ストラブ博士のお悩み相談室



「なぁ〜ストレンジラブ〜」

「うるさいぞカズ。私は仕事中なんだ、少し黙れ」

ソファーから聞こえてくる甘えたような声に、ぴしゃりとそう言い放てば、けち〜とこれまた拗ねたような声が返ってくる
声の主はこのマザーベースの副指令であり、私のおも…んんっ、数少ない男の友人でもあるカズヒラ・ミラー

つい1時間ほど前に人の部屋に突然押しかけてきたかと思うと、何も言わず人の部屋のソファーを占領し
挙句の果てに、書類整理をしている私にしつこく話しかけてくる
さっきのやり取りも、数え切れないくらいした
正直物凄く鬱陶しいが、この男に帰れといったところで帰りはしないことくらいわかりきっているので、適当に相手をしてやっている
まぁ、この男がこうしてやってくるのは初めてじゃない
そして、大抵とある理由がある

「なぁ〜…」

「だからうるさいと言ってるだろう、私に相手をして欲しかったら紅茶を淹れて待っていろ」

声のする方にペンを投げれば、命中したのかイテッと小さな声が上がり
もそもそと、ソファーからカズが動く気配がした
私がこう言う時は、もうすぐ書類にめどがつくとカズももう知っている
その証拠に、私が次に顔を上げると、テーブルの上に紅茶や菓子類が綺麗にセッティングされており、カズが構って欲しそうな目でこちらを見ていた

「で、一体何の用事だ?」

私の分の紅茶が用意されたスペース…平たく言えばカズの隣に腰を下ろし、それを軽く口に含む
うむ、中々だ。香りもいい
この男のコーヒーを淹れる腕前はマザーベース中の人間が認めているが、紅茶の腕前も中々だ
このマザーベースで紅茶を飲む人間はあまりいないため、あまり発揮されていないが

「ストレンジラブはさ…その、女の子のおっぱい好きだよな?」

「好きだ」

「だよねぇ〜…」

ためらいがちな質問に即答してやると、カズははぁ…とため息を吐きながらしょんぼりと紅茶を口に含む
その様は、私に続きを聞いてくれと強く物語っている
この男は、時折こうした鬱陶しさを見せる
基本的に構ってもらいたがりの甘やかされたがりだが、プライドが高くて人に構ってほしいと素直に言えないのだ
私などはイラッとするが、こいつの恋人はこういうところが可愛いのだろう
別にこのまま放っておいてもいいが、美味な紅茶の礼に望みどおり構ってやることにした

「どうした、ボスが女のおっぱいにでも見とれていたか?」

適当にあたりをつけてそう返せば、カズの肩が一瞬震えてこちらに視線を向ける
どうやら、的中したらしい

「…セシールがさ、結構大胆な服着てたじゃん?」

「あぁ、そうだな」

もにょもにょとしたカズの言葉に、今日セシールが着ていた服を思い出す
フランス人だからか、彼女は露出の多い服を好む傾向があるが…今日のはまた特別だった
ともすれば乳首が見えてしまいそうなほど、大きく胸元の開いた洒落たデザインの服を着ていた
流行の最先端なのだと本人は言っていたが、まぁおそらく彼女の趣味だろう

「でさ…スネーク、すんごいあからさまに谷間見てた」

その時のことを思い出したのか、カズの声が不機嫌そうなものへと変わる
まぁ、ボスの気持ちはわからなくもない
彼女は平均より豊かな胸をしているし、肌も気をつけているというだけあって白く透けるようだし、谷間も綺麗で色気があった
そんなものが目の前にあったら、見ないほうがおかしい
私なんか、しっかりと記憶の中に残るくらい見させてもらった
あのボスが谷間をガン見したところで、何の不思議もない

「カズ、お前だっておっぱいは好きだろう」

「まぁ、好きだけどさ」

「なら、ボスが谷間を見たくらいで拗ねるな」

「でも、俺が隣にいたのに…」

ごにょごにょと不機嫌そうに語尾を小さくしていくカズに、物凄くイラッとする
結局のところ、女の谷間を見ていたというより、恋人が自分以外の人間を見ていたのがイヤなのだ
普段からボスの独占欲が強いとぼやいているが、この男も自覚していないだけでかなり独占欲が強い
まぁ、ボスよりははるかにましだが
あの男は自分の恋人に手を出そうとする人間を、秘密裏に排除して回っているからな

「まったく…」

男なのだからそれくらい我慢しろ!細かいことでウジウジするな!といってやろうと口を開き
ふと、あることを思いついた

「…カズ、ようはおっぱいが欲しいんだろう」

「え、いや違…」

「いや欲しいんだろう?恥ずかしがることはない、素直になれ」

カズは私の可愛いおもち…んんんっ、大切な親友だ
その親友が、男同士という関係に悩み、胸がない体で恋人を繋ぎとめられるのだろうかと不安に思い嘆いているのなら
それを解決してやることこそ、親友たる私の務めだ。ほぼそうに違いない!

「いや、俺別におっぱいはいらな」

「だから恥ずかしがるな、お前は私のおも…いや親友だ。それくらいのこと、話さずともわかる」

「今絶対おもちゃって言いかけたよね!?」

「それに恋人はあのボスだ、女のようなおっぱいが欲しくなったところで何の不思議もない」

「なぁストレンジラブ、俺の話聞いてる?」

「わかる、わかるぞカズ。お前が恥ずかしがる気持ちも、何もかも私にはお見通しだ」

「いやだから俺の話聞いて!!」

顔を赤くして否定するカズに、軽く手を振って見せる
そう、私たちは親友だ
親友なら、おっぱいが欲しいというカズの願いを全力を持って叶えてやろうじゃないか!
さっそくアイツとアイツ…後はアイツを脅し…いや協力を要請して…後はああしてこうして…

「頼むから、変なことだけはしないでくれよ…」

計画を立てていると、ようやく諦め…んんっ、素直になったらしいカズがどこか不安げにこちらの顔色を伺ってくる

「安心しろ、お前の願いは親友であるこの私が叶えてやろう!」

にっこりと、これからの楽し…んんっ、カズの悩みを解決するという任務に心を躍らせながら満面の笑みを向けてやり、安心させるためにカズの手を取った
その瞬間、カズの顔が物凄く不安そうに変わったのは、見ないふりをした


















節分プレイが思ったように進まなくてむしゃくしゃしてやった
後あるネタがやりたかったから前振り的に書いた
後悔はしていないが土下座はする

チャットでカズはストラブのおもちゃだよね、って発言に萌えたのでカズにおもちゃになってもらった
後、ストカズブームがきそうなので流行に乗ってみた
いや、ストカズじゃないですけど、これ…

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