繰り返し、大きな手でゆるりと体をまさぐる

「スネーク、ダメだって…」

その行為にスネークの意図を察したミラーは、その感触に小さく体を震わせながらもふるふると首を振る
だが、軽くスネークの肩を押す以外目立った抵抗はしない
それを了承と取ったスネークは、首元を隠しているスカーフを外しその場所にキスをする

「ぁ、だめだってば…」

「何がダメだ?もうエホーマキも食ったし豆もまいたじゃないか」

「でも、ん…だめだってば、ぁ」

だめ、だめとミラーが繰り返す間にも、スネークはミラーの服を剥ぎ露わになった肌に唇を落としていく
そのたびに過敏に震える体に、スネークは腹が焼け付くような欲情を感じ、幾度も軽く吸い付いて痕を残す
そのたび雪のように白い肌に舞い散る紅い華に、スネークの中の底の見えない独占欲がほんの少しだけ満たされる気がした

「痕、残すなってば」

だが、ミラーは痕を残されるのをあまり好まない
スネークと体を重ねた証拠のようで恥ずかしいし、何より人前で服が脱げなくなる
ミラーは風呂で隊員たちとコミュニケーションをとるのを楽しみにしているので、人前で服が脱げなくなるのは避けたいのだ
多少ならどうとでも誤魔化せるが、スネークは執拗に痕を残すので誤魔化せない
もちろん、独占欲の強いスネークがその楽しみを邪魔する目的もあって執拗に痕を残しているということを、ミラーは知らない

「可愛いな、もう立っているぞ」

外気に晒されたせいか、あるいは快楽からか
ちょこんと立ったピンク色の乳首に唇を寄せ、ちゅうっと音を立てて吸い、舌先で優しく愛撫する
もう片方も、指先でコロコロと転がして可愛がってやるのも忘れない

「あ、んっ…やぁ」

敏感な場所にそれぞれ違う刺激を与えられ、ミラーはふるりと腰を震わせる
その反応に気を良くしたスネークは、軽く歯を立てたり指先で摘んだりとしつこくその場所を弄り回す

「も、そこばっかしつこいっ」

緩やかだがじわじわと追い詰められていくような快楽に、ミラーはいやいやと首を振って胸元のスネークの頭を軽く押す

「どうした、もう我慢できないのか?」

ほんのりと目元を染めて自分を睨むミラーに、スネークは喉の奥で小さく笑い胸元の手を下肢へと伸ばし
すでにズボンを押し上げ、激しく自己主張をしているソコを緩く撫ぜる
布越しとはいえ敏感な場所に触れられる快楽と、沸きあがる羞恥心からミラーの頬がかぁっと赤く染まる
幾度体を重ねても恥じらいの消えないミラーに、スネークはペロリと下唇を舐めて薄く笑う

「なぁカズ、俺のシてくれないか?」

いつもなら可愛らしいおねだりを聞くまでミラーの体を弄り回すところだが、スネークの頭からは太く長い恵方巻を咥えているミラーの姿が離れない
必死に咥えていた姿が妙にエロティックに見え、同じように自分のモノを奉仕させたいという欲求がスネークの中で渦巻いている
そんなことなど知らないミラーは、スネークからの滅多にない奉仕の要求に一瞬目を丸くし
そっちだって余裕ないんじゃん、と少しばかり見当外れのことを思った

「いいよ、どいて」

少しそっけない、怒ったような言い方をして、ミラーはスネークの肩を押す
だがそれが照れ隠しであることくらい、スネークにはお見通しだ
緩む頬を押さえないままミラーの上からどけば、ゆっくりとミラーが体を起こし、スネークの前に屈み込むと
ズボンを押し上げるほど張り詰めたソコを、先ほどの仕返しと言わんばかりに緩く撫ぜる

「カズ…」

思わず咎めるような声を出したスネークに、ミラーはどこか満足げに小さく鼻を鳴らし、焦らすような手つきで、ズボンのベルトを外す
そのまま必要最低限だけズボンと下着をずらすと、すでに猛りきったスネークの性器が顔を出す
その様に、無意識にミラーは瞳を甘く潤ませて息を飲み込むと、口を開いてソレを咥え込んだ

「っ…」

ぬるりと、温かく湿った咥内で敏感な場所が包まれる感覚に、スネークは自然と息を詰める
その声にミラーは軽く目を細め、より深く飲み込み舌を使い出す
やりなれていないせいか少々ぎこちないが、同じ男だからか舌の動きはちゃんとツボをついていて気持ちがいい
根元や竿、裏筋へと丹念に舌を這わせ、時折吸い付いてはスネークの反応をうかがう

「んむ…ん、ふぅ…」

ほんのりと赤く染まった頬も、伏せられた瞼も、甘く潤んだ瞳も、時折漏れる吐息も
恵方巻を咥えていたときとは比べ物にならないほどエロティックだ
視覚や聴覚からの刺激も相まって、あっという間に高みへと昇らされる
このまま口に出してしまうのもいいが、できるなら愛しい恋人のナカで出したいと思ってしまうのは男のサガのようなものだ

「カズ、もういい」

ミラーの顎を軽く引いて、顔を上げさせる
スネークの言葉と仕草に、ミラーは自分の奉仕が気持ちよくなかったのかと少し不安になりながらスネークを見上げる
だが、その不安げな瞳すら、今のスネークには欲を煽る材料にしかならない
たまらなくなり、スネークは少しばかり乱暴にミラーの体をシーツに縫いとめる

「…お前のナカで出したい」

耳元で低く欲情の篭った声で囁き、カチャカチャと音を立ててベルトを外していくスネークに、ミラーの欲情にも火が灯りブルリと背筋を震わせる
脱がしやすいように腰を上げるミラーに、スネークの欲情もさらに煽られる
邪魔なズボンも下着も取り払い大きく足を開かせれば、快楽を求めて震える性器も、期待からかヒクつくソコもスネークから丸見えになる
快楽への期待とみっともない格好への羞恥心から、ミラーは腕を交差させて顔を隠す
どこか初々しいその反応に、スネークは喉の奥で小さく笑いながら、指先にローションを絡ませる
たっぷりとローションが絡んだ指先がゆるりとソコを撫ぜれば、ミラーの腰が期待から僅かに跳ねる

「いれるぞ、力抜いてろ」

そのまま指先に力が入るのを感じ、ミラーはゆっくりと息を吐き力を抜こうとする
だが、つぷりと指先が入り込むと、僅かな違和感から反射的に息が詰まり力が入る

「ふ、ぅっ…」

「大丈夫だ、ゆっくりと息を吐け」

抵抗するようにきつく締め付けてくるナカを傷つけないように、スネークは優しくミラーの頬を撫でながら指を進める
頬を撫でる手の気持ちよさにミラーはふぅっと息を吐き、その体からほんの少しだけ力が抜ける
ほんの少し力が抜けたのを感じ、スネークは指先を奥へと突き刺し緩やかに動かし始める
くにくにと指先が内壁を弄れば、ミラーが感じていた違和感はあっという間に快楽へと変わる

「あぁ、ん…」

先ほどまで抵抗するように締め付けていたナカが甘く絡みつき、ねだるようにミラーの腰が揺れる
それに誘われるように少し強めにソコを擦れば、ミラーの口からは甘い歓喜の声が漏れる
先ほどの初々しさとはまるで正反対の反応に、スネークの口が自然と笑みの形を作る
もっともっととねだるソコに、もう一本指を入れてやろうと思っていると
ふと、スネークの目にあるものが飛び込んできた


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