第一次おっぱい戦争



「ん…」

「はぁっ…スネーク…」

夜もとっぷりと更けた時間に、恋人と私室に2人きり
それに少し酒でも入れば、あっという間にそういう雰囲気に流れ込む
とろんと瞳を潤ませたカズの唇にキスを落としながら、これから先の甘い時間を想像し
期待と同時に、少し気分が重くなった

気分が重くなる理由は1つ
カズが、最近胸を触られるのを妙に嫌がるのだ
主に、セックスの最中に

『ちょっと、触るなってばっ』

最近どうも胸に触れようとすると過剰に反応し、全力で拒否してくるのだ

『いいじゃないか、お前ココ好きだろ?』

その抵抗を力で押さえ込みながら触ってやると、一瞬気持ち良さそうに目を細めるが

『なぁ、何がダメなんだ?』

「だ、ダメなもんはダメ!それ以上触ったら、もうシないからな!」

すぐにぎろりと本気で俺を睨みつけ、挙句これ以上触るならお預けだと宣言する
俺としてもここで行為を中断されるのは困るから、一応は従ってやるが…

『あ、ぁ…ちょ、さわるな、ってばぁっ』

最中のどさくさに紛れて触ろうとしても、頑ななまでに拒否する
無視して触ろうものなら、蹴りやら拳やらが遠慮なく飛んでくる
しかもよほどさわられたくないのか、最近は俺が少しでも手を動かすと、行為より手の動きに集中し始める始末
正直、ここまでされると俺も色々とやり辛い

カズと恋人になってから随分たつが、こんなことは初めてだ
セックスなんざ数え切れないほどしてきたし、当然胸を触るのも毎度のことだ
今更何をそんなに嫌がるのか、全く理解できない

嫌がられるなら触らなければいいのだろうが、そこを弄っているときのカズの何とも言えない色っぽい表情や、段々焦れてきて俺に懇願する時の表情を気に入っている俺としては、当然毎回見たい
そのせいでここ数回は、触りたい俺と触られたくないカズの攻防になりつつある
毎回俺が折れる形にはなっているが、俺にも我慢の限度というものがある

「さ、触るなってば!」

「はぁ〜…カズ、何がダメなんだ?」

今回も危うく攻防になりかけ、俺はわざとらしくため息をついて体を起こした
このまま強行すれば、いつもと同じだ
この攻防が長引けば、いつかは本格的に喧嘩に発展するのは目に見えている
カズも、俺の我慢の限度が近づいていることくらいはわかっているはずだ
こんな理由で喧嘩して、何日も口を聞かない事態になるのは俺も避けたいし、カズも避けたいだろう

「だ、ダメなもんはダメなんだ」

「だから、何でダメなんだ?」

「ダメ、だから?」

だが、カズは俺の問に首をこてんっと傾けて、ニコリと可愛らしく微笑んで見せた
あからさまに、俺をほだそうとしている

「カズ、理由を言え。ダメだからは理由になってない」

その表情の愛らしさに一瞬ほだされそうになるが、ぐっと気を引きしめて強めの口調で問いただす
カズが一瞬、悔しそうに舌打ちをしたのは、見なかったことにして

「ダメなもんはダメ、コレが理由」

「その理由で、俺に納得しろと?」

「してくれ、俺を愛しているなら」

「ははは、愛しているからこそ出来ない相談だな」

バチバチと、色っぽさからは遠くかけ離れた緊張感が俺達の間に漂う
暫く、そのまま無言でにらみ合っていたが
このままでは、喧嘩になる
そう直感的に感じ、もう一度盛大にため息を吐いて気分を変える
何も、カズと喧嘩をしたいわけではない。理由を聞きたいだけだ

「理由くらい話せ。何も言わずにただダメだといわれても、納得が出来ん」

少しだけ口調を緩めてそういうと、カズも張り詰めていた空気を少し弱め、真っ直ぐにカズを見つめて少し低めの声を出す
こちらが真剣なのが伝わったのか、カズもバツが悪そうに表情を緩め

「…話したら、触らない?」

そう、少し不安げに俺を見上げてきた

「あぁ、場合によってはな」

俺だってカズを思いやる気持ちは持っているし、カズの意思はできるだけ優先してやりたとは思っている
ちゃんと理由さえ説明してもらえれば、俺だって触るのを諦める
ただし…触ればカズが死ぬ、くらいの重大な理由ならだが

