入学式を終えて、新1年生も大分学校に慣れて来た頃。
家庭科教師、高木香耶。 保健体育教師、福田真太。 美術教師、真城最高。
その3人は現在、他教師陣に比べてもあからさまなほど暇であった。
「福田先生、僕の仕事ないです。」 「時間割に言え。」 「時間割担当って誰ですっけ?……人によっては殴りたい。」 「ボソッと怖いこと言うな。」
ぐっと拳を握り、得意の空手道が本物だと言い張るように身体が主張する。 が、冷静なツッコミが入り、勢いをなくした香耶は、渋々と次の授業に向けての予習を始める。
次と言っても、次の授業なんてものは、早くても明日の2限目なのだが。
「…平丸先生かな。 数学教師が時間割担当ですもんね?」
確認のために話を福田に振れば、ん、と返されて終了。
暇を持て余した真城は、未だにだだをこねる香耶を仕方ないよ、と宥めすかした。
そうして自身は、授業用に買ったキャンパスノートにシャーペンを滑らせて暇を潰す事にした。
「…あ、」
しばらく沈黙が続いた頃、またもや沈黙を破る声が職員室に響く。
静かにしてくれ、と福田は密かに眉間に皺を寄せた。
「福田先生、授業ない時って暇ですか?」
沈黙を破った挙げ句、随分と福田に失礼な質問をふっかけたのは、隣の真城だった。
「暇って?」 「仕事ないなら、福田先生に僕のTTをお願いしたくって。」
あぁ、と納得して、確認のために時間割を見やる福田。 それに反して、TT?と頭上に疑問符を浮かべた香耶。
「Teacher teacerですよね?」 「先生先生?」 「…担当先生の補佐をする先生みたいなもんだよ。」
ふぅん、と香耶は生返事をして、興味ないと言いたげに教科書へと視線を戻した。
そんな姿に福田が、人がわざわざ説明して…、と小言を言い出したので、終了させるべく、真城は苦笑混じりに口を開いた。
「お願いできますか?」 「おう。多分、大丈夫だと思う。」
快い返事に、ありがとうございます、と返してキャンパスノートへと視線を移す。
ノートに集中する直前、最後に見えたのは、福田先生ってば真城には甘いよね、と文句をたれる香耶に、激しく食ってかかった福田の姿だった。
意味が分からない、と真城は首を傾げながらも、さらにシャーペンを滑らせた。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ TTって授業中に居ませんでした?あれ、私の学校だけですか? 仲良しな先生同士でTTやって、いちゃいちゃする男の先生2人を見ながらhshsしてました。そんなTTの記憶。←
11/02/24
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