時刻は昼過ぎ、休日の朝を迎えたあたしは自然と彼氏の家へと足を運んた。だが彼氏以外の家族は出掛けてしまったようで、せっかくの差し入れは虚しくリビングのテーブルの上へと置かれる。そして二人きりという絶好のシチュエーションなのにも関わらず、付き合いが長いあたし達は榛名の部屋で別行動をとっていた。しかしそれでも平穏という静かな空間で居心地の良い時間を過ごしていたのに、彼氏の爆弾発言により終止符を打つことになる。

「あ、勃った」

そんなたった今最低発言をした彼氏に向かってあたしは枕を投げ付けたのだった。

今日は久々の榛名のオフにあたしも予定が空いていたため、付き合っているあたし達は今こうやって榛名の部屋で寛いでいるのにあの発言はない。まあ、あたしが榛名のベッドを陣取って雑誌を見てるのも悪いのかもしれなけど、彼女がいる部屋で堂々とAVを見る彼氏もどうかと思う。

ちらっとテレビを見やれば絶頂に達した男女が未だ交えたままだった。しかも榛名の傍にあるDVDのケースのタイトルを見ると「どっきゅん☆淫乱巨乳の○○○」と書いてある。まずはDVDを作った会社のネーミングセンスを疑いたいが、その前に榛名のセンスを呪った。相変わらず榛名の巨乳好きは健在だが、このチョイスはないだろう。またもテレビに視線を移せば二ラウンド目に突入するところだった。女子にしか得ることのできない二つの膨らみに視線が移る。…まあ、確かに大きい。まだ二ラウンドが始まったばかりとは言え、その揺れ具合はハンパなかった。同じ女性としてその胸の大きさに少し嫉妬する。しかしあたしだって小さい訳ではない、これでもCはあるんだから。ふと強い視線を感じて大きい胸から榛名に戻すと、後頭部を抑えあたしを睨んでいた。

「おい、なにすんだよ!ケガでもしたらどーしてくれんだ!!」
「その前にこちらとしてもいろいろと言ってやりたいけど、取り敢えずDVDの電源を消せ。ファッション雑誌を読んでても気分が悪いわ」
「んだよ。別にいーだろ、オレの部屋なんだし」
「まあ確かに最もな意見なんだけど、それ以前の問題としてなぜこの場に彼女というあたしの存在も憚らずAVなんて見ることができるんですか。その榛名の無神経の無さを疑うね」

蔑みと軽蔑の意を込め、明らかに顔を歪ませ横目で榛名を睨み付けた。しかしこいつはそんなあたしの視線も気にせずテレビに視線を戻すと、カチャカチャと自身のズボンのベルトを外し始めた…って。

「アンタなにやってんの!?」
「るせーな、見りゃ分かんだろ」
「分かりたくないわあっ!なにが悲しくて彼氏の自慰をするとこを見なきゃいけないわけ!?ふざけんな!!つかDVDを消せ!」
「あぁ?ホントにうっせーな、邪魔すんな」

そう言いながらベルトを外し終わりチャックへと手を伸ばす榛名。あたしは慌てて雑誌を放り投げテレビごと消した。途端に榛名は眉間に皺を寄せ、顔をしかめる。おいこら待て、今のこの状況はあたしの判断の方が正しいんだからな。

「つかさ、さっきも言ったけどあたしが居るのになんでAVなんか見てんの?嫌味?嫌味ですか?あたしの体になにか不満あるなら言ってみろや」
「別に不満はねーけど、たまには巨乳の美人なおねーさんでヌきたいだろ」
「知るかあああ!悪かったわねー巨乳じゃなくて、年上じゃなくて!更に美人でもなくて!!でもあたしだってこれでも胸あるんだからね!Cもあるんだから一般的に見れば大きい方なんだよ畜生!」

そういって鼻息を荒々しくしたままあたしは胸を張ってみせた。これのどこが小さいんだ、なんか言ってみろ。しかし逆に榛名はあたしの胸を見て鼻で笑い、でもお前一般的にはモテねーからな、と言ってきやがった。今モテるモテないは関係ないだろとツッコミたいところだが、あたしはその発言についカチンときてしまう。

