誰も知らない日常の裏側の話



ある日のマザーベース
いつもと変わりない、穏やかな日々

「ボス!後で訓練に付き合っていただけますか?」

「ずるいぞお前!ボス、俺の訓練にも付き合ってください!」

「お、俺の訓練にも!」

「あぁわかった、全員みっちり訓練付けてやろう」

賑やかな兵士達に囲まれ、朗らかな笑みを浮かべる司令官

「副指令!この書類のことなんですが…」

「ん?どれだ?」

「副指令!こちらの書類もチェックお願いします!」

「あぁ、わかった」

その側を、ポーカーフェイスの副指令が忙しく動き回る

いつもと、なんら変わりない日常
表向きは、いつもの日常

「あれ?ボス、今日はやけに副指令のこと見てますね?」

「ん?あぁ…ちょっと用があってな」

「なら、お声をかけたら…?」

「いや、たいした用じゃないんだ…カズも忙しそうだしな」

「そうですか」

たった1人
違和感の欠片に気づいた兵士も
司令官の、いつもの朗らかな笑みに
違和感の正体に気づくことなく
司令官の言葉を、疑いもなく信じた

誰も、気づかなかった

スネークのカズを見る視線が、まるで絡みつく蛇のようにねっとりとしたものであることに
ミラーの声色が、いつもよりほんの僅かに上ずっていることに

「スネーク」

「何だ、カズ?」

「ちょっと、チェックして欲しい書類があるんだが…部屋に忘れてきちまったみたいで」

「あぁ、わかった…俺も少し用事がある、ついでに部屋に行こう」

「すまないな」

ミラーが、スネークと視線を合わせようとしないことに
スネークが、声をかけられた瞬間小さく舌なめずりしたことに

「ボスと副指令、本当に仲が良いよな〜」

「あぁ、まさに理想のコンビって感じだよな!」

彼らがその場から消えた、その後も





2人がミラーの私室へ入り
扉を閉めた瞬間

「スネークっ」

ミラーは、縋り付くようにスネークに抱きついた
その表情は、先ほどまでのポーカーフェイスとは違い
頬を赤く染め、どこか蕩けたような甘さがある

「おいおいカズ…もう我慢できなくなったのか?」

そんなミラーを抱きとめるスネークの顔も
先ほどまでの朗らかな笑みとは違い
どこか、妖艶に微笑んでいた

「だってっ…兵士達の前で、あんなっ…」

「もう少し我慢できただろ?カズは根性がないな」

「やだ…も、無理っ」

まるで懇願するような声色に、スネークは小さく笑い
無骨な指先が、濡れた瞳を隠すサングラスを外し
首もとのスカーフに手をかける

「だぁれも気づいていなかったじゃないか」

スネークが、スカーフを解いた先
ミラーの白い首元には
紅い縄がかかっていた

「お前が、縄で縛られているなんて」

その紅い縄に沿うように舌をゆっくりと這わせ
ミラーの震える体を片手で支えるように抱きしめながら
もう片方の手は器用に野戦服の釦を外していく

「すねー、く…」

その手つきに、ミラーはフルフルとスネークの腕の中で体を震わせながら、とろりとした目で彼を見つめる
その瞳は、これから先の行為への期待で満ちていた

全ての釦を外し終えると、はらりと前がはだけ
野戦服の下、何も着ていない白い体に絡みつく、紅い縄が現れる

「いいな…やっぱり、お前には紅がよく似合う」

首元に回る腕を外させ、もはや意味をなくした野戦服を取り払い
露になったミラーの身体を眺め、スネークは満足げに呟いた
その瞬間、ミラーの頬が羞恥に赤く染まった

「も…スネークの、アホっ」

「そう照れるな…似合ってるぞ、その縄」

首の後ろから回された縄が、女性であれば胸の形を強調されるであろう形にミラーの胸板をキツく縛り上げ
胸下のそれに絡みつく別の縄が、未だズボンに包まれた下肢へと伸びている
その先は、尻から背中へと伸び、ちょうど腰の真ん中辺りに絡み付いている

その姿を、まるで舐めるように上から下へと眺める
その粘っこい視線に、ミラーは視線に犯されているような錯覚を覚え腰を震わせた

「俺1人で堪能するのはもったいないな…兵士達にも見せてやればよかったか?」

「や、やだっ…そんなの…」

「どうしてだ?お前も見て欲しかったんだろう…」

「ちが、違うっ」

「そうか?ココこんなにしているくせに」

スネークはニヤリと笑うと、触れる前から刺激を求めて、ぷっくりと色づいて主張していた飾りをきゅうっと摘む

「あぁっ」

不意に訪れた甘い刺激に、ミラーはたまらず甘い声を上げてしまう
スネークはその声に目を細めると、くにゅくにゅとそこを弄る

「カズはイヤらしい副指令だな…兵士達の前で、こんなに乳首を立てるなんて」

「いやぁ、あ、やぁっ」

「何がイヤなんだ?こんなに嬉しそうにしているくせに」

耳元に唇を寄せ、吐息を流し込むように囁いて、舌で耳の穴を穿つ
くちゅくちゅという水音に、ミラーはまるで脳髄を犯されているような感覚を覚える

「み、耳やぁっ」

「まったく…イヤばっかりだな、カズは…そんな悪い子には、お仕置きだ」

ふ…と楽しそうに吐息を漏らすと、スネークは胸の飾りから手を外し
下肢へと続く紅い縄
腰に絡みつく縄の下、腹筋の割れ目の、僅かな隙間
そこに指を入れ、スネークは軽く縄を持ち上げた

