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「丸睫毛長っ」

「なんだよいきなり」


まじまじと顔を見られ困惑しながらも俺は彼女に反応を返した。睫毛って…凄い今更。ていうかそんなこと言われても男の俺としてはあまり嬉しくないし。女子同士ならどうなのかは分からないけど。


「いいなーあたしも長かったらよかった」

「お前も十分だろ」

「やー。丸に負けた」

「どうだっていいだろうが」

「乙女としては軽くショック」

「………」


なんか段々面倒になってきた。こいつどうすればその話題から離れてくれるだろうか。


「ねぇ丸」

「なんだよ」

「マッチ乗っけていい?」

「……はぁ?」


よくあるやつだ。睫毛にマッチを乗っける遊び。でもあれなんか幼稚じゃないか?あんなのやられるなんて俺はごめんだぞ。


「絶対ヤダ」

「なんでー?」

「俺はお前のおもちゃじゃないんだ」

「えーつまんない」

「つまんなくない。ほらそろそろ離れろって」


宥めるようにして彼女の肩を優しく押すが、彼女は動きを見せない。どうやら俺の目の前から退く気はないらしい。マジで離れてくれないかな。そろそろ本トに心臓がバクバクして死にそうなんだけど。


「なんで?」

「なんでって…」


不満げに問ってくる彼女にどう返していいのか分からない。すると彼女はフッと笑ってそのまま抱き着いてきた。思わずうわっと声をあげるとそのまま後ろに倒れこんでしまった。あ、頭打った。


「痛い名前」

「離れなくないくせにー」

「いいからっくっついてていいから起こしてくれっ」

「やだー」

「なんで!」


必死になりながら訴えてみるものの、彼女は全く聞く気はないらしい。そのまま強く抱き着いたまま離れない。ダメだ名前。俺心臓爆発して死にそうだからそろそろ本トに離してくれよ。お願いだから!





「こうしてちゃダメ?」





半ば上目使いで見てくる目に、完全に俺は爆発した。そのまま床に身を委ねるようにして首をつけた。ああ、きっとそのうち俺こいつに殺されるんだろうな。俺がはぁ…とため息のような息を漏らす。仕方なく俺が彼女の頭を撫でてやると、彼女は満足したのかハハハ、と笑って抱き着く腕にまた少し力を込めた。
















(君には何も敵わない)
























091208
全く睫毛のくだり関係ないんだがwwwwなんか勝ち負けとかそんな事をほのめかしている辺りいいかなっとか自分の都合のいい解釈^p^p^

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