過去ログ | ナノ






「別れよう」


呟かれた言葉に思考が止まる。理解しがたい現実を突き付けられて、俺は返す言葉もなく彼女を見るしかなかった。彼女は今何て言った?無表情にこちらを見る名前はいつもと変わった様子はなく、先程呟いた言葉の残酷さとは裏腹にただ平然と、こっちを見ているだけ。


「名前…今何て、」

「だから、別れようって言ってるの。日本語分からない?一郎太」


皮肉を混じらせながら紡がれる言葉の1つ1つに重みを感じる。心臓が重力に負けそうな程重たい。別れよう、そんな事を言われる理由が思い付かない。俺は彼女を傷付けるような事をしてしまったのだろうか、してしまったのなら申し訳ない、別れさえ告げられる程の事、しかもそれが無意識とあらば尚更。


「なんでだ?理由を教えてくれ」

「理由?そんなのないよ」


そんなはずはない。理由も無いのに名前があんな事言うわけが無い。俺は誰よりも彼女の事を知っているのだから。今となってはそんな事を言っていても仕方が無いのだが、でも、彼女は決して理不尽を許すような人間じゃ無かった。


「…なんで、嘘をつくんだ?」

「嘘じゃないよ、本トの事」

「なんでそんなに意地を張るんだ?お前が理由も無しにそんな事を言う訳がないだろ」

「……なんで言い切れるの」

「なんでって」

「あたしの事好きでもないくせに!なんで言い切れるの!?」


一瞬、彼女の決意が揺らいだ気がした。暗闇にふわりと淡い光が現れたように俺の心は状況とは裏腹に、晴れていくようだった。自分の気持ちがはっきりしていく。
きっと、彼女があんな事をいったのは俺が彼女を不安にさせてしまったからなのだろう。今は彼女を安心させてあげないと、本気で離れていってしまう。ダメだ名前、それは勘違いだ、俺は本当は、



「お前が好きだから」



そう言うと彼女は驚いたように目を見開いて俺を見た。思った当たり前の事を言っただけなのに、そんなに驚かれるとこちらとしてはかなり恥ずかしいんだが。気付けば彼女の目からは涙が零れていて、俺は焦って彼女に駆け寄った。先程とは別人のように泣きじゃくりながら必死に涙を拭う彼女を見ながら、俺は赤くなるからと彼女の手を掴んだ。それでも泣くのを止められない彼女。嗚呼、いつもの名前だ。純粋にそう思いながら俺は泣き止むまで彼女を抱きしめた。
















(君が苦しむ事じゃない、どうせ今の僕には君と離れる事なんて出来ないのだから)

























100224
だめだgdgdである^p^着地するところが当初と違うwwwwwまさかの眠気パワーwwwしにたい\(^O^)/

「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -