欲しがって欲しがらせて



「はぁ、ぁ…すね、くっ」

スネークが動くたびキシキシと腰の下から小さく軋む
組み敷かれ貫かれ、快楽に身悶える俺の髪を撫でるスネークの手は緩やかで穏やかで、それでいて酷くじれったい
それと同じように、俺を突き上げるスネークの動きも優しすぎて酷く物足りない

「やぁっ…ひ、うゃんっ」

敏感になった内壁を擦られるのが、たまらなく気持ちがいい
けれど、絶頂に達するには後一押しが足りない
その一押しが欲しくて腰を揺らしてみるものの、それすら計算されて突き上げられる

「ひっ…も、やだっ」

不意にぐっと奥を突き上げられて、チカリと瞼の裏側が点滅する
あと少し、ほんの少し
けど、そのほんの少しをスネークはくれない
微妙に場所を外してみたり、労わるふりをして動きを止めたり、そのくせ煽るように俺の体を撫で回し
まるで、新しいおもちゃを弄ぶ子どものように、俺の体を弄り回し突きあげる
どうにかしてその気にさせようと繋がっている場所を締めてみたり、背中に抱きついて煽ってみるけれど、スネークは喉の奥で楽しげに笑うだけで、余裕の表情を崩そうとしない

「あふっ…あぁっ!すね、もっ…!」

「どうした、カズ」

もうじらさないで、と視線でだけ伝えても、何が言いたいかわからないと言わんばかりに首をかしげ、ふわりと酷く魅力的に見える表情で笑う
本当は、わかっている
スネークは、俺の口から言わせたいのだ
じれったくてたまらない、もっと欲しい、焦らさずに気持ちよくして、イかせてくれとみっともなくねだらせたいのだ
それが嫌で色々と反撃しては見るものの、どうにもスネークの余裕が崩せない
スネークの方も限界が近いはずなのに、その口元は余裕だと言わんばかりに弧を描き続けている
俺の体を誰よりも…俺以上に知りすぎているスネークに、こんなささやかな抵抗なんて無意味だ
いつもスネークが音を上げる前に、俺の限界が来てしまう
どうせ後数分もすれば、この拷問にも似た責め苦に耐え切れなくてみっともなくねだるはめになるんだろうと、快感で蕩けきった頭の隅で考える

「あっ、あぁっ」

たまらなくなってスネークを見上げれば、片方しかない青い瞳が甘く細められる
その細められた瞳が、さぁ、俺にねだって縋れば楽になるぞ?と甘く誘う

「カズ…」

そして甘く低い、欲の篭った、俺の一番好きな声で限界ギリギリまで俺を追い詰める
本当に、スネークはずるい
こうしてゆっくりと緩やかに、優しく俺を追い詰め、陥れ、みっともなく欲しがらせて
追い込んだのはアンタのほうなのに、さもお前がねだったんだろう?という態度を取る
蛇、なんてコードネームだけど、案外毒蛇の方があってるんじゃないかという気すらする
こうして毒を仕込んで、じわじわと追い込むのを好む辺りぴったりじゃないか

「スネーク…」

けど、俺だって自分が負けず嫌いだという自覚は十二分に持っている
このまま大人しく、スネークの毒で自分ひとり堕ちるのは、気に食わない
毒蛇、とまではいかないが、俺だってアンタを煽る方法くらい知っている

「ね、スネーク…も、欲しっ」

「何が、欲しい?」

ぺろりと耳朶を舐める舌と、屈服したくなるほど甘い声にぐらりと理性が揺らいだけれど、やられっぱなしだけは気に食わないというプライドだけで持ち直す
後、ほんの少しだけ持てばいい
どうせこの後理性なんて欠片も残らない目にあうんだ
だから、ほんの少しだけ

「欲しい…アンタ、が…お願い、俺のナカ…スネークで、一杯にして…」

スネークが好きな、とびっきりの甘い声で名前を呼んで、緩やかに、けれど確実に俺を追い詰めていく腰に足を回して、ぐっと自分のほうに引き寄せる
その瞬間いい場所を先端が掠めて、上がりそうになる声を抑えてスネークを見上げて自分から口付ける
そのまま舌を差し出せばスネークが息をのんだのが伝わってきて、心の中だけで舌を出す
思いっきり煽ったんだ、一度だけでは離して貰えないだろうし、これからみっともないなんて言えなるくらい泣かされることになるだろう
骨を切らせて肉を絶つどころか、薄皮を切っただけのような気もするけど、それでもやられっぱなしよりましだ
求めさせようとしたのと同じだけ、求めてもらわなきゃ割に合わないしな

「んぅっ…ん、ふぁ…」

ようやくその気になったらしく、俺の咥内に舌を差し込みながら腰を抱えなおしたスネークの背に腕を回しなおして、これから来るであろう激しい責め苦に耐えるために腕に力を込めた
















何て言うか、リハビリ的なものが書きたかった

負けず嫌いなカズっていいよね(何)

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