スパンキング



「おいカズ、もうちょっと締めろ」

無茶言うなバカスネーク
後ろからどこか不満げに無茶苦茶なことを言われ反射的にそう返したが、口から漏れる音はすでに意味を持っていない
おそらくスネークの耳に届いたのは、みっともない擦れた喘ぎ声だけだろうと簡単に予想が付いて、打ちしたくなるが慢性的に酸素の足りない体は一瞬だろうと口を閉じることを拒絶している

「カズ、聞こえているか?」

「ぁ…あ、ぅ…ひぅ、ぁ…」

俺からの返事がないのが不満なのか、ぐっと一際奥を突き上げながら耳元をがぶっと噛まれた
ぐちゅ、と酷く大きな水音と共にドロリと太ももを伝う液体の量が一気に増えて、ぞわりと肌が粟立つ
もうこっちは体力残ってないんだよ!いい加減やめてくれ!!
そう叫んでぶん殴ってやりたくても、長時間好き勝手された体はもう指一本動かせない
というか、これだけヤってるのにまだ元気なスネークの方がおかしい
動きから多分3回くらいはスネークもイってるとは思うが、突っ込んでから一度も抜いてくれないし休ませてくれないからよくわからない
ちなみに俺はもう何度イったかわからない
5回くらいまでは数えていたけど、もうそれからはわけがわからなくなってやめた

「おい、聞こえてるなら返事しろ」

「う、ぅ…ぃあ、あ、あ、ひぅ…」

どこか呆れたようにすら聞こえるスネークの声に、本気で泣きたくなってくる
気が狂いそうになるほど焦らされ、フィストでもする気か?といいたくなるほど散々嬲られ、人に酷く淫猥な言葉で誘わせておいて、ようやく突っ込んでくれたと思ったらこの仕打ち
それなのに、まだ締めてろってか?
ふざけんな、こちとらもう唾液飲む余力すら残ってないんだよ
大体アンタもう四十前だろ、なんだよこの体力と性欲
化け物かアンタは、というかもっと俺を労わったセックスをしてくれ!

頭の中でスネークへの文句を並べ立てるが、口にしてもどれ1つ意味を成す言葉にはならない
やめさせようにも、もう体は動かない
一体いつになったら満足してくれるのかと頭の隅で考えていると

「ぅあっ」

尻に、腰を打ち付けられるのとはまた違った衝撃が走る
ビクッと反射的に体が震え、一拍遅れて何かを叩くような音が耳に届く

「何だ、ちゃんと締められるじゃないか」

じぃんと肌が熱くなると同時に、満足げな声が聞こえてくる
その痛みと熱さに、ようやく何をされたのかわかった

最悪だ、こいつ人の尻ぶっ叩きやがった
しかも、手加減一切なしで
感覚が鈍くなっているのかすぐにはわからなかったが、尻がジンジンと熱く痛む
しかも顔は見えないが叩いた本人は多分すんごい笑顔だ、声でわかる

「ほら、もっと締めろ」

さっきので味を占めたのか、スネークはどこか楽しげな声でそう言うと、腰の動きと合わせるように遠慮なく尻を叩き始めた

「ひぅっ…や、あっ」

パシン、と肌を叩く音と同時に、反射的に体はビクリと跳ね上がる
その締め付けがイイのか、小さく呻くような声が聞こえ突き上げる力が強くなる
揺さぶられるままに揺さぶられる体は、快感と同じだけの苦痛を訴える
その上尻まで叩かれて、全身が悲鳴を上げ始める

「いぁ、やっ…やぁ、いぁ、はっ」

痛い、苦しい、お願いだもうやめてくれ!
自然と悲鳴が上がるが、スネークは俺の言葉なんて聞いちゃくれないし、そもそも口から出る音は言葉とは言いがたいものばかり

「あぅ…うぅ、ひっ」

「いいぞカズ、最高だ…」

俺とは逆に陶酔しきったスネークの声に、苛立ちと同時にゾクリと背筋が震える
もう犯されすぎて、感覚すらおかしくなってきているらしい
尻を叩かれる音と痛み、それから快感に脳みそがぐちゃぐちゃに掻き混ぜられる
もうどっちがどっちだか、わからなくなる

「ひぐっ…あ、ああぁぁあぁぁ!!」

バシン!と一際大きな音が響くと同時に、パチンと俺の中で何かが弾け

「くぅっ」

スネークの呻き声が聞こえ、腹の奥が熱くなる

「あぁ…ぁ…」

「よかったぞ、カズ」

ようやく満足したのか、スネークがゆっくりと体を離す
どろっとした何かがどんどんと後ろから伝い落ちていく
あぁ、シーツ汚れたかもと思ったが、よく考えたらもうぐちゃぐちゃだからどうでもいいか
そんなどうでもいい事を考えながら、意識はゆっくりと闇に落ちていく
完全に落ちきる寸前、唇に優しい何かが触れた気がしたが
夢か、それとも現実か
それをしる力すら、俺にはもう残っていなかった

















色々滾った突発文
エロ神様が何か書けっていったから!
いかん、エロの書き方を忘れかけている…

お題:ゲス攻めの裏御題
配布元:モノクロメルヘン

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