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「げんらー」

「ちょっお前離れろ!」


ゆらゆらと虚ろな瞳をしながら彼女は俺に多い被さってくる。その力に加減はない。全体重を俺にかけてくっついて離れない。頬はほんのりピンクに染まって、いかにも“酔っ払い”。


「炭酸で酔うな」

「よってないよー」

「嘘つけ酔っ払いっ」


引き離そうとしてもなかなか剥がれない彼女に、とうとう俺も諦めて折れた。全く、なんでこんな事になってんだか。元はといえば俺が出したサイダーの所為なのだが。まさか俺の飲みかけを彼女が飲むなんて思いもしなかった。彼女ならありえるかもしれないのに、その可能性をすっかり忘れていた俺のミスだ。にんまりと笑みを浮かべる彼女を見ながら、俺はため息をつくしかなかった。


「げんらー!」

「落ち着け!離せっての!」


彼女の顔が徐々に近くなってくる。その目は潤んで光をキラキラと映していて、今まであまり気にした事のない睫毛でさえも彼女を飾る華やかな装飾に見える。サイダーで濡れた唇が迫ってくる。やばい。これはマジでヤバイ。切実に逃げたいくなって俺は精一杯の理性で彼女を振りほどこうとするが、この状況では入る力も入らない。しかも彼女はその手の力を抜く気は全くないらしく、寧ろさらに腕をきつく自分の身体に引き寄せながら距離を縮めてきた。もう顔と顔との距離が10センチもない。俺は必死だった。


「はなせ!」

「やーだっ」


あと5センチの所で語尾にハートでもついているように甘く呟かれた言葉により、一気に抵抗する気を奪われる。もういい。俺諦めるよ。あと3センチ。彼女は不適に笑みを浮かべながら瞳を閉じる。そんな彼女を薄目で確認して、俺は彼女わがままを許した。










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(俺も大概甘いって事)

























091212
拍手ログ。suiteシリーズ源田ver.
どうしようもなく世話係な源田^p^我の源田はいつもこう。

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