視線で犯して



「はは、可愛いぞカズ」

俺の今の状況を見て、スネークは目を細めてにまりと笑った
この状況の俺が可愛いとか…いつも思っているが、スネークは一度本気で目の検査をしたほうがいいと思う
いや、目じゃなくて脳の検査か?
そんなことを考えながら、ぼんやり気持ち遠い目でスネークに視線をやる

確かに、俺の権限を使って私物を仕入れさせたけど
それが、結構いいお値段したけど
そのことをスネークにしこたま怒られて、なんでもすると確かに言ったけど

「なぁスネーク…この格好、結構しんどいんだけど…」

「ちゃんと固定されてるだろ、お前の鍛錬が足りないんじゃないか?」

いや、鍛錬していてもこんな格好させられたら辛いって
そう言いたくなるのを、どうにか飲み込んでため息を吐いた

なんでもすると言った以上、性的なことをされてしまうのは覚悟していたが
まさか、こんな格好させられるとは思ってもみなかった

そんな俺の今の格好
手を頭の後ろで縛られ、腰を大きく突き出した格好で椅子に座らされ、足首と太ももが肘掛に縛られている
当然、盛大なM字開脚状態だ
おそらく、スネークからは前も後ろも丸見えだろう

恥ずかしい以前に、体勢が結構キツイ
というか、腰にくる
一応良心のつもりか腰にクッションはひいてあるが、不自然な格好だから仕方ない
できるなら早めに終わらせて欲しいが、そんなことは夢のまた夢

というか、こんな格好をさせて一体スネークは何を致そうというのか
これから致されることを考えると、自然と気分が重くなる

「…で、何をするつもりだ?」

ため息を吐きながら、スネークをジトリと睨みつける

「いや、お前の体をじっくり眺めたいと思ってな」

だが、スネークの口から出た言葉は予想外のものだった

「何だその顔は…不満か?」

思わずぽかんと口を開けてしまった俺を見て、スネークが少しだけ眉を寄せる
その表情に、慌てて首を振る

いや、てっきりケツに大人のお道具突っ込まれたりとか
こう、凌辱的なプレイを致されるのだとばっかり思ってた

なんてことは、口が裂けても言えない
そんなことを言おうものなら、それを致されてしまうのは火を見るより明らかだ

「ならいいじゃないか」

少しだけ笑いながら、スネークの視線が顔からゆっくりと首筋へと滑る
それくらい、サウナに入ればいつだって見られてしまうのに
こんな格好のせいか、それともスネークの目が獣のソレに似ているせいか、少し恥ずかしい
身じろぎしたいが、縛られているせいで、動いてももぞもぞと腰の辺りが少し動くだけで
そうしているうちに、スネークの視線がさらに下へと降りていく

「お前の体は綺麗だな、傷跡が少ない」

嘗め回すようにそこを眺めていたスネークは、ほう…と息を吐きながら小さくそう呟いた
傷跡がないわけじゃないが、スネークと違い戦場へ出ることが少ない俺の体には、スネークほど傷跡がない

「そりゃ、俺は実戦経験あまりないからな」

少しだけ皮肉を込めてそう言えば、スネークの顔がどこか楽しげなものに変わる

「色も白いし、肌のきめも細かい…いつも、触れば手に吸い付いてくる」

うっとりとした声でとてつもなく恥ずかしいことを言われ、顔がカッと熱くなる
それと同時に、いつも肌を這い回るスネークの手の温度が蘇る
その感覚が、スネークの視線と重なる
粘っこい、欲情をたっぷり含んだ視線
それが温度を持って、肌の上を撫ぜるような錯覚を起こす
それを悟られたくなくて、俺は息を吸い込んでスネークを軽く睨みつけた

スネークは俺の視線を受けて小さく笑い、ゆっくりと体中に視線をわせ
やがて、胸元でピタリと止まった

「ココも、綺麗なピンク色だ」

すぅ、と目を細めたスネークの視線の先
ちょこんと乗った、男にはあまり必要のない乳首
まるで絡みつくような視線に、体がふるりと震える

「お前、ココ弄られるの好きだよな。いつも可愛い反応をしてくれる」

「別に、好きじゃない…」

「そうか?ちょっと痛いくらいに噛まれるのが好きだと思ったんだが」

スネークの言葉が、体に染み付いた記憶を呼び覚ます
いつもしつこいくらい弄られて、少し痛いくらいに噛まれる
ズクズクと、その刺激を求めてソコが疼きだす
絡む視線が、その疼きをさらに加速させていく