「だ、だって…」

ようやく観念したのか、カズは恥ずかしそうに頬を染めてチラリとこちらを見ると
なにやら、ごにょごにょと呟いた

「…すまん、聞こえなかった」

戦場では足音1つ逃さない俺の耳も、今のは聞き取れなかった
聞き返したら怒り出すかと思ったが、さすがにこれでは何一つわからない

「だ、だから、その…」

だがカズは聞き返されたのがよほど恥ずかしかったらしく、顔を真っ赤に染め

「…アンタがしょっちゅう触るから…その、最近ちょっと腫れてる、気が…」

俺から視線を外したまま、ボソボソと
そう、可愛らしいとしか言いようがない表情で呟いた

「腫れてる?どんな風に?病気じゃないのか?」

「い、いや…腫れてるっていうか…な、なんか最近、ちょっと大きくなった…ような、気がして…」

「ほう、大きく…俺が触るからか?」

「そ、それ以外にどんな理由があるっていうんだよっ!それに、服とかちょっと擦れただけで、その…」

「擦れただけで、何だ?」

「た、勃っちゃうんだよ!それくらいわかれバカスネーク!!」

恥ずかしさが限界を超えたのか、カズはむっとしたような表情でぎろりと俺を睨みつけてきた
だが、猫が威嚇するように俺を睨みつけるカズとは逆に、俺は口元がにやけていくのが押さえられない
つまりは、俺が触るから元々敏感だった乳首がもっと敏感になったと

「ほら、理由話しただろ!?だからもう触るのやめろよな!」

ふんっと鼻を鳴らしながら、カズは俺に指を突きつけて宣言する
だがカズ、はやりお前は甘い
そんな可愛い理由で、触るなといわれても

「そんなの、できるわけないだろう?」

はぁ!?と言いたげなカズを速攻押し倒し、肩を押さえ込んでマウントポジションを取る
驚いていたせいか一拍遅れてカズが暴れだしたが、太ももを足で押さえ込まれ肩まで押さえ付けられていていれば、いくらカズといえど逃げることは出来ないだろう

「ちょ、何すんだよ!?離せってば!」

「続きだ、最初からそういうつもりだっただろう?」

慌てたように必死に抵抗するカズににやり、と笑って見せ、肌蹴させていた胸元から覗く乳首にちゅっと吸いつく

「あっ…理由話したら触らないって、言ったじゃないかっ」

「場合によっては、と言ったはずだが?」

「騙したのか!?」

「お前が勝手に勘違いしただけだろう?」

嘘つき!鬼!悪魔!!と頭の上から聞こえてくる罵倒暴言を聞き流し、胸元にキスを繰り返す
時折吸い付きながら、舌先で擽るように舐めてやる
カズが一番好きなやり方で攻めていると

「ぁ、ん…」

あっという間にカズの息が上がり、口から可愛らしい声が漏れる
俺を睨みつける目も気持ち良さそうに潤んで、筆舌にしがたいほどの色香が漂い始める

「どうした?弄られたくないんじゃなかったのか?」

「も、卑怯、だぞっ」

「多少勃っても別にいいだろう、誰が見るわけでもなし」

「だって、ん、恥ずかしい、し」

「それに勃っても、野戦服を着たらわからないだろう?」

「そうだけ、ど…」

「ならいいだろう?」

まだもじもじと恥ずかしげに俺を見るカズの唇に触れるだけのキスを落とし
今まで弄れなかった分、思う存分弄ってやろうと再び胸元に唇を寄せた

数日後
カズが受け持っている訓練を気まぐれで覗いたとき

「ふぅ…お前らも腕を上げたな」

「いいえ、副指令こそ…相変わらずお見事です」

暑いせいか、Tシャツ一枚になっているカズの胸元
ぷくっと膨れて可愛らしく主張し、なおかつ汗で濡れているせいで少し透けた乳首を一部の兵士達がさりげなくガン見している現場に遭遇し
頭を抱えるハメになるのを、まだ俺は知らなかった


















年に一度のやおいの日、そしておっぱいの日をスルーしてしまうとは…不覚っ
あれです、破壊神とかかみポンとしてのお仕事が忙しくて…勇なまとパタポン面白いです
盛大に遅れましたが、0801の日記念小説的な何かです
タイトルは相変わらずやっつけ仕事
第二次おっぱい戦争は、カズのおっぱいをいかにして不遜の輩から守るか奮闘するスネークの話を想像してください


ストラブ博士とカズにおっぱい談義をさせようか全力で迷ったとか内緒
ストラブ博士は美乳派、カズは巨乳派の予感がします(どうでもいい)

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