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「数学って青っぽいイメージあるよね」

「……何言い出すんだよいきなり」


いかにも飽きたという表情を浮かべ、シャーペンをくるくる回しながら彼女は呟いた。現在テスト1週間前にして勉強中である。押しかけてきた彼女の必死さに拒むに拒めず俺は彼女を家にあげたが、さっきからこの調子だ。全く…さっきのは見間違いだったのか?


「丸の髪って青いからさ」

「それで俺が数学得意だとでも思ったのか」

「イエス」

「いい返事で何よりだが勘違いだ」


残念ながら俺はすば抜けて頭がいいとか、何かの教科が天才的だとかは無い。名前より成績はいいが、ただ平々凡々である。そんな俺が彼女に数学を教えるなど出来るのか。不安で仕方なかったが取り敢えず聞かれた質問に答えているとさっきから彼女は少しずつ、ほんの少しずつ分かってきたのか問題を解いていた。大半つまらなそうに相槌を打つだけなのだが。


「俺じゃなくてもっと他に頭いいやついただろ」

「例えば?」

「豪炎寺とか鬼道とか」

「断られそうじゃん。鬼道さんとかスパルタそうだし」

「じゃあ俺もスパルタになろうかな」

「いや、止めてあたしゆっくりやりたい」

「お前はゆっくり過ぎるんだよ。あと1週間だぞ」


彼女は余裕があるように振る舞うが、彼女の成績を知っている人から見れば全く余裕ではない。まぁ他人が心配した所で彼女自身がやる気を見せないのだから仕方ないのだが。問題に向かい唸る彼女を見ながら俺は小さく息をついた。ふとこちらを向くと、彼女は不安げに呟いた。


「…迷惑だった?」

「なんだよいきなり」

「あたしだらし無いからさ、丸に迷惑かなって思ったんだけど…やっぱり鬼道さんのとこでビシビシやった方良かったかな…ごめんね丸」

「…なんで謝るんだよ」


謝るなら、何で俺を頼ってきたんだ。そう問うと彼女は口をつぐんだ。俯く彼女になんだか不安になる。何か傷付ける事を言ってしまったのだろうか?この質問はしちゃいけなかったのだろうか?益々疑問が増えて、彼女を見ているしか成す術もない俺。時計が数秒時を刻むと彼女は顔を上げた。顔が赤い。俺は彼女に何が起こったのか分からずまま彼女が放った言葉に目を丸くした。







「丸が好きだから!」
















(必死に想いを伝える君が愛しくて、思わず抱きしめたくなった)

























100121
「その恋、何色」シリーズ第2弾。
“青”で風丸。授業中先生が来なかったから書いてた←

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