「こうやってぷっくりと立ち上がって、刺激が欲しいってねだるんだよな」

いつの間にか、疼きに促されるように、ソコはスネークの言葉通りぷっくりと立ち上がっている
恥ずかしくて、スネークから顔をそらして瞼を伏せる
だが、肌が敏感になっているせいか
それとも、スネークの視線が強すぎるせいか
目をそらしているというのに、スネークがどこを見ているのかはっきりわかる
視線が這い回る場所が、まるで焼かれるように熱い

「ぁ…」

視線に焼かれた肌の下から、じわりと欲情が滲み出る
ズクリと、体の奥で快楽が目を覚まし、吐息混じりに小さく声が漏れてしまう

その瞬間、スネークが小さく笑う気配がし
ゆっくりと、胸元から腹を視線で焼いていく
じわりじわりとそこから淡い快感が生まれ、体中で暴れまわる

「やはり、色素が薄いと下の毛の色も薄いな…ふわふわしていて、触り心地がいいぞ」

「やっ…」

どこか楽しげにそういうスネークに、俺は恥ずかしさと快楽を感じてふるふると首を振る

それくらい、いつも見られている
サウナやシャワールームだけじゃなくて、セックスのたびに見られている
そのはずなのに、見られるのが恥ずかしくてたまらない
そして、羞恥と同じだけ欲情が生まれる
今まで、そんなこと感じたことはなかったはずなのに
体中を這い回り絡みつく視線で、愛撫をされているように感じてしまう
直に触れられるより淡い、けれど確かな快楽を生む

「ココも、可愛く震えて触って欲しいとねだるんだぞ?」

男の体は、感じる快楽を隠せない
そのことを、今ほど恨んだことはない
ただ見られているだけだというのに、ソコはふるふると勃ちあがって刺激を求めて震えている

「雁首の辺りも好きだが、お前は先っぽが一番好きだよな」

「や…ぁ…」

「撫でられたり、少し爪を立てると我慢できなくなるしな」

「やめっ…」

言葉が、視線が
次々と快楽の記憶を呼び覚まし、自然と息が上がっていく

言葉に、視線に、犯される
その言葉の意味を、俺は初めて理解した

「スネーク…も、やだっ」

こんなの、道具を使われたり陵辱されたほうがよっぽどましだ
受ける快楽を、享受していればいい
けれど、俺が今感じている快楽は、そのほとんどが俺の体に刻まれた記憶
まるで、自分がとんでもない淫乱になってしまったようで、恥ずかしくて
けど、恥ずかしいと思うたびに欲情が煽られる
まるで、底なし沼に沈んでいくような感覚
必死に首を振って、もうやめてくれとスネークに訴える
けれど、スネークは笑みを深めるだけで俺を見ることをやめてくれはしない
太ももや下肢を、まるで蛇のように這いまわる
やがて、尻の谷間でスネークはまた視線を止め
にやぁっと、笑った

「…いつも、ここで俺を受け入れてくれるんだよな」

「やだぁっ」

「ここも綺麗だ…ほら、俺を欲しがってヒクヒクしてるぞ?」

あまりの恥ずかしさにぎゅうっとめを閉じる
だが、焼かれるような温度を持った視線を、余計にはっきりと感じてしまう
隠そうにも、足も手も縛られていては隠せない

見られている
あんな場所を、恥ずかしい場所を
他の誰でもない、スネークに見られている

爆発しそうなほどの羞恥と、気が狂いそうなほどの快感
それらがないまぜになって、頭の中がぐちゃぐちゃになっていく
けれど、溺れてしまうには足りない
直に触れる刺激が、欲しい

呼び覚まされる記憶が、体が
スネークが欲しいと叫びだす
直に触れて欲しくて、あの溺れるほどの快楽を与えて欲しくて
それだけしか、考えられなくなる

「お願い、スネーク…も、触って!」

たまらなくなって、叫ぶようにスネークに懇願する

「…今触れれば、お前をめちゃくちゃにするぞ?」

どこか楽しげに、挑発するように
スネークは獣のような笑みを浮かべ、俺の顔を覗き込む
その飢えた瞳に、ゾクゾクと甘い戦慄に背筋が震える

「いい…めちゃくちゃにしていいから、触って…」

スネークを見つめながら、俺は誘うように舌を出す
それを見たスネークの笑みが、凶暴ともいえるものに変わり

「覚悟しろよカズ…」

そう、低い声で囁いて
まるで、食われそうなほど荒々しい口付けを受けた
俺はようやく触れてもらえた喜びを感じながら
これから先の快楽に、胸を躍らせた





















リクエスト小説、ネイカズで執拗な視姦プレイでした

リク頂いたのいつやねん!!!
いやもうマジすみません
視姦プレイというか言葉攻めですみません
色々中途半端ですみません
なにがすみませんかわからないくらいすみません(土下座)

リクエストありがとうございました!

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