小さく震える身体を抱きしめて、はたと気づく。


「…真城さん、寒くないの?」
「…………」


ふるふる、と弱々しく首を横に振り、否定を示す真城。そんな強がりとは裏腹に、真城の身体はどんどんと震えを増すばかりだった。



「嘘つき。」
「…うっ、」


いかにも図星、と言わんばかりの顔に苦笑しながらも、風邪を引かないだろうかと心配になる。
漫画家としての体力はあれど、免疫力があまり高そうには見えない真城の身体。そんな事を分かってか否か、雄二郎は労るようにゆっくりと真城の手を引いた。

無理やりにならぬよう、彼女の苦にならぬよう、至極丁寧に。



「おいで。」


そして雄二郎は真城の弱い言葉と分かっていて、その言葉を選んで使う。

案の定、真城はこくりと頷いて雄二郎に引かれるがままについて行く。




彼女が握り返す手の力が、きゅっ、と強まった気がして、嬉しくなった。









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