後悔先に立たずとはこういう事で・3



そろそろ俺のほうも限界だと指を抜くと甘く潤んだ瞳が物足りなさと期待を含ませて俺を見る

「カズ、力を抜いていろ」

腰を掴んで先端をソコへ押し当てながらそう囁けば、カズは目を伏せて小さく頷き、はぁっと大きく息を吐き出す
そのタイミングにあわせて、カズの腰をぐっと引きおろす

「あ…ぁー…」

ずぶずぶと飲み込んでいくと同時に、カズの口から小さく声が漏れる
敏感な場所を柔らかく締め付けられていく快感に、くらりと目の前が眩む
すぐさま奥まで突っ込んでしまいたい衝動をどうにか堪えながら腰を進め、どうにか奥まで押し込むとカズは詰めがちだった息を大きく吐いた
きゅうきゅうと締め付けられる甘い快感に、自然と息が漏れる
体勢のせいで、いつもより深く飲み込まれている気がする

「ぁ…ふか、い…」

カズも同じなのか、小さく首を振って腰をくねらせる
うっすらと涙を浮かべているその表情は、妖艶という言葉がぴったりだと思えるほど色っぽい
その色香にすぐさま突き上げたい衝動に駆られ、腰を掴みなおし
ふと、先ほどの事を思い出した

「カズ、自分で動いてみろ。出来るか?」

せっかく何でもするとカズが言ったんだ
キスだけで終わらせるのも、少しもったいない
腰を撫でながらそう言えば、カズの目が一瞬丸くなり、また視線が鋭さを増す
今とてつもなく悪い顔で笑っているのが、自分でもわかる

「何でもするんじゃなかったのか?」

我ながら、随分と意地の悪い声が出たもんだと内心苦笑する
腰を撫でていた手を尻にやり、促すように軽く叩いてやると、その目が悔しげに細まる

「っ…バカスネークっ」

カズは不満げに唇を尖らせながらも目を伏せ、俺の肩に手をかけなおして足の位置を変える
そのままゆっくりと腰をあげ、同じように腰を落とす

「ん、ぁ…」

必死に腰を動かすカズの姿は中々そそられるが、動きはあまりにもぎこちない
動くのに精一杯といった様子で、声も表情もどこか硬い
俺の肩を掴む手にも、余計な力が入りすぎている
俺の方はこれでもそれなりに気持ちがいいが、これじゃカズはあまり気持ちよくないだろう

「おいカズ…お前、これ気持ちいいか?」

「へ?え、と…」

思い切って問いかければ、カズの目がきょとんとしたように丸くなり考え込むように首を傾げる
やはり動くのに集中しすぎて、自分が気持ちいいかどうかは二の次になっていたらしい

「ほら、こう動くんだ」

カズの腰を掴み、ぐっと奥へと突き上げる

「あ、やぁっ」

そのまま数度奥を刺激すると、カズの口からはたまらないと言わんばかりに声が漏れる
この気持ち良さそうな声をもっと聞いていたくなるが、そこをぐっと押さえて腰を止める
涙で濡れた蒼い瞳が、どうして?と非難するように俺を見つめてくる

「こっちの方が、気持ちいいだろ?」

薄く開いた唇に軽く触れるだけのキスを落として腰をなでてやると、何か言いたげに俺を睨みつけてきたが、ふいっと視線をそらしてまた自分で動き始めた
だがさっきので何かしらコツを掴んだのか、まだ多少のぎこちなさはあるもののさきほどよりは硬さが取れている
何かを探るような緩慢な動きはじれったいが、目を伏せて気持ち良さそうに息を吐くカズの姿は、さっきよりもずっと色っぽくて艶がある

「んっ、ん…ふ、ぁ…」

俺から漏れた先走りのせいか、それともカズの中が段々と柔らかくなっていっているのか
少しずつ動きがスムーズになり、カズが動くたびぬちぬちと小さな音が響く
ぽわりと開いた唇から漏れる声も甘さを増して、気持ち良さそうに目を伏せている