「ひぃんっ」

きっちりと縛られた縄は、ほんの僅かしか動かない
けれどその瞬間、ミラーの身体に電流のような快楽が走り
ガクリと足から力が抜け、ずるずると座り込んでしまった

「だらしないな、今ので腰が抜けたのか?」

座り込んでしまったミラーに合わせるようにスネークも床へと膝をつけ
不服そうに見上げるミラーの顔を覗き込んで、ニヤリと笑った

「だ、て…それは、スネークがっ」

「俺は何もしてないさ…カズのイヤらしい身体のせいだろ?」

「ち、違っ」

かぁっと、頬に血を上らせたミラーはフルフルと首を振る
その抗議にさらに笑みを深めたスネークは、ぴんっと立ち上がった胸の飾りに唇を寄せた

「ん…や、ぁ…」

飾りを吸われると、ミラーの身体に甘く疼くような快楽が広がる
けれど、先ほどの電流のような快感には程遠く物足りない

気持ち良いけど、物足りない
もっと、強い快感が欲しい

あまりのもどかしさに、ミラーの腰が揺らめく

「どうした、カズ?腰が揺れてるぞ?」

それを、愉快そうにスネークに指摘されれば、ミラーの脳が羞恥に染まる
けれど、一度快感を知った身体は止まらない

「も…下、脱がせてっ」

胸元にあるスネークの髪を掻き乱しながら、潤んだ瞳でミラーは懇願する

「ダメだ、言っただろう?お仕置きだと」

けれど、スネークはそうそっけなく言うと、立ち上がった飾りに噛み付いた

「んあぁっ」

その瞬間、ビリビリとした痛みと快感が背筋を走りぬけ
ズンッと、腰が一気に重くなる

「も、やぁっ…スネーク、お願いっ」

「カズはイヤらしくないんだろう?なら、もう少し我慢できるよな?」

再び、耳元で囁かれる甘く優しい声
その声とは裏腹に、指先は柔らかく飾りを撫でもどかしすぎる快楽しか与えない

「いや、いやあっ…おねが、スネークっ」

そのもどかしさにミラーはイヤイヤと首を振り、目からぽろぽろと涙を零す
けれど、そんな姿のミラーを見てもスネークは意地悪げに笑うだけ

「ほら、カズ…どうして欲しいんだ?」

するり、とズボンの上から内股を撫でられ、ビクリとミラーの身体が跳ねた

「あっ…い、イヤらしい俺の、ズボン、脱がせてください…」

軽く腰を浮かせ、促すままに快楽をねだるミラーに、スネークは望みどおりズボンのベルトへ手をかける
カチャカチャとベルトを外す音にすら煽られて、ミラーは腰が揺らめくのを止められない

「そんなに腰を揺らすな、外しにくいだろ?」

「だってぇっ」

愛しいミラーの痴態にくくっと喉の奥で笑うと、スネークはベルトとズボンを一気に取り去った
露になった下肢が、ふるりと震える

下肢に伸ばされた紅い縄は
ボクサータイプの下着の下に隠された性器を圧迫し
尻の谷間を抜けて背中へと続いている

そして、縄の下の性器の先端
そこは快楽にぐっしょりと濡れ、下着の色を濃く変えている

「恥ずかしいぐらいぐしょぐしょだな…」

「やぁっ」

すぅっと縄をなぞる様に指で押すと、ミラーの身体が大げさなほど跳ねる

「ほら…脱がせるだけでいいのか?」

「やっ…お願いっ!も、触ってっ、イかせて!」

意地の悪いスネークの言葉に、ミラーは泣きながら懇願する

紅く上気した頬
快楽に蕩け涙を零す瞳
絶えず甘い吐息を吐き出す唇
その先で震える紅い舌先
そして、下着の下で開放を待ち望んでいる性器

それらが、スネークを視覚から煽り
ゾクリとした刺激となって背筋を走りぬける

「いい子だ、カズっ」

一瞬で獣の目へと変わったスネークは、縄ごと震える性器に噛み付いた

「あぁーっ!!」

ごりっと下着越しに歯が食いこむ感覚
強い痛みと快楽が入り混じるその感覚に、ミラーは悲鳴とも泣き声とも区別のつかぬ声を上げて欲を放った

「カズ…」

達した余韻で甘く荒い息を吐き、四肢を震わせるミラーは、己を呼ぶスネークの方へゆるりと視線を向けた

「すねぇ、く…」

甘く蕩ける瞳と、飢えた獣の瞳
2つの瞳が合わさり



どちらともなく舌先を伸ばしあった



それは、誰も知らない日常の裏側の話


















SM強化月間〜みんなでカズを縛ろうぜ!〜
別名・カズ苦労月間
先日お邪魔したチャットで発足した、謎の企画(?)第一弾
お題は『縛り』
それ以外はしばりなし、というややこしいようで自由な企画です

ぶっちゃけエロくなーい!!
これR18表記していいのかな…突っ込んでないし(オイ)
だって、突っ込ませると長くなるんだもん…
途中、縄の存在を忘れかけました…みなさん、心の目でカズの身体に絡みつく縄をご覧ください

緊縛SMっつったら服の下で縛って生活させるのが醍醐味だろう!
という、残念かつエロゲ脳に近い非常に残念な脳みその持ち主です

縛り表現とか適当です、とある漫画の絵を見ながらそれっぽい表現にしてあります
う〜ん…もっとエロスな縛り表現がしたい…

ちなみに、企画といっておきながら、私がノリノリなだけです
第一弾と銘打っておきながら、第二段があるかどうかはわかりません

あ、スネークさんが肉体的にいい思いしてない
第二段やるなら、スネークさんにいい思いさせよう

そして、何故エロはあとがきが長くなるのか…

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テーマ「人外ファンタジー」
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