職員室の机の配置は、大抵学年順である。その次に、クラス番号順。

一番前の行事と出欠記入用のホワイトボードの前に校長、教頭、事務の机が配置。
それから各先生は前述の通り、縦に1年、2年担当が向かい合い、3年、非常時勤務用の先生が向かい合う形になる。
そして、前から1組、2組、と続いていく。

特に、組ごとに担任が前になるよう配置されている。
はずなのだ。



「…はずなんですよ。」
「はい?」
「どうした?」


隣を見やりながら、ため息を漏らす高木。
おかしい、と思いながら、1年担当の列の机の並び順について不服に思う。

前から昇順は問題ないのだ。

新妻、雄二郎、高木、真城、福田、安岡……

ただ、担任、副担任の順番にするには少しおかしい。



「どうして福田先生の隣が真城先生なんですか…!?」


本来ならば、真城は雄二郎の隣に来るはずである。
その配置になって2ヶ月ほど経った今、それを気にするのもどうかと思うが、言わずにはいられないほどに、高木は不服だった。


「どうしてって言われてもね…」
「雄二郎じゃ真城の教育は務まらないからじゃね?」


ひどっ、という雄二郎の声に福田は、はいはい、と生返事をしただけだった。



「とにかく!なんで真城先生がこっちなのか、俺は気がかりです!」
「…何で高木先生ってばそんなに、怒ってんの?」


え、と声を漏らす高木。
福田の質問に、どもると言うよりも、拍子抜けしたように固まってしまった。

何故かと聞かれると、それは高木にもよく分からないのだ。
福田が嫌いなわけじゃない。かと言って、好きでもないのだが。

そんな福田だが、たった少しの誤差が気になってしまう。
それは真城に関連するからこそだが、真城と高木の関係と言えば、同僚、担任副担任。ただそれだけ。

それだけだと言うのに、この憤懣は何なのだろうか。


「それは…」
「それが答えられるようになったら教えてあげるよ。高木家の夫くん。」



福田は意味ありげに笑っただけで、何も言わなかった。
真城は首を傾げただけだった。














‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
高木先生は真城先生に対して友達と好きな人の間のギリギリを突いてきます。しかも無意識で。
恐ろしい子…!←

11/03/02