「誰かヤらしてくんねぇかな?」
「やるって何をや…」
「サイコー、聞いちゃいけませんっ!」


福田の呟き、真城の疑問、高木のお母さんっぷり。
変態が移るから近寄らないで、と高木は真城に言い聞かせた。


「変態って…ムッツリくんには言われたくないよ。」
「誰がムッツリですか!」
「高木くんが。」
「え、シュージンまじで…?」


若干、後ろに引いた真城にショックを受けた高木と、そんな高木を茶化すように口を開く福田。


「ヤるって言えば、アレしかないだろ…?」
「アレ?」
「エス、イー…」
「やめて下さい。」
「サックスと似て…」
「死んで下さい。」
「セッ…」
「言わせねぇよ!!」


何としても真城に説明したい福田と、即座に対応する高木。
その攻防戦が頭上で繰り広げられ、わけが分からなくなり始めた真城。


「高木くん、段々と辛辣になってる…」
「誰のせいですか。」
「だから、何の話をしてるんだ?」


こてん、と首を傾げる真城に、可愛いなぁ、と2人して頭を撫でる。
なんだか誤魔化されたような気がして、真城の機嫌は下がる一方だった。


「知りたい?」
そんな真城の心情を汲み取ってか、福田は一見優しそうに真城に問う。
真城は若干いやな予感がしながらも、好奇心には勝てずに首を縦に振った。


「じゃあ、俺と一緒にベッド行こう。」
「待てやコラ。」


真城の肩を抱いて奥の部屋へ行こうとする福田を捕まえて、キャラ崩壊を気にもせず止めに入る高木。


「口が悪いな、高木くん。」
「貴方は素行が悪いです、福田さん。」


上手い事を言う、と福田は苦笑を浮かべる。
頭は良いが、立場が悪かったのかも知れない。と、高木に同情しながらも、福田は肩に置かれた手を振り払う。


「さて、真城くん。」
「はい?」


未だに抱いたままの肩をさらに引き寄せて、顔同士の距離が数センチという所まで近づける。
それでも、真城は顔が近いな、くらいにしか思っていないのだから面白い、と福田は思う。



「俺と高木くん。
真城くんは抱かれるなら、どっちがいい?」


にこ、と清々しいほどの笑みを浮かべる。だが言っていることはひどくえげつない質問だった。


自信がないわけでも、好きになって欲しいわけでもない。
福田もただの確認のつもりだった。

それは高木も同じで、ごくり、と生唾を飲み込んで見守った。


ただ、2人とも、真城を侮っていたのだった。





「抱かれる…?
え、そんな…抱かれるなんて…考えたこと…ってゆうか、そんな事、考えないよ…」


かあぁぁ、と顔から火が出るんじゃないかっていうくらいに朱くなった顔。そんな火照った顔を両手で隠して、さらに朱く染める。

2人が思う以上に真城は、青くウブだったのだ。




「……………」
「……………」



そんな真城の姿に、うわっ、何この天使!と2人はひたすら真城の頭を撫でまわしたとか。














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きりの様に捧げます。
ウブな真城くんを取り巻く、オープンスケベ福田と、ムッツリ高木。こんな意味深な話にする気はなかったんです…。
下ネタってどこまでがOKか分からず、すごく中途半端に…すみません…

2011/04/02