「気持ち良さそうだな」

「あ、ばかっ」


少しだけからかうような声色を乗せて耳元に舌を這わすと、カズはびくりと体を震わせながら俺を睨むが、腰の動きは止めようとしない
たまらずにスプリングを利用して、カズの動きに合わせて突き上げる

「ひっ…や、すねーくっ」

たまらない、といわんばかりにぎゅうっとしがみ付いてくるカズの背を抱いて体を支える
カズも、自分が気持ちがいいように腰を揺らしている
突き上げられるたびキツく締め付けられ、息を詰めると同時にカズが甘く鳴く

「くっ、カズっ」

「ひぅ…すねーく、すねーくっ」

互いの快感が互いを煽り、さらに快感を生み出し混ざり合う
そんな感覚に、頭の奥がくらりと揺れる
先走りで濡れたカズの性器が、互いが動くたびにぬるぬると腹を滑る
限界を訴えるそれを手のひらで握りこみ、動きに合わせてしごくとカズの口から悲鳴のような声が上がる

「やだっ…すねーく、やだっ」

「何が、イヤだ?」

「きもちっ…おかしく、なるっ」

「いいじゃないか、おかしくなったって」

腰をくねらせながら身悶えるカズに口付けて、咥内に舌を潜り込ませる
喉の奥からくぐもった声を上げながら、それでも必死に舌を伸ばしてくるカズが愛しくて抱きしめる腕に力を込めれば、カズも腕にも力が篭る
そのまま絶頂を促すように一番反応のいい場所を突き上げながらぐりっと先端をなじってやれば

「あ、あっ!」

カズは一際甘い声を上げながらがくがくと体を震わせ、俺の手を濡らす
まるで誘うように締め付けられ、俺も我慢せずにカズの中にたっぷりと欲を吐き出した



「…おいカズ、出て来い」

「いやだ」

「カズ…」

「いやだ」

甘い行為を終えて十数分後
何を問いかけてもいやだ、しか返してこないベットの真ん中に鎮座する丸いシーツの塊に、俺は小さく苦笑した
どうやら、すっかりカズの機嫌を損ねてしまったらしい
俺としては随分優しくしてやったつもりだったが、カズには相当恥ずかしかったようだ
カズが言っていたプレイよりはましだったとは思うんだがなぁ…と思いながら葉巻に火をつける
いつもはカズの私室で葉巻を吸うとあまりいい顔をされないが、今はそれどころじゃないのか、次は…次こそは…とブツブツよくわからないことを呟いている
その呟きに、事を起こす前に3ヶ月で6割の利益を上げられなきゃなんでもする!と息巻いていたカズの姿を思い出した

「おいカズ、そういえば…」

「見てろよ…次は、次こそはぎゃふんと言わせてやるからな…」

「…カズ?」

「ちょっと失敗しただけで…次こそは…」

段々と、カズの声に鬼気迫るものが混じりだす
よくはわからないが、どうやら今回のことでプライドが相当傷ついているらしい
今カズに話しかけても会話は出来ないだろうと諦めて、吸い込んだ煙をゆっくりと吐き出す
まぁ、俺は利益さえ出ていれば後はカズの好きなようにやればいいと思っているが、カズが言い出したんならそれに乗っておくのも悪くない
そういった目標があるほうが、カズもやる気が出るだろう

「カズ、3ヵ月後を楽しみにしているぞ」

「みてろよバカスネーク…!」

相変わらず俺の話なんてこれっぽっちも聞いていないらしいカズに苦笑しながら、もしも次があるなら、今度はカズが言うようなプレイをしてやってもいいかもしれないと、小さくほくそ笑んだ



















某エロゲのイベントに萌えた記念小説
前半戦しかあってませんけどね!後半戦は完全に創作ですけどね!

何て言うか…ひっさびさに甘いエロを書いた気分
最近はひっどいのしか書いてなかったからなぁ…
そしてエロ神様がゲシュタルト崩壊orz


拍手で
手違いはスネークが起こしたに違いない!
というコメントを頂き、そっちの方が萌える!と思ったのは内緒です(コラ)
スネーク意図的手違いも書いてみたい

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