綺麗だとか、愛してるだとか。俺は今日という今日まで愛の言葉というものを吐いた事はなかった。
自分の夢以外には興味がない上に、マンガを描いてばかりで女を構うような暇なんてなかった。 それ故に軽薄な関係の方が自分に合っているのも確か。
それは揺るがないと思っていた。
「福田さん、やな人かと思ってたけど、いい人だ!」
一瞬どきりとした。ただそれを悟られたくなくて、すぐに切り返して言い返す。
「いい人じゃない!」
欲しいのはそんな言葉じゃなくて。でも欲しい言葉がまだ見当たらないのも事実で。 本当のところ、こういうのを何と呼ぶべきかと迷うほどに、こういう感情には不慣れだった。
「じゃあ、お人好しです」 「……………。」
最近の若い子は分からない。 否定するのもはばかられ、仕方がなく苦笑を返せば、にこりと年相応の笑みが返される。
「僕、そういう人、好きです。」 「…あ、そう。」
彼と俺じゃあ、意味合いが違うんだよなぁ。 と未だに驚く心臓に言い聞かせた。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ くっつくまでのカウントダウンをかいて見ようかと。 うちの福田さんはなんだか青くて別人です…。
11/02/19
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