寂しい夜の話



「あ〜…」

ごろりと、シーツの上を転がりながら、俺はいつまでたってもこない眠気に唸っていた
別に、不眠症だとかそういうことはない
それならば、医療班から薬でも何でももらってくればいい
だが、今こうして眠れない理由から薬をもらうわけにはいかない
というか、できない
けれど、こうして眠れないままだと明日の仕事に支障が出る

ところで男なら、誰でも長い間性行為をしなければ溜まる
何がといわれれば、ナニがだといわざるおえないが

まぁ…つまりは、溜まってるのだ、ナニが
そのせいで体が火照って眠れない
なんとも情けない理由だ

「あ〜、くそ…」

情けないが、自分で処理するしかないか…
そう思い、体にかかっていたタオルケットを足元へ追いやり体を起こす

セックスと違い、自慰は終わった後に無性に虚しくなるから、あまり好きじゃない
スネークと恋人になってからは特に
だからこうして、自分で慰めるのは、随分と久しぶりのことだ
いつもなら、こうなる前にスネークにわけがわからなくなるくらい翻弄されて、快感にぐちゃぐちゃにされるけど
けど、今スネークはいない
長期の任務に出てしまっている
帰ってくるのは、早くて今から3日後

こんな稼業をしているのだから仕方のないことだとわかってはいても
それでも、スネークに慣らされた体は寂しさを訴える
欲しくて欲しくてたまらなくなる

『カズ…』

耳元で、スネークの声が蘇る
それと同時に、スネークが俺を見る優しい目つきや指先なんかがありありと思い出されて

「ん…」

自然と、手が胸元へと伸びる
スネークがするのと同じように、シャツの上から胸をゆっくりと撫でると、指先にぷくりと立ち上がった乳首が触れ
そのまま、きゅっと摘み上げる

「ぁ…」

『敏感だな、カズの体は』

ぴりっとした快感が背筋を走り、スネークのからかうような声が頭の中に響く
その声に、ぞわりと背筋が震える

そのままシャツをたくし上げて、直に乳首を抓ったり指先で転がしたりする
スネークが好きなやりかたでソコを苛めてやれば、弱い電流みたいな快感が広がってズクズクと下肢が疼いてたまらなくなる
触れたい欲求のまま、下着の上からすでに反応を示してるソコを指先で撫でれば
胸とは比べ物にならない快感が一瞬で広がって
ビクリと腰が跳ねる

「やっ…」

『何だ、もうこんなにして…そんなに気持ちよかったか?』

クスクスと欲情の混じった笑みが瞼の裏に浮かぶ
その笑みが、俺の劣情に火をつける

「ぁ、ぁ…」

くにくにと乳首を弄りながら、下着の中に手を突っ込んで焦らすように先端を指先で撫でる
じれったい、でも気持ちがいい
スネークがいつもしてくれる攻め方
たまらなくて、腰が揺れる

『どうした?腰が揺れてるぞ?』

「ん…スネーク…」

快感に震える手下着をおろし、ゆっくりと性器を握りこんでしごく
速度も強さも、スネークのソレを思い出して

「ふ、ぁ…」

トロトロと先走りが先端から溢れて、くちゅくちゅという粘っこい水音が

『とろとろだ…気持ちいいか?』

「や…気持ちいい…」

自分の声が部屋に響いて、それにすら羞恥と快感を煽られて
かりっと先端を爪で引っかけば、強烈な快感が背筋を走りぬけた

「ぁ、はぁ…」

凄く気持ちがいい
このままイけばいい
それで、この行為の目的は達成される

そう思うのに

『こっちは弄らなくていいのか?』

遠く、近く
スネークの欲に濡れた声が頭の中で響いて
まるでいたずらっ子のような笑みが瞼の裏に広がって

「ん…」

胸を弄っていた手を、口元にやり
一度指先を舐めてから、口に含む

「ん…ん…」

スネークのソレに奉仕するときのように舌を絡ませ
たっぷりと唾液を絡ませながら、やりやすいように体を横に倒す
何をしているんだろうと、思考の奥でそんなことを思うけど
熱に浮かされた体は止まらない
スネークを、快楽を求めて疼いてたまらない

「ぁ…」

十分に唾液の絡んだ指を、後ろに回し
いつもスネークを受け入れる場所を撫でる
ピクンと体が跳ねて、きゅうっとソコが締まる

『ほら、力抜け』

「あ、はぁ…」

息を吐きながらソコに指を押し付ければ、いつもスネークに触れられたときのように指をゆっくりと飲み込んでいく

「ひっ…ぁ…」

そのまま、体が覚えている一番気持ちいい場所に触れれば、電流にも似た快感が背骨から脳へと突き抜ける

「あ、あっ」

『ほら、カズはここが気持ちいいんだよな』

「ひぁっ…や、スネークっ」

衝動のままソコを指で刺激しながら夢中で性器をしごく
強い快感が体を支配して、快感に頭がぐちゃぐちゃになる

「やだぁっ…たり、ないっ…」

でも、足りない
後ろを弄る指も、前を擦る手も
結局は、自分のものなのだ
いくらスネークのやりかたを真似たところで
スネークの声や表情を思い出したところで
それは、スネークの幻でしかない

欲しい
スネークが欲しい
スネークの手で弄って欲しい、俺をぐちゃぐちゃにして欲しい
スネークがいい、スネークが…

「あ、あぁぁぁっ」

ぐりぐりと先端を弄りながら、後ろを強く刺激すれば
強烈な快感が体を突き抜けて
たまらずに、精液を吐き出した

「…最悪だ」

どろりと、自分の手を濡らす精液に
どうしようもない虚しさと羞恥心が湧き上がってくる

自分でするのもあまり好きじゃないのに
オカズがスネークとか、後ろまで弄ったとか最悪以外の何物でもない
しかも、最後のほうは相当恥ずかしいことを考えていた

「くそっ」

近くにあるティッシュで乱暴に精液を拭って下着を履きなおして
足元に丸まっていたタオルケットをガバリと被って目を瞑る

もともと疲れていた体は、あっさりと睡眠を訴える
もう、寝てしまおう
それが目的だったんだから
一晩ぐっすり寝て忘れてしまおう、こんな恥ずかしいこと

とろりと迫る眠気に身を任せ、意識を手放そうとした瞬間

『カズ』

浮かんだのは、優しいスネークの声と笑顔で

「早く任務終わらせて帰って来い、バカスネーク」

まどろみの中、そう呟いたのか、それとも思っただけなのか
わからないままで、俺はゆっくりと意識を手放した
















以前チャットで暖めてる発言した、カズ自慰話
うん、何か…エロくないヨ〜

あれだよ、スネーク恋しさに1人遊びするカズ色っぽいよね!とか思ったのに
自分で書くとそんなにエロくないよママン…

あれだ、ついでに3日後帰ってきたスネークの顔なんとなく見れないカズと、そんなカズに?マークいっぱいなスネークとかおいしいよね
うん、そんだけ!

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