過去ログ | ナノ
「お前最近ピンク多くね?」
「えっ、…あ、いや…そんな事ないと思うけどなぁ」
ふと思った事を言ってみると、彼女は焦ったような声を出して俺を見た。彼女は黒とか白とかモノトーンなのが好きだったはずなのだが、最近はピンクとか赤とかそんないかにも“女の子”みたいな小物が増えてきている印象があった。それに仕草とか行動とか、そういうのもなんだか今までと違って女子っぽい。いつもの彼女とは少しイメージがズレてきていた。
彼女は髪を結おうと束ねると、腕に付いていたピンク色のヘアゴムを巻き付けた。しかもその上念入りにシュシュまで付けて。その上少し左側に寄せて結ってみたりして。今までの彼女なら黒い質素なヘアゴムのみで頭の丁度上にポニーテールだった。俺的にはそれが彼女らしいし、似合っていて好きだったのに。何故止めてしまったのだろうか。周りの女子に影響されるような人ではない彼女。それ故に疑問が募った。
「………何かあったのか?」
「何かって…何」
「いや、それ俺が聞いてんだけど」
いつもと違ってはっきりしない彼女の返答に思わず首を傾げる。…もしや俺以外に好きなやつが出来たとか…?そんなはずない。仮にも名前は俺の彼女で、俺の名前もお互い好きなはずだから。そう分かっているのに意味のない不安だけが俺を支配し始める。
「……お前、さ」
「何いきなりそんな深刻そうな顔しちゃって」
「…他に好きなやつでも出来た?」
「ブッ」
(あ、いつもの名前だ)
吹き出した彼女にそう確認するとなんだか無駄に安心した。でも疑問が残る。何故いきなりそんなにも見た目を気にし始めたのだろうか。今までは面倒くさがってそんな事これっぽっちも考えている様子はなかったのに。まぁそんなの気にしなくても名前は常に可愛いんだけど、とか言ったら怒られるから言わないが。
「やっぱり…似合わない?こういうの」
「は?」
いきなりの問い掛けに思わず間抜けな声をあげてしまう。それを肯定と取ったのか、彼女のテンションはガタ下がりしてしまった。するり、とシュシュを取ると投げ付けられる。首下に力無く投げられタイミング良くキャッチするが、彼女の表情は暗いままだった。
「何があったんだよ」
「……――が、」
「……?」
「…佐久間がっ女の子っぽいの好きだって言ったから!あたしじゃダメなのかなって思ったの!悪い!?」
「…………え」
俺そんな事言ったっけ、全く記憶にない。だが彼女はその記憶にもない俺の言葉をずっと気にしていたらしい。ムキになって顔を赤くして話す彼女を見て心臓が跳ねる。嗚呼、可愛い。そう純粋に思ったりして俺は気付いたら彼女を抱きしめていた。
「今までもこれからも充分可愛いよ名前」
「うるさい、佐久間のバカ」
その 桃 色に染まった頬が愛しい
(どんな君だって永遠に愛してる)
100128
「その恋、何色」シリーズ第7弾。
“桃”で佐久間orz{gdgdであるもうダメポ
このシリーズもう少しで終わるはずだったんだけどな…あれ…まだ半分しか消費してないわ\(^O^)/オワタ
バカとかアホとか愛のある暴言が好きである(^O^)そんなのが多い私の小説