「…榛名には言ってなかったけど、あたしだってこれでもモテるんだからね。この前隣のクラスの子にコクられたしー」
「…っはあ!?んだよそれ!聞いてねーよ!」
「だから今言ってなかったけど、て言ったでしょ!」
「ふざけんなよ、オレの知らないとこで他の男にコクられてんじゃねーし!」
「なによ榛名だって人のこと言えないじゃない!あたしという彼女がいたって、他の可愛くて美人な女の子に告白されまくってるくせに!そして今現在進行形で巨乳のお姉さんに浮気してるし!知らない女相手におっ勃っててるんじゃないわよ!偉そうなこと言うな!」
「ンだとこらオレが悪いって言うのか!」
「それ以外に誰がいるっていうの!?」

いつの間にか言い合いになってしまい、今にもご近所から苦情がきそうなこの喧嘩。しかも榛名の家はマンションなので尚更である。

ふと、あたしってそんなに魅力ないのかな、呆れられてしまったのかな、と思った。榛名のアソコはズボン越しでも分かるほど勃起しているのが分かる。さっきよりは縮んだ気がするけど。まあ、そりゃ恋人同士ですからあたし達だってなんだかんだ言いながら夜の営みは人並みにしてきた方ですよ。だからと言って彼氏の自慰現場を見てなにがいいのだろうか。悲しい、悔しい。自分の貧弱な体を呪った。自然と視線は自分の胸へと移る。やっぱり巨乳好きの榛名から見たら小さい方なのかなあ。思わず口から盛れた溜め息にまた溜め息をつきたくなった。

部屋になんとも言えない空気が漂う。テレビ画面は真っ暗だが、DVDの電源は消してないので小さい機械音が耳に触って更に気分が落ちた。今頃あの巨乳のおねーさんは三ラウンド目にでも突入しているのだろうか。生憎とAVなんて見たことないあたしは今時のAVがどの程度のものなのか知らな「おい」…なに。

「…言っとくけどな、別にお前に不満がある訳じゃねーからな」
「じゃあなによ」
「最近お前相手になってくんねーから、こうやって溜まってるモンを出したいンだっつーの」
「…はあ?」

告げられる榛名の本音に間の抜けた声が出る。まじまじと見詰め返せば徐々に顔が赤らんでいるのが分かる。え、なに。やることやっときながら今更この程度の発言で赤くなるの?え?ウブになる時期が違うと思うんだけど。

まあ、でも、なんだ。あたしの身体に不満がある訳ではないようなので一先ず安心した。それと同時にあたしの肩に榛名が触れ、途端に身体がふわっと浮く。急いで自分の状況を確認すると榛名にお姫さま抱っこされてた。

「え、え、え。なに?なに急にどうしたの?」
「は?なにって、これからヤるに決まってんだろ」
「…ちょ、待て待て待て!今の流れでどうしてそうなる!?そんなピンクな雰囲気じゃなかったよね!?」
「うるせーな、オレの息子を放っとく気かよ」
「榛名の息子なんて今どうでもいいから!」

ジタバタと暴れるも、あたしの抵抗は虚しく榛名のベッドの上に下ろされた時点で終わった。ギシッとベッド特有の音が軋み、榛名があたしの上に股がる。あたしはこの瞬間、これから始まる行為に暫く憂鬱になるのだった。





放置プレイには要注意
(おい、今日はオレのナニを口でくわえろよ。それかパ●●リ)
(…え、やだよ。アンタのでかいから口に入りきらないんだもん。因みに後者も持っての他、却下)
(はあ?ざけんなよ。オレの息子じゃ嫌だってか)
(や、そういう訳じゃないけど…あぁ、もう仕方ないな。滅多にしないんだからね、こんなサービス。感謝しなさいよ)
(んじゃ、そのお礼に最低五回はヤってやるよ)
(そっちこそざけんなし。五回死ね)

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20091214
ギャグを狙うつもりが途中で分からなくなった件。取り敢えずパ●●リが分かった方、私と下ネタ同盟を組みましょう(おまえ
大分やっちゃった感が否めないけど後悔は、ない←

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