下駄箱に履いてきた靴をしまおうと下駄箱を開ける真城。
その途中に香耶と亜豆が後から続き、おはよう、と声をかけてくる。


「あ、おはよ…う?」


その声に反射的に返事をするも、その挨拶は尻すぼみになってしまった。


「な、なに?」


困惑の表情で2人の挙動を見つめる真城。
それもそのはずで、2人は今、真城を舐めるように見つめて、ぶつぶつと呟きだしたのだ。


「ライトブルーのスカートかぁ」
「それに色の強いグリーンのサマーカーデを合わせたんだね」
「あ、あのー?」


どうやら真城の着用している服を分析をしはじめたようだった。
今日の真城は、オフホワイトのレース襟Tシャツに原色に近いグリーンのサマーカーディガンを羽織り、サックスブルーのスカートを合わせただけのシンプルな装いだった。
流石に生脚ははばかれたらしく、グレーのストッキング着用だったが、男の目を奪うには充分過ぎるくらいであった。


「美術の先生だけあって、毎日おしゃれですなー」
「今日も可愛い服着てるね」


楽しそうに褒めてくる2人に、思わず照れる真城。
そのままの流れで、穿いて来た流行のバレエシューズを下駄箱にしまう。
その姿を照れ隠しととったのか、2人はニコニコと見つめるばかりだった。


「…いやいや、元気系の香耶ちゃんと清楚系の亜豆さんには負ける…じゃなくて、何してんの?」


ただ、照れていても、違和感は拭えなかったらしく、真城は思わず学生時代に戻ったようにフランクな口調で2人に1つの疑問をぶつける。

そんな真城の姿に2人は顔を見合わせて、にこりと笑った。



「「抜き打ち検査です!」」



そういって、楽しそうに声を揃えるものだから、毒気を抜かれた真城も思わず笑ってしまったのだった。





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女子高生みたいな絡みをする大人が好きです。
可愛いですよね、男でも女でも。笑

2012/